役所に騙されそうになった話

伯母から相続した米沢市の土地の売却において、買い手の家を建てる建築会社が「接してる道路の幅が4mない」と言いだしたのが発端。この土地は北側が県道に接しているので接道義務とは無関係。問題になったのは西側で接している私道(位置指定道路)で、市に問い合わせたところ、結論としては近隣住民と協議してうちが越境してないことの合意が得られれば現在道路境界になっている土留めブロックを壊す必要はないが、合意が得られなければ壊さなければならないし、壊さなければ建築確認申請も通らないとのこと。うちが越境してないなら相手が越境してるってことでそんな合意が得られることは普通はあり得ないんだけど、これについては不動産屋が頑張って調べてくれて、結果はどうも始めから4mないまま西向かいの人が奥の旗竿地の親族のために位置指定道路の申請をしたらしく、さらにうちの土地と私道との間に約70cm幅の他人の土地が存在しているというおまけつきだった。

おかしいよね。本来役所が調べてうちが越境してた場合に原状回復命令を出す案件だよね。立証責任の原則を知らないのか。あるいは(始めから)4mないなら位置指定道路の承認を取り消すとか。その場合それでは困る奥の住人が費用を負担して拡幅工事をすべきで、いわゆる受益者負担の原則ってやつで、うちが負担したら非受益者負担 他益者負担になっちゃうよね。そもそもどういう法律に基づいて建築確認申請を通さないと言ってるのか、これについてはついに回答しなかった。不動産屋のおかげで解決したけどそうでなければ契約不履行とか数百万円の負担が生じたんだけど。ほんと腹立つ。

しかも話はこれで終わらなかった。不動産屋が、道路斜線制限で必要だから例の他人の土地と道路との境界を、土地家屋調査士に頼んで確定しなきゃならないと言いだして、他人の土地と道路の境界をなんでうちが十万単位の金を出して確定しなきゃならないのかわけがわからず市に問い合わせると、これも市の差し金だった。で、道路斜線制限では道路境界が敷地に近い方が不利になるのだから、土留めブロックを敷地側の道路境界ということにして申請すればいいんじゃないのかと提案したら、「今回の敷地に関しては、道路斜線制限に加えて道路の位置について対面側の方と協議した結果を書いていただきたい意味合いもありましたので、それも含めてお伝えしました」「道路の西側敷地所有者が、『T氏所有の土地を含めない幅で4m確保』として合意していると聞いております。道路位置は合意した内容の位置として確認申請の図面作製すべきだと考えます。道路斜線制限の検討は不利側で検討されていても問題ないと思いますが、道路位置は斜線制限の他、採光計算、延焼防止ラインの設定など他の規定に係る部分もありますので道路位置は合意した位置で設計業務を行うべきと考えます」うーん、よくわからん。合意した内容の「T氏所有の土地を含めない幅で4m確保」とはイコール「土留めブロックが敷地側の道路境界」で、T氏の土地と道路の境界は関係ないんだけど。で、「採光計算」と「延焼防止ラインの設定」について「不利側で申請」は問題になるのか聞いたら「実際の申請書類、申請図面がないと判断できませんが、一般的に不利側で申請で問題はないかと思われます」とのこと。単にいろいろ規定があるから「合意した位置で設計業務を行ってください」ってことだったのか。まぎらわしい。

とにかく、市のずさんな位置指定道路の承認業務のつけを押し付けるとかまったくとんでもない話。

山形市在住の安孫子と申します。

南側と東側が隣家に、北側が県道に、西側が私道に接している米沢市の私の土地についてですが、私道は、南に下っていて、私の土地と、向かいの土地の、それぞれの土留めブロックで挟まれており、その奥はいわゆる旗竿地になっています。
私の土地は、三年前に亡くなった叔母から相続したもので、一昨年家屋を解体して更地にし、去年の暮れに売買契約が成立し、買主の都合で五月末に引き渡す予定になっていますが、ここにきて、仲介不動産屋を通して、相手側の設計担当者から、「私道の幅が4mに足りず、建築許可が下りないので、拡幅工事をしてほしい」と言われて困っています。
接している私道の幅が足りなくて、新たに建築許可が下りない旗竿地というのは聞きますが、私道に接しているだけで、旗竿地ではないのに、建築許可が下りないなどということがあるのでしょうか。
土留めブロックを作ったのは、叔母夫婦が家屋を建てたこともあり(向かいは空き地)、また父の記憶でも、私の土地の方が先だと思いますが、50年以上前のことなので定かではありません。道幅が狭くなった理由も、工事ミスなのか、土地を少しでも広くしようとした故意によるものなのか不明です。
何か救済策はないものでしょうか。


山形市 安孫子 様

いつもお世話になっております。米沢市建築住宅課高梨と申します。いただきましたご質問について以下のとおり回答いたします。
お返事が遅れまして申し訳ございませんでした。税務課鈴木よりアドレスを受領して回答しております。

回答
通町8丁目地内で同様の質問がありました。
以前質問いただいた道路として回答します。そうでない場合は内容が変わりますのでご了承ください。(住所等がわかるものを送付ください。)

○接道について
・建築基準法では敷地が道路に接していなくてはいけない地域があり、その地域内となっています。(いわゆる「接道」)
・道路は道路法の道路(国道、市道など)や、申請があって承認を受けた私道などが道路として扱われます。
・当該私道は幅4mとして申請があり、幅4mで承認を受けています。4mは承認を受けることができる最低の幅です。
・当該私道は我孫子様以外の方が接道するための道路となっています。
・4mの幅で承認された道路が現在4m未満となっている理由は行政側ではわかりません。
・道路を接道として利用される方々、少なくとも対面側の方と協議していただき、4mの道路がどこからどこまでなのかの合意が必要となります。
・合意した内容で4mを確保するタイミングとしては家を建てるなどの申請のタイミングになります。
・上記により、4mの道路が安孫子様の現在の敷地に食い込んでいないとして近隣の方の合意が得られれば土留めを壊さなくてもよいこととなります。それ以外の場合は壊さなければいけません。

○土留めについて
・土留めについては安全性が担保される必要があります。
・詳細が不明であり、推測になりますが、建築基準法上コンクリートブロック塀として扱われることとなるかと思います。
・建築基準法で違反となるコンクリートブロック塀は接道以外の観点からも壊さないと家を建てることが困難となります。

○補足建築許可というものは通常は必要ありません。許可ではなく確認申請という申請に対して確認済証が交付されますので、その後に着工しなければ罰則をうけることがあります。建築許可ではなく確認済証の交付かと思われます。

以上

長文となりましたが、ご不明な点あれば再度メールを送付いただくかお電話等いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
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米沢市役所 建設部 建築住宅課 建築住宅担当
高梨

>まず全体の話として、「私道の幅が4mない場合は建築不可」というはっきりした記述がないのですが、とりあえず原則として、4mないと、確認済証(これ自体よくわからないですが)が出なくて、家は建てられない、ということで合ってますか。

おおよそ合っています。

建築物を建てる場合、建築基準法(以下「法」。)第6条により確認申請が必要となっています。確認申請書類が法及び法の関係規定に適合する場合に「確認済証」が交付されます。
法第43条で建築物の敷地が接道しなければならないと定められていますが、後述いただいているように緊急車両の通行に支障がないように定められたもので、最低の基準として4mと定められています。敷地が接している私道が4mとして指定されているにもかかわらず、現在4mに満たない場合、4m確保する必要があります。しかし、4mに満たなくなった経緯にもよりますが、ご自身の敷地の土留めが道路上に越境していなければ、土留めを撤去しなくても確認済証は交付できます。

>家を建てるには、うちか向かいのどちらかが土留めブロックを壊して4mに拡幅しなければならないということでしょうか。

ご自身の敷地側の土留めが道路に越境していなければ、道路をはさんだ反対側の敷地の土留めが越境していて道路の幅が4m確保できなくても、確認済証は交付され、家の着工をすることは可能です。

>それとも、向かいを含めた近隣住民の、うちの土地が原因ではないという合意があれば、向かいが拡幅工事をせずに、4mを確保できなくても、それは後の話で、とりあえず家を建てることは出来るのでしょうか。

可能です。

>また合意とは具体的にどういうことでしょうか。念書が必要なのか、口頭でいいのか。

口頭でも結構ですが、文書や現地に杭を打つなどして道路部分を明確にしておくことが望ましいと思います。道路をはさんで反対側の方が建築する際に合意内容に齟齬がないようにしてください。

>「建築基準法で違反となるコンクリートブロック塀は接道以外の観点からも壊さないと家を建てることが困難となります」とのことですが、50年以上前に作ったものは対象になる可能性が高いですか。その場合は建築に伴うことなので、買主側に負担してもらうこともできるのかなと。こういったことは申請後に建築課が確認するのでしょうか。

私道は法第42条第1項第5号で定める道路として申請、承認(位置を指定)されています。(5号道路、位置指定道路と呼ばれます。)申請、承認されたのは昭和38年です。土留めのコンクリートブロックが私道内にあるのか、いつからあったのか、私道の申請、承認の前後かどうかなど不明であり、対象となるか明言できません。
土地の売買の契約について、行政では関与できないため、どちらの負担になるかなどは買主側と協議していただくしかありません。
確認済証交付後、交付した者(行政または民間業者)が現地にて申請のとおりの道幅が確保されているか工事完了検査を行います。(民間業者の場合は検査内容を行政に報告します。)

>そもそもですが、「建築許可というものは通常は必要ありません。許可ではなく確認申請という申請に対して確認済証が交付されますので、その後に着工しなければ罰則をうけることがあります。建築許可ではなく確認済証の交付かと思われます」ということなら、道幅に関係なく、家を建てること自体は可能ということなのでしょうか。それとも申請時に、この度のように法に触れる部分があれば、当然確認済証が交付されずに、建築不可能になるのでしょうか。

建築基準法の許可は、通常建築できないものに対して許可を行うことがほとんどです。(住宅地に大きな工場を建てたい場合や、道路上に建物を建てる場合等)許可を得るためには正当な理由や厳しい条件が必要となり、通常の確認申請とは全く別のものです。
確認済証の交付前に工事を行うことはできません。(法第6条。罰則は法第99条)

>ここからちょっと仕切り直しますが、「合意した内容で4mを確保するタイミングとしては家を建てるなどの申請のタイミングになります」というのもはっきりしているようで、タイミングというのが曖昧な感じがするのですが、家の建築と、私道の拡幅は別の問題ということはないのでしょうか。土留めブロックは50年以上前からあるわけで、道幅が足りないという問題は、家を建てても建てなくても変わらないですよね。

私道部分については4m確保する必要があります。私道の承認と土留めを造ったのはどちらが先かは不明です。私道の指定は約60年前です。

>「4mの幅で承認された道路が現在4m未満となっている」問題については、市としては関わらないということでしょうか。例えばこの度の建築というか売却を諦めた場合もこの問題は続くわけですが、接道の法律というのは、救急車両の通行といった、住民の安全のためのものであって、放置していいものではないと思うのですが。市に調査、指導してもらった方が断然助かるのですが。

市ではどちらの土留め、擁壁が道路に越境しているかわからないため、道路をはさんで両側の土地の所有者で調査、話し合いをしていただくしかないものと思われます。

以上

本メールの内容で再度ご質問があれば送付ください。

どうぞよろしくお願いいたします。*—————————————————————————
米沢市役所 建設部 建築住宅課 建築住宅担当
高梨


高梨 様

お世話になっております。

不動産屋さんから以下のような返信を頂きました。

「住宅を建築する際に係る制限の一つに道路斜線制限というものがあります。隣接する道路の反対側から斜線を引いてその高さより高い建物を建築してはいけないという制限なのですがその道路の反対側がどこかが分からないとその建物の高さが適正かの判断が出来ないので道路の起点がどこかを明示するようにという指摘がありました。今回の道路幅員は4.0mとなっているので起点が分かれば道路の反対側が分かるという理屈です」

1.道路斜線制限は敷地が道路に接していなくても適用されますか。

2.起点については、敷地に近いほど不利になるわけですから、土留めブロックを起点にするわけにはいかないのでしょうか。そうすれば将来的に問題が起こることはないと思うのですが。

恐れ入りますが、以上2点について大至急回答お願いします。


山形市 安孫子様

お世話になっております。前メールに対して回答いたします。(未決裁の回答になりますのでご了承ください。)

>1.道路斜線制限は敷地が道路に接していなくても適用されますか。

適用されます。日本建築行政会議により運用方法が整理されており、敷地分割による脱法行為を防ぐためにこのような運用方法となっております。

>2.起点については、敷地に近いほど不利になるわけですから、土留めブロックを起点にするわけにはいかないのでしょうか。そうすれば将来的に問題が起こることはないと思うのですが。

適合することが明らかであることの検討が必要ですが、その方法までは確認申請を審査する側のほうで指示するものではありません。

今回の敷地に関しては、道路斜線制限に加えて道路の位置について対面側の方と協議した結果を書いていただきたい意味合いもありましたので、それも含めてお伝えしました。

なお、費用の負担がどちらになるかということは行政側では関与しておりません。

以上どうぞよろしくお願いいたします。—————————————————————————
米沢市役所 建設部 建築住宅課 建築住宅担当
高梨


高梨 様

お世話になっております。

法の趣旨から言えば、T氏の土地は事実上道路であり、起点は土留めブロックにすべきで、本来それが望ましい形だと思うのですが、T氏の「土地」と道路の境界を起点にするのは脱法行為に当たらないのでしょうか。国土交通省に問い合わせてみようと思いますが、その前にそちらの見解をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

恐れ入りますが大至急返信お願いします。以上どうぞよろしくお願いいたします。


山形市 安孫子様

お世話になっております。回答いたします。(未決裁となりますのでご了承ください。)

T氏の土地が道路かどうかは行政側では不明です。道路の西側敷地所有者が、「T氏所有の土地を含めない幅で4m確保」として合意していると聞いております。
道路位置は合意した内容の位置として確認申請の図面作製すべきだと考えます。
道路斜線制限の検討は不利側で検討されていても問題ないと思いますが、道路位置は斜線制限の他、「採光計算」、「延焼防止ラインの設定」など他の規定に係る部分もありますので道路位置は合意した位置で設計業務を行うべきと考えます。

以上どうぞよろしくお願いいたします。*—————————————————————————
米沢市役所 建設部 建築住宅課 建築住宅担当
高梨 創多


高梨 様

お世話になっております。

「採光計算」と「延焼防止ラインの設定」については、「不利側で申請」は問題になるのでしょうか。


山形市 安孫子様

お世話になっております。回答いたします。(未決裁の回答となりますのでご了承ください。)

>「採光計算」と「延焼防止ラインの設定」については、「不利側で申請」は問題になるのでしょうか。

実際の申請書類、申請図面がないと判断できませんが、一般的に不利側で申請で問題はないかと思われます。
売買については行政側では関与しませんが、不利側で設計することは、どちらかというと土地の買主への確認事項かと思われます。

どうぞよろしくお願いいたします。
*—————————————————————————
米沢市役所 建設部 建築住宅課 建築住宅担当
高梨 創多

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