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あびあと#6「共歓したい!」

「あびあと」では、あびら教育プランのスタッフが日々、安平町の子どもたちやまちの方々と活動する中で、考えていることや感じていることをありのままお伝えします。

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お笑いの賞レースが次々と終わり、年末が近づいているなあと感じているさっちがお届けします。どの決勝も、どの芸人さんも最高に面白かった…!

今回は、「変化を共によろこぶ」ことについて、私が考えたり感じたりしていることを書いてみます。たぶん、まとまらない!そしてちょっと長い!でも、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。


今年度の「漢字」

 昨年度末、安平で一緒に仕事をしているメンバーで振り返りを行った際に、漢字1字で表現することにはまっているだいきちから、「今年の漢字と来年度の漢字を考えよう」という問いがありました。その時、私は来年度の漢字を「歓」を選びました。
 「歓」という字。よろこびを表す漢字。でも他にも同意の漢字はありますね。「喜」「悦」「慶」これらどれも「よろこぶ」ですが、私は「歓」がよかったんです。

 この仕事をする前の私は、文化人類学という学問に耽っていました。「他者とより善く生きていくには?」「ゆるやかにつながっていられる社会とは?」などをずっとぐるぐる考えていました。(今もその延長にいるのですが)その時に出会った「共感から共歓へ」という議論にビビッときたんです。
 簡単にまとめると、「共感」によって仲間うちでは幸せになれるかもしれない。一方で、「共感」によって排除される他者の存在もある。その他者の幸せはどうする??そこで「共歓」なんです。物的な豊かさ、地位や名誉ばかりに目を向けるのではなく、となりのあなた、そのまわりの人や動物、もしかしたらご先祖さまも含めて、「今生きていることを共に歓ぶ」。そんな世界を目指そうという言葉です。

「共に歓ぶ」そんな瞬間を大事に生きていきたい。あびら教育プランをつくる中にも、「共歓」の要素を取り入れていきたい。そんな大きなテーマを持って今年度活動をしていました。

「共感から共歓へ」について。詳しいお話が気になる方は、こちらをご覧ください。

https://www.chikyu.ac.jp/publicity/publications/rihn-series_j/img/j14.pdf

「共歓」のために何してたの??

「共歓」したい!じゃあ何をどうしたらいいか…

「今生きていることを共に歓ぶ」。どんな時に「今生きている歓び」を感じられるか。

ご飯を食べている時、友達に会っている時、好きなことに没頭している時、困難を乗り越えた時、悲しい時もそうかもしれません。当てはまる瞬間はたくさんあるけど、あびら教育プランらしく「今生きていることを共に歓ぶ」とは??

自分の変化/成長を感じられた時、なのでは??
何かをやってみる、挑戦することを大事にしているあびら教育プラン。「少し変われたかも」と思えた瞬間を「共に歓びたい!」この想いを事業の中に組み込んでみました。

一つ目:あびらぼ「ことば」の振り返り

あびらぼでクラスごとに、大事にしたい「ことば」をつくって、あびらぼ生とクラス運営を試行錯誤しています。この「ことば」の振り返りが、「共に歓ぶ」回になるように意識しています。

「ことば」についてはこちらのあびあとを。

 ここでは、あびらぼ「ことば」の振り返り第3回を実施した時のことを紹介します。

「ことば」を達成するために毎回の授業で「めあて」を作り、授業後に振り返りをすることにしたクラスがありました。3回目の振り返り回で、
・「めあて」を導入してどうだった?
・「めあて」ができる前と後で変わったことは何?
という問いを出しました。この問いに対するAくんの回答がとっても嬉しかったんです。

みんなとわーってふざけることが楽しいだったけど、みんなとやることが楽しいになった。

Aくんの発言

「楽しい」に違いがあること、ふざけて楽しいFunny以外にも楽しという感情になること、あびらぼならではの楽しいに気がついた、そんな発言でした。

 Aくんはこの振り返り回の少し前から、あびらぼでの振る舞いが変わったなと感じていました。あびらぼ参加当初は、推しの話をあびらぼの合間にできる、友達がいるから楽しいと感じて参加してくれていました。

「めあて」を導入し始めてからAくんは、Aくんらしいユーモアを残しつつ、「楽しく」あびらぼに向き合えるようにクラス全体の雰囲気を作ってくれ始めました。

 私が全体に対して話をしようと、場が整うのを待っていると、「さっちが何か言いたそうにこちらをみている」と言ったり、「一本締めしよう!」これもあびらぼの締め方について提案したり。はじめはなんとなくその時の気分だったようですが、あびらぼ締めの恒例になり、開始時にも手拍子をする習慣がはじまりました。あびらぼ前後の手拍子文化のおかげで、クラスのスイッチがうまく切り替えられるようになりました。

「めあて」の記録

 このAくんの変化や、働きかけの効果は、クラス全体に伝わり、楽しみながら「ことば」に向かっていくクラスになっています。こうしてクラスの変化を都度感じながら、振り返り回でその感覚を確かめているような気がします。
 そして、あびらぼ生個人の変化、またその変化がもたらしてくれたクラスの変化を保護者の方にも伝えることで、「共に歓ぶ」輪を広げています。

私とあなたで歓び、あなたのまわりにも歓びが伝わるように、「共に」歓べるように。

二つ目:きらりポイント

ワクワク研究所8期から導入をはじめた「5つのきらりポイント」。

ワクワク研究所ってどんなところ?はこちら

 プロジェクトがより良くなるための伴走については、経験が積み重なっていました。一方で、その中で変化していく人の内面について、本人と私たちで見ていく軸が定まっていませんでした。

 そこで導入したのが「5つのきらりポイント」。5つの観点で自分の内面を見つめるためのものです。運用し始めて数回。難しさを感じながら、同じ観点でワクワク生と変化に向き合うことができているなと感じられる場面も増えてきました。


 そして、「5つのきらりポイント」を使いながら「共に歓ぶ」ために大事にしているのは、対話すること。
 スタッフとワクワク生一対一、スタッフとワクワク生みんなや、ワクワク生で小グループにして、「自分がこんな風にきらりした」という話をしています。その時どんな気持ちになったのかを聞いたり、聞いて自分にも当てはまるなと気がついたりながら、お互いの変化を讃えあえるワクワク研究所になってきているなあと。

その時間、空気感がたまらなく嬉しい。

おしまいに

とりとめなく、だらだらと書いてしまった…そろそろ締めます。

「共に歓ぶ」、「共歓」の輪が広がっていったら、どんなまちになっていくだろう。

 あびら教育プランは、「やってみたい」気持ち、挑戦、ワクワク心を大事にしています。この3つが加速していくためには、安心できる場、人であるかどうかが肝。居場所だなと思えたり、自分のことを話そうと思えたりするのは、「共に〇〇」してくれるところだと思います。〇〇には、ネガティブな感情を当てはめることができるけど、私はハッピーでいたいし、ハッピーに転換されていって欲しい。だからやっぱり「共歓」を目指したい。

さまざまな挑戦を応援してもらえるまち
子どもも大人も「自分」を尊重しようと考えているまち

そんなまちだからこそ、「共歓」がエネルギーになってもっと面白くなるはず。

私にとっても大事な「共歓」。
これからも「共に歓ぶ」輪が広がるように試行錯誤してみたいと思います。

また、どこかでこのお話を聞いてもらえたら嬉しいな。

*****

次回のあびあともお楽しみに〜!

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