男だったら彼氏にしたい

人生で何回言われたかわからない。

褒め言葉として受け取ってはいるが、
よくよく考えるとこの仮説は破綻している。

もし私が男だったら、
そもそもこんな近づけてない。
もし私が男だったら、
触れることすら許されない。
もし私が男だったら、
話すことすら叶わない。
もし私が男だったら、
貴女と知り合っていないかもしれない。

そんなこと微塵も考えないで
私の可愛い女友達たちは
無邪気に「彼氏にしたい」と言ってくる。

貴女が話をしてくれるのも
貴女の髪に触れられるのも
貴女の匂いを感じられるのも
貴女が身体をくっつけてくるのも
貴女が連絡してくるのも
貴女が遊びに誘ってくれるのも
貴女と同じベットで寝られるのも
貴女と髪を乾かしてあげられるのも
貴女の泣き顔が見れるのも
貴女と夜中に会えるのも

全部全部、私が男だったら叶わなかったんだよ。

自分が男なら、そんな感情を持ってもらえてたのかな。
お互いに同性という距離感に乗っかって
「男だったら〜」なんて妄想しちゃってるだけだ。

決して、叶わないんだ。
けど、貴女の特別になりたいんだよ。
それを彼氏と呼ぶならそれでもいいけど、
なんでもいいから特別になりたいんだ。

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