「人生暇つぶし」みうらじゅんさんの言葉
録画していた番組の中から、先日、NHK「最後の講義 みうらじゅん『現代の幸福論』」の再放送版を観ました。初回放送日は2020年3月20日とのことですが、そのときは見ていませんでした。
いとうせいこうさんと出演したTV番組『見仏記』などでも知られる、みうらじゅんさんは仏像マニアです。仏教関係にも造詣が深いようです。
先日、TV放映された番組(再放送)。実践女子大学で開かれたこの講義は、若い学生や社会人で満席の様子です。
いきなり赤い帽子にちゃんちゃんこ姿で現れたみうらじゅんさんでしたが、会場の反応は本人の期待値よりは低かったようです。
もっと受けるかなと思っていたのに……。「還暦」の意味や風習が現代では忘れられつつあるあかしでしょうか。
切り替えたみうらさん。気をとりなおして、そこからは若者の心をつかむのも早かったようです。
真剣なまなざしで見詰める若者、メモを熱心にとる若者の様子をTVカメラが撮っていきます。
みうらさん舌もなめらか。ひんぱんに映る若者の笑顔や、みうらさんの一言一言にうなづく姿がとても印象的でした。
みうらさんの口から名言がポンポン飛び出します。
「比較三原則/他人・過去の自分・親」……比較して生きているから不幸になる
「自分なくし」……自分らしさはいらない・自分は、ない
「好きなフリを貫け」……ずっと好きでいるために
「老いるショック」……先達の「オムツして飲んでるんだ!」に酒場で脱帽
「わたしの走馬灯」……頭に焼き付けておく最高の場面だけの人生ビデオ
中でも私が一番共感したのが標題のことばでした。
これは、番組の最後に映った、ノートのページにカエルの漫画といっしょに自筆で書かれた言葉です。
「人生暇つぶし」
不遜で、浅はかな考えだろうと思う人がいると思います。以前の私などもそう考えるたちの人間だったでしょう。
相手がそう呟いたとき、それを聞いた側の人間は、私はあんたの暇つぶしの相手か?ひとを馬鹿にして、と思うかもしれません。
マイナスにこの言葉を解釈するとそうなるでしょう。何事も両面があります。ここはプラスに捉えてみましょう。
所詮暇つぶしなのだ、人に迷惑をかけなければ、自分の自由に生きればいい。好きなことをすればよいし、それがないからといってムリに探す必要もない。
こんなことをしていて良いのだろうか、と焦る必要もない。飽きたら寝たら良い。そうすれば、引きこもりや自殺、こころのやまいに苦しむ人が減るかもしれません。
こう考えられれば、生きることがとても楽に思える。もっと早くにこの考えを知っていれば、あるいはたどり着けていたらよかった、と自分にあてはめて私は思いました。
※古都里の猫 さんの画像をお借りしました。