Yuri Abo

平成元年・東京都出身。多様な「個」のあり方を祝福し、二元論に囚われない表現を追求するR…

Yuri Abo

平成元年・東京都出身。多様な「個」のあり方を祝福し、二元論に囚われない表現を追求するREINGのプロデューサー。社会に出て「わたし」が消えた20代から、「わたし」を取り戻す30代をスタートしました。|NEWPEACE Inc.

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拝啓 春色のコンプレックス

「ピンクは女の子の色とされてきた」と耳にするたびに「女だからってみんながみんなピンクを選べると思うなよ」って中指を立てていた。世の中にはたくさんの色が溢れている。明るい色、鈍い色、似合う色、似合わない色、私らしい色、私らしくない色、女の色、男の色。ピンクは一体誰のものなんだろう。柔らかなピンクがもつ女性性のイメージは、特権。私にとって、ピンクほど美しく複雑な色はない。 3月中旬、「文喫」という書店を訪れた。かの青山ブックセンター六本木店の跡地にオープンした、入場料のある本屋

    • 「選ばれる私」から「選ぶ私」へ

      「成人式やらなくていいから、二十歳の誕生日を迎えるために、ニューヨークまでの旅費を出して欲しい」  二十歳を迎える年、成人を自分なりに祝わせて、と家族にお願いした。当時の私は、アンチ・右習え慣習だったので一生に一度のそれを「みんなと同じ」で選びたくなかった。成人式の振袖や写真撮影にかかるお金で、初めての一人旅をしてみたかった。東京以上にインパクトのありそうな街はニューヨークの他に浮かばなかった。授業をサボるのも、クレジットカードを作るのも、一人で行き先を決めるのも、初めて。

    拝啓 春色のコンプレックス