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夏に…

七月も十日が経とうとしている。

来週には祇園祭の先祭りだ。

宵山で賑わい、山鉾巡行を迎える。

毎年巡行を観覧される方々で、沿道はびっしり。

大体この頃に梅雨明けが発表される。

最近は梅雨という概念があいまいではあるが…。

充分「暑い夏」を体感している2024年の7月の始まり。

いよいよ暑い夏の本番が訪れようとしている。

夏だ。

蝉の声がチラホラと聴こえ、それらしき気配が漂い始めている。

暦のうえでは「小暑」。(7月6日から)

梅雨が明けて本格的に夏になるころのことを言う。

この小暑から立秋になるまでが、暑中見舞いの時期にあたるそうだ。

こうも暑くなってくると、本能的に涼し気なものやことを求めたくなる。

室内の冷房で涼むのが一番…。

それが一番だとは思う。

ただ、この時期ならでの
海に行ったり
川に行ったり
プールに泳ぎに行ったりなど、「水」を五感で感じることも季節の趣きがあって良いのではなかろうか。

かくいう自分は金づちなので、あまり泳いだりしないけど。

まあ、でも何か良いですよね。

大人も子供も一緒になって遊んでいる感じが。

何か夏って感じがして、良いなって感じてしまう。

晴れた太陽のもと、はしゃぐ人々…。

実はそんな季節は長いようでいて短い。

暑いけど、楽しまないといけないのかもしれませんね。

そして海や川で感じる水が行きかう音の演出…。

あの川のせせらぎや、海の押しては返す波の音がまた良いんですよね。

それだけでなんか、夏の醍醐味を感じてしまいます。

言うならば、そよ風が吹いて「チリリ…」ッとなる風鈴の音…

っみたいな。

音に涼しさを感じる瞬間もありますよね。

視覚的にも、水が流れている様子を眺めているのも「涼」を感じる瞬間だ。

京都市内に流れる鴨川。

たまにチャリンコで川べりを走ったりする。

横目に見る鴨川が流れる光景…。

いやはや「画」になるわけで。

水の流れる音や、景色を眺めているのも夏を感じる瞬間かもしれない。

行ったことはないが、この時期鴨川の川べりに位置する飲食店では「河床」を催している。

川の横に並べる特別座席に、鴨川を眺めながらのランチやディナー。

暮れ行く陽を感じながら、一杯呑んで「お疲れさん!」ってなお酒は格別な瞬間なのでしょうね。

行ったことは無いけど。

まあ、河床云々ではなくとも、何となく鴨川の川沿いって好きなんですよね。

暑いながらも、水を感じ、川のせせらぎが聴こえ、何となく「涼」を感じれる瞬間があるのが。

何も鴨川だけでなく、あの水の際って割と涼しさを感じるもんで…。

なのでそんな雰囲気が楽曲にも影響をあたえるんでしょうね。

涼しさと掛け合わせて、人々のドラマを描いていく…。

「ホ・テルはリバーサイド~♪」

井上陽水さんの「リバーサイド・ホテル」。

凄く懐かしいですね~。

今でもたまに聴きますけど。

凄い神秘的で、不思議な雰囲気があって…。

涼やかな雰囲気出てますよね。

夏かどうかは知らないけど、陽水さんの声がまた涼し気な「川沿い」感を出しているような気がして。

やっぱり夏に聞きたくなるような曲だと思う。

歌詞の「川沿いリバーサイド」や「水辺のリバーサイド」など、同じようなことを言っていて、逆にそれが印象的に感じたりする。

言葉遊びが上手いですよね。

それにしても本当に不思議な世界感を持った曲だ。

何か結論づけているのか、それともよく分からない曖昧なニュアンスのまま、終わっているような感じもあり、宙に浮いたような印象で曲は終わっていく。

昨今ネットで調べると、その曲に関する歌詞の世界感みたいなものが、色々な注釈で検索できるが…

その想像の余地を広げてくれる、井上陽水の歌詞もまた一つの魅力なのだと感じてしまう。

井上陽水さんが「リバーサイド・ホテル」を作ろうとした際に、参考にしたとされるのが、イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」。

もう説明不要のロックの、洋楽の普及の名作ですよね。

冒頭のアルペジオのフレーズを聴くだけで、脳内の思考は「暮れ行く太陽」の雰囲気になるわけで。

歌の主人公が車の運転に疲れて、休むために立ち寄ったホテル。

こちらのホテルは川沿いではない、カリフォルニアの砂漠地帯の沿道に接したホテルだ。

何かカリフォルニアの乾いた気候と、乾いた記憶みたいなものを想像させますよね。

夏の雰囲気もたっぷりで…。

陽の暮れ行く寂しさを感じさせながらも、湿度の低い、カラッとした夏の雰囲気も感じれるような気がして。

曲自体に「ホテル・カリフォルニア」の「涼」みたいなものを感じてしまう。

ドラマー、ドン・ヘンリーが歌い、そのハスキー・ボイスが哀愁や切なさみたいなものを感じさせ、後半のロックの歴史に残るギター・ソロが楽曲の完成度を異次元の域に高めてますよね。

ホテル・カリフォルニアに立ち寄った主人公は、そのホテル暮らしに快適さを抱きつつも、段々と嫌気がさしてきて、ホテルを立ち去ろうとするも、離れようとしても離れられなくなった…

っみたいな展開で。

まあ、ミステリアスなんですよね。

聴く者にその世界感を想像させるというか…。

ホテルに滞在する美女や、彼女の男友達たち。

バーのキャプテンや、ラストに登場する警備員など、ホテルにまつわる人物達が登場して、面白い世界感を作っているんですよね。

そのミステリアス感が、より曲の夏の暮れ行く日差しの雰囲気を醸しているような気がして…。

ラストに主人公と会話する警備員のセリフ…

we are programmed to receive、

You can check out any time you like、
but you can never leave.
我々はここに住みつく運命なのだ
いつでもチェック・アウトはできるが
ここを立ち去ることはできはしない

「ホテル・カリフォルニア」歌詞一部抜粋

意味深ですね~。

特に含みを持たせているわけではないかもだが、人によって解釈は色々あるわけで…

聴く者に、解釈や想像の余地を任せるのも、名曲たるゆえんなのかもしれませんね。

その非現実的な世界感が、後半のギター・ソロで炸裂していくわけで…。

普及の名作であることは間違いない。

夏の雰囲気や、涼しげなものを求める人間の本能的なもの、黄昏時の太陽や、音、神秘的な世界など…

まさしく夏に聞くにはピッタリだと思う、井上陽水の「リバーサイド・ホテル」と、イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」。

日米の土地のフィーリングも落とし込まれているようにも感じますよね。

湿度の関係みたいなものも、曲調に感じるというか…。

いずれにせよこの暑い夏に、「ホテル・カリフォルニア」をよく聴いている今日この頃。

じきすれば夏本番だ。


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