ファイナル!すべての自然数とすべての実数を1対1に対応させる方法
結の論
すべての自然数とすべての実数は、次のような方法で1対1に対応させることができる。
まず、
2 → 3.141592…
4 → 1.414213…
6 → 6.661922…
8 → 5.138924…
10 → 2.901877…
12 → 0.222555…
・
・
・
というように、すべての偶数と、実数を、1対1に対応させる。
次に、先の表の一番目の対応の実数(3.141592…)の小数第一位を起点とする対角線上の数字を1ずらして例えば0.222086…という実数を作り、これと1を対応させたものを
1 → 0.222086…
2 → 3.141592…
4 → 1.414213…
6 → 6.661922…
8 → 5.138924…
10 → 2.901877…
12 → 0.222555…
・
・
・
というように一番目に置く。
次に、同じように、一番目の対応の実数(0.222086…)の小数第一位を起点とする対角線上の数字を1ずらして例えば7.355038…という実数を作り、これと3を対応させたものを
3 → 7.355038…
1 → 0.222086…
2 → 3.141592…
4 → 1.414213…
6 → 6.661922…
8 → 5.138924…
10 → 2.901877…
12 → 0.222555…
・
・
・
というように一番目に置き、後は、同じように作った実数と、奇数を、無限に対応させていく。
このようにしてできた
・
・
・
11 → 8.773193…
9 → 4.646104…
7 → 9.563623…
5 → 3.432335…
3 → 7.355038…
1 → 0.222086…
2 → 3.141592…
4 → 1.414213…
6 → 6.661922…
8 → 5.138924…
10 → 2.901877…
12 → 0.222555…
・
・
・
という表に確実に存在しない実数はあるだろうか。小数第一位を起点にして同じ数ずらさなければならないということはなく、一つの実数を起点にして、無限の個数の実数を作れるが、例えば、1と対応している0.222086…の一の位を起点とする対角線上の数字を3651497…とずらしていって作った3.762362…という実数は、1 → 0.222086…を含む下方には存在しないが、1 → 0.222086…より上には存在しないとは言えない。これは、1 → 0.222086…の実数を起点にして作られたすべての実数について言えることである。
この表では、右上に向かう対角線上の数字をずらすことでも実数を作れるが、例えば、12と対応している0.222555…の小数第一位を起点とする右上に向かう対角線上の数字を1ずらして作った4.319023…という実数は、12 → 0.222555…を含む上方には存在しないが、12 → 0.222555…より下には存在しないとは言えない。
仮に、
1 → 0.222086…
2 → 3.141592…
3 → 7.355038…
4 → 1.414213…
5 → 3.432335…
6 → 6.661922…
7 → 9.563623…
8 → 5.138924…
9 → 4.646104…
10 → 2.901877…
11 → 8.773193…
12 → 0.222555…
・
・
・
というように、偶数と奇数の境で分けて、それぞれの対応を交互に並べることができるとしたら、一番目の対応の実数(0.222086…)の小数第一位を起点とする対角線上の数字を1ずらして作った2.356343…という実数はこの表に存在しないが、表の作成方法である「一番目の対応の実数の小数第一位を起点とする対角線上の数字を1ずらして作った実数と次の奇数を対応させたものを一番目に置く」という作業は無限に続いて終わることがないので、作業が終了しなければできないこのようなことは不可能である。
作業が終了しないのは表にない未対応の実数が常にあるからだが(同時に未対応の奇数も常にあるので個数の比較については問題ない)、表に存在しない実数が存在することが確定するのは作業が終了した時点でのことなので、作業が終了しない以上、「表に存在しない実数が存在する」とは言えない。
ちなみに、
・
・
・
1 → 2.356343…
2 → 0.222086…
4 → 3.141592…
6 → 7.355038…
8 → 1.414213…
10 → 3.432335…
12 → 6.661922…
14 → 9.563623…
16 → 5.138924…
18 → 4.646104…
20 → 2.901877…
22 → 8.773193…
24 → 0.222555…
・
・
・
というように、先の表の左を偶数に置き換えると、奇数と対応していた実数の一部を偶数側に移動したに過ぎないことがわかる。表の作成方法に従えば、偶数側の実数が増えて並びが変わったことで、奇数側の実数の並びが変わるものの、右がすべての実数である以上、構成要素が変わることはない。2.356343…は、移動した部分より、下には存在しないが、上には存在しないとは言えない実数だったということである。
偶数 → A 奇数 → B
というように、すべての偶数と、実数の集合A、すべての奇数と、Aの一番目の実数を起点にして対角線上の数字をずらして作られた実数の集合Bを、それぞれ1対1に対応させた場合、Aに存在しない実数はBに存在しないとは言えず、Bに存在しない実数はAに存在しないとは言えないが、ABどちらにも存在しない実数があるから、これは似て非なるものである。
AとBを合わせたものを新たなA
nA+nB=(n+1)A
とした、
偶数 → 1A 奇数 → 1B
偶数 → 2A 奇数 → 2B
偶数 → 3A 奇数 → 3B
・
・
・
と同じだと言える。
「とは言えない」というような曖昧な言い方しかできないが、いずれにしても、表にすべての実数が存在することを証明するには、表に存在しない実数が存在しないことを証明しなければならず、それはいわゆる悪魔の証明なので、否定する場合は、否定する側に表に存在しない実数が存在することを証明してもらうしかない。
備忘録
1「すべての自然数とすべての実数を1対1に対応させることができると仮定する→対角線論法により(対応表に存在しない実数が存在するから)仮定は誤り=すべての自然数とすべての実数を1対1に対応させる方法は存在せず不可能なので、両者の個数は異なる値となる」
