拝啓 春色のコンプレックス
「ピンクは女の子の色とされてきた」と耳にするたびに「女だからってみんながみんなピンクを選べると思うなよ」って中指を立てていた。世の中にはたくさんの色が溢れている。明るい色、鈍い色、似合う色、似合わない色、私らしい色、私らしくない色、女の色、男の色。ピンクは一体誰のものなんだろう。柔らかなピンクがもつ女性性のイメージは、特権。私にとって、ピンクほど美しく複雑な色はない。
3月中旬、「文喫」という書店を訪れた。かの青山ブックセンター六本木店の跡地にオープンした、入場料のある本屋