1993年のオーストリア・モーツァルト №15〈ザルツブルク №7〉
1993年7月、転職のはざまに2週間の自由(失業)期間ができて、これはチャンス。リュックを背負ったエコノミーな個人旅行で、憧れのオーストリアへ行きました。
今年はちょうど30周年、当時はスマホはもちろんなく、携帯電話すら一般にはまだ普及していなかった時代。世の中随分変わりましたね。
旅行中の日記がこの『旅日記』の元ネタです。写真も交えて旅のあれこれを思い返しながらつづっていきます。そんな、よしなしごとにお付き合いいただければ幸いです。
ザルツブルク♪ №7(マリオネット劇場で『魔笛』公演を観る№2)
1993(平成5)年7月12日(月)
おどけ者のパパゲーノ、夜の女王の華麗な衣装、パミーナや三人の童子の可愛らしさ。おばあちゃんに化けたパパゲーナの滑稽さなどなど面白い場面では場内爆笑だった。
省略もなくてモーツァルトの原曲そのものだと思った。ただ子供たちに対する配慮だろうか、低いバスのザラストロの音域が少し高めだったのと夜の女王の歌いまわしが心無しあっさりしていた様に思った。(※2)
王子タミーノが王女パミーナと、パパゲーノがかわいいパパゲーナとそれぞれ結ばれ、夜の女王が懲らしめられて、めでたしめでたしの大団円。いい気分でホテルに戻って日記と出納帳を書いて、眠さに目をこすりながら絵はがきを数枚書いて寝た。(※3)
――つづく――
※1 ザルツブルク音楽祭は、19世紀にはじまった大規模な音楽祭で、モーツァルトの聖地、ここザルツブルクで毎年開催されます。私が訪れたのはその時期よりも2週間ほど前のことでした。
なお、1991年はモーツァルト没後200年のモーツァルトイヤーでした。前年1990年から当年にかけて、日本でも大きな盛り上がりを見せました。猫も杓子もモーツァルトといった感じで、一大モーツァルトブームで沸きました。私が訪れたのはその2年後だったわけです。
※2 このように感じたのですが、音源のことを考えるとありえないのかな。熱気満々の会場の雰囲気からくる思い過ごしだったかもしれません。
なお、マリオネット劇場の『魔笛』の音源は前回の記事の通り、フェレンツ・フリッチャイ指揮RIAS交響楽団の歴史的録音とのことですが、歌手陣もそうそうたる顔ぶれでした。
マリア・シュターダー(ソプラノ)
エルンスト・ヘフリガー(テノール)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
リタ・シュトライヒ(ソプラノ)
ヨーゼフ・グラインドル(バス)
※3 家族や友人に書き送ったのです。切手を郵便局かお店で買って。結構日数がかかったことでしょう。いまなら、メールやTEAMSを使って即連絡がとれるので大きな変化ですね。でも、情緒という点では30年前の方が味がありました。
※標題画像は、モーツァルト生家の看板です。
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