2「すべての実数とすべての実数を1対1に対応させることができると仮定する→対角線論法により(対応表に存在しない実数が存在するから)仮定は誤り=すべての実数とすべての実数を1対1に対応させる方法は存在せず不可能なので、両者の個数は異なる値となる」
3「すべての実数の集合が存在すると仮定する→対角線論法により(その集合の要素を並べると、そこに含まれない実数が現れるから)仮定は誤り=『すべての実数の集合』の要素を並べると、それがすべての実数の集合ではないことが判明するから、原理的にすべての実数の集合は存在しない」
対角線論法が述べているのは、単に、
すべての自然数は
1
2
3
4
5
6
・
・
・
のように表せるが、自然数と同様にすべての実数を
3.141592…
1.414213…
6.661922…
5.138924…
2.901877…
0.222555…
・
・
・
とは表すことができないということであり、「2」「3」と同じく「1」の結論も間違っている。逆に「1」が正しいなら「2」「3」も正しいことになる。
「1」は、正確には、
「すべての自然数とすべての実数を
1 → 3.141592…
2 → 1.414213…
3 → 6.661922…
4 → 5.138924…
5 → 2.901877…
6 → 0.222555…
・
・
・
というように1対1に対応させることができると仮定する→対角線論法により(表に存在しない実数が存在するから)仮定は誤り」であり、一つの方法を否定したに過ぎず、すべての自然数とすべての実数を1対1に対応させる方法が存在しないことを証明したわけではない。
すべての実数の集合が存在しないのではなくすべての実数の集合を表す方法が(暫定的に)存在しないのであり、すべての実数とすべての実数を1対1に対応させる方法が存在しないのではなくすべての実数とすべての実数の1対1対応を表す方法が存在しないのであり、すべての自然数とすべての実数を1対1に対応させる方法が存在しないのではなくすべての自然数とすべての実数の1対1対応を表す方法が存在しないのである。
どのような形でかはわからないが「すべての実数の集合」が存在し、どのような形でかはわからないが「すべての実数」と「すべての実数」を1対1に対応させることができるなら、どのような形でかはわからないがすべての自然数と「すべての実数」も1対1に対応させることができるのである。
つまり
3.141592…
1.414213…
6.661922…
5.138924…
2.901877…
0.222555…
・
・
・
のように表せなくてもすべての実数の集合が存在し、
3.141592… → 3.141592…
1.414213… → 1.414213…
6.661922… → 6.661922…
5.138924… → 5.138924…
2.901877… → 2.901877…
0.222555… → 0.222555…
・
・
・
のように表せなくてもすべての実数同士を1対1に対応させることができるなら、
1 → 3.141592…
2 → 1.414213…
3 → 6.661922…
4 → 5.138924…
5 → 2.901877…
6 → 0.222555…
・
・
・
のように表せなくてもすべての自然数とすべての実数も1対1に対応させることができるのである。すべての実数同士は書き表せなくても1対1に対応させられるが、すべての自然数とすべての実数は書き表せないから1対1に対応させられないというのはフェアではない。
ちなみにあえて書き表すなら、すべての実数の集合は
←7.355038…
←0.222086…
3.141592…
1.414213…
6.661922…
5.138924…
2.901877…
0.222555…
・
・
・
となり、すべての実数とすべての実数の1対1対応は
7.355038…→ → ←7.355038…
0.222086…→ → ←0.222086…
3.141592… → 3.141592…
1.414213… → 1.414213…
6.661922… → 6.661922…
5.138924… → 5.138924…
2.901877… → 2.901877…
0.222555… → 0.222555…
・
・
・
となり、すべての自然数とすべての実数の1対1対応は
1 → ←0.222086… ←7.355038…
2 → 3.141592…
3 → 1.414213…
4 → 6.661922…
5 → 5.138924…
6 → 2.901877…
7 → 0.222555…
・ ↓
・
・
となる。すべての自然数とすべての実数の1対1対応が表すべきものならすべての実数同士の1対1対応も同様であり(逆に、すべての実数の集合及びすべての実数同士の1対1対応が表す必要がないものならすべての自然数とすべての実数の1対1対応も表す必要がなく、前述の通り、すべての実数の集合及びすべての実数同士の1対1対応が表せなくても存在するならすべての自然数とすべての実数の1対1対応も表せなくても存在することになる)、すべての実数とすべての実数の1対1対応の表がこれでいいならすべての自然数とすべての実数の1対1対応の表もこれでいいということになる。未対応の実数が常にあるから1対1対応は不可能ということなら、すべての実数同士においても1対1対応の存在は確認できず、確認できない以上結論することはできないことになる。
いずれにしても、未対応の実数の対応相手が、自然数と実数の両者に存在する以上、結論は同じでなければならない。
ちなみにまさか自然数と実数の1対1対応に新たな実数を加えたら1対1対応にならない、
1 → 3.141592…
2 → 1.414213…
3 → 6.661922…
4 → 5.138924…
5 → 2.901877…
6 → 0.222555…
・
・
・
は1対1対応だが
1 → 0.222086…
2 → 3.141592…
3 → 1.414213…
4 → 6.661922…
5 → 5.138924…
6 → 2.901877…
・
・
・
は1対1対応ではないなどとは言わないと思うが一応念のため付け加えておく。また、すべての実数同士は同じ集合なのだから1対1対応が可能なのはあたりