
披露宴なんか死んでもやりたくないと思ってた男が披露宴をやるまで
披露宴が嫌いだ
結婚式と披露宴ってどのくらいの割合の人が行うものなんでしょうね?
僕は昔っから披露宴なんてやりたくないと思っていました。
まず、目立ちたくない。
大勢の人の前に立つのは嫌だ。
キリスト教徒でもないのに教会で挙式する意味が分からない。
普段神様を信じてないのに結婚式になったら急に神様に愛を誓うのか?
神式も同じく神道でもないのに以下略。
スピーチなんて聞きたくない。
友人スピーチはまだいい。
でも会社の上司が複数回スピーチして乾杯を待たされるなんて最悪だ。
せっかくのごちそうを前にして何も飲めずに聞く長いスピーチが終わったと思ったら、まだ次のスピーチがあったときの絶望感たるや。
ようやくスピーチが終わったと思ったら、乾杯の発声の前にまた小話をはさんでしまう人がいる。
乾杯の役割なんだから話してないで早く乾杯って言ってくれ!!!
余興。
身内ネタに走られたときの会場の温度差が嫌だ。
もちろん素晴らしい余興もある。そんな余興をできる人々を尊敬する。
でも会場の半分以上が楽しめる余興はごくまれにしか見ない。
失笑しながらワインをすすることも多い。
料理が美味しかったら良い式だったと思えることが多い。
料理の質が悪かったら3万円の意味を考えてしまう。
せめて美味しい料理とお酒を楽しませてくれよ。
ここで払ったお金が新郎新婦の新生活のための資金になるならいいけど、結婚式場のマズイ料理に消えるなんて嫌だよ。
新婦から両親への手紙。
僕結構涙腺ゆるい方なんだけど、あのシーンで泣いたことはない。
ゲストにしてみたらあれを聞かされる意味はあまり分からないかな。
できれば親戚だけの集まりでやってほしい。
まだ結婚なんて相手も予定もない学生の頃から披露宴が漠然と嫌でしたが、色々な披露宴に出席する中でその思いは僕の中でますます正当化されていきました。
誤解してもらいたくないのですが、僕は披露宴が嫌なんじゃないんです。
金太郎飴のように類型化されて区別がつかずウエディング業界を潤すだけのザ・披露宴が嫌なのです。
もちろん一般的な披露宴の内容を新郎新婦が心底好きだからやりたいというのなら全然いいと思います。
2人の人生の区切りとして主役になれる日です。
2人が好きなことをやって思いっきり楽しんでほしい。
親のため、親族のためという意味も分かります。
本人たちがやりたくなくても親の手前やらざるを得ないというケースもあるでしょう。
会社の人間関係のしがらみを無視できないというのもまあしょうがない。
おめでたいことだから喜んでご祝儀も払うしお祝いもします。
ただ、ゲストをもてなすという視点だけ忘れないでいてほしいですね。
こんなにザ・披露宴が嫌いな僕ですが、自分が結婚した時には結婚式・披露宴を執り行いました。
今日はその話をしようと思います。
前置きだけで1,200字くらい書いてますね。
会場選び
僕と妻が披露宴を行うに当たって最も重視したことは「料理が美味しいこと」でした。
せっかくご祝儀をもらうなら参加者が直接的に価値を感じられる料理がしっかりした会場にしたいという思いです。
その点でホテルや結婚式場はメインにすえずに、レストランでウエディングもできる場所を中心に探しました。
結婚式場を探す時はぜひとも試食を回ってほしいと思います。
僕たちは確か8箇所くらいの式場で試食しました。
ハーフコースからフルコースまで、お酒も飲めます。
料金も格安だったり無料だったり。
かの有名なゼクシィの紙面やウェブサイトでも試食できるところを探すことができます。
会場の広さ等の理由で最終的に選ばなかったものの、今でも覚えているレストランもあります。
NOBU TOKYOとポールボキューズ。
NOBU TOKYOは魚の西京焼きと日本酒が素晴らしかった。
ポールボキューズはフルコースを無料で提供してくれた。
逆にプランナーさんの、ほら素敵でしょ!の押しが強くて辟易した会場もありました。
レストランではなく専門結婚式場にこのケースが多かった印象です。
試食することで料理の質はもちろんサービスの質も見ることができます。
会場の暗さ、明るさ、広さ、雰囲気、トイレ等々も見比べます。
料理の美味しさとホールサービスの質で圧倒していたレストランに決めることにしました。
ここが優れていたのは料理とホールサービスだけではありませんでした。
悪名高き「持ち込み料」が一切かからなかったのです。
持ち込み料とは
持ち込み料ってなんですか?っていうのを説明しますね。
結婚式・披露宴を挙げるに当たっては料理とお酒以外にも色々なものを手配する必要があります。
挙式の招待状、ウェルカムボード、会場に飾られる生花、ウェディングドレス、タキシード、アクセサリー、プロフィールムービー、引き出物、引き菓子、写真を撮ってもらうカメラマン、ビデオを撮ってもらうビデオカメラマン。
これらを式場が提携しているところでお気に入りのものが見つかればいい。
でも、お気に入りのものがないので自分で見つけてきたものを使いたいという時に、招待状なら1枚○○円、ウェディングドレスなら1着○万円、カメラマンなら1人○万円というように持ち込み料を取る式場が多いのです。
自分のところのラインアップでお客さんを満足させられてないからこそ、お客さんが自分で見つけてきたものを使うのに、そこからお金を取るというのはどうなんでしょうね?
まあ、結婚式業界への文句はいいとして、僕らが会場に選んだレストランは一切持ち込み料を取らない素晴らしい会場でした。
準備したもの
招待状:特にこだわりはないので、式場のものを使用しました。
★ウェルカムボード:式場の入口に置く、誰々の結婚式ですよ!って知らせるポスターみたいなものです。僕たちは自分たちの写真を加工してくれるサイトで制作しました。
★生花:リーズナブルに手配できるお花屋さんを見つけたので、そこに頼みました。ゲストに持ち帰ってもらう用の花瓶まで手配してくれて素晴らしかったです。
プロフィールムービー:友人に作成してもらいました。
★ウェディングドレス・タキシード:買った方が安かったので買いました。試着して気に入ったものを中国の工場で作って送ってもらえるものです。ぶっちゃけ両方合わせても10万円ちょっとでした。
★アクセサリー:ティアラは妻の当時の会社がウェディング関連の会社だったので、そこからレンタルしました。かなり高額な1点ものみたいですが、ここは従業員特典を活かしました。
僕の方のアクセサリーはピンとカフスくらいなので、ピンは妻の会社からレンタル、カフスはカメラメーカーライカのシックなカフスを持ってたのでこれにしました。
★司会:友人(本業)に頼みました。
フォトグラファー:会場提携の方と打ち合わせさせて頂き、その方が撮る写真を気に入ったのでお願いしました。ビデオは見返さないと思ったので頼みませんでした。
★引き出物:こちらも妻の会社の割引を利用してカタログギフトをグレードアップしました。
★引き菓子:友人が某有名チョコレート屋さんに努めていたので、格安で手配してもらうことができました。
★印のところは通常持ち込み料をとられる部分です。
ここで無駄なコストをかけなくて済んだ分、料理の質、引き出物の質、引き菓子の質をグレードアップすることに回すことができました。
結婚式の写真を頼むに当たってのアドバイス
ここで1点、これから結婚式を挙げる方にアドバイスですが、フォトグラファーとの事前打ち合わせは絶対にやりましょう。
当日誰が撮ってくれるのか、その人はどんな写真を撮る人なのか、自分たちはどういう写真を撮ってもらいたいのか。
写真の素人は簡単に撮れると思ってるものが意外と物理的・時間的に難しかったりすることもありますから、できるできないを事前に合意しておくと後でがっかりしません。
逆にきちんとした技術を持っている人に撮ってもらえるのか、当日誰が撮るのか確かめることも重要です(恐ろしいことに事前に分からないような業者さんもあるようです)。
作品例を見せてもらい、気に入った写真があったら、その写真を撮った人に撮ってもらえるようにお願いしましょう。
僕たちの披露宴
ここからは、最初に書いた披露宴への僕(たち)の懸念点をどうやって解消したかを書いていきます。
幸いなことに妻もこの方針に異論はなかったのが助かりました。
新婦が死ぬほど披露宴やりたいけど新郎はやりたくない(あるいはその逆)とかだとすり合わせと合意が大変になりますね。
長いスピーチ:全廃しました。スピーチなしです。
乾杯:親戚の未就学児に乾杯の音頭をとってもらいました。可愛かったです。お礼のおもちゃも喜んでくれたみたいでした。
挙式:人前式にしました。ゲストの前で結婚を誓うだけなので、宗教は関係なし。
余興:なし。
お色直し:なし。
新婦から両親への手紙:パス。
ザ・披露宴のセレモニー的要素は極力削りました。
やったのは、プロポーズ再演にケーキカットとファーストバイト、あとは僕からゲストへの挨拶と両親からゲストへの挨拶くらいです。
プロポーズ再演は、新郎入場後、何人かのゲストが持っている花を会場を回って集めて花束にし、新婦にプロポーズするという茶番です。
人前式の誓いを本型ウェディングケーキにチョコペンで署名するという形式にし、そのケーキをカットしました。
ここまでやると、当然のことながら単なる食事会のようで、僕たちは途中高砂でやることがなくて暇になったくらいでした。皆楽しそうでいいねぇって食事に興じるゲストの方々を眺めていました。
小さい子供がいる友人も多かったため、キッズスペースを作りました。
一部屋をキッズルームにして授乳とかお昼寝できるようにし、おもちゃを1人ひとつ配りました。
後で写真を見たら寝てる子がいて可愛かったです。
もちろんコース料理も完食しました。デザートは挨拶なんかと重なっていたのでさすがに式中には食べられませんでしたが、レストランの方が控室に専用プレートを作ってくれていました。こういう気遣いもこの会場を選んでよかったと思えたところでした。
会場のレストランとゲストの方々のおかげで、当日はとても楽しく過ごせました。ただただ楽しかったという記憶が残っています。
さて、そんな気になる会場はどこのレストランだったのか?
気になる方はTwitterにこっそりDM頂ければ、お教えできるかもしれません。
なお、今回の記事には一般的な披露宴を行う人は駄目だとか、そんな意図は一切ありません。
僕は一般的な披露宴があまり好きではないというだけで、皆がそれぞれ自分の好きな形で式をやればいい(あるいはやらないという選択をすればいい)と思ってます。
今日のアイキャッチ画像:式当日の妻のネイルです。自分でも当日の写真はそこそこ撮ったのですが(式中にも撮ってました)、顔が写ってるものばかりで使えるのがこれしかなかったので…
お願いしたフォトグラファーの方の写真を載せようかとも思ったのですが、せっかくここまで自分の写真だけで通してきたので今日も自分で撮ったものにしました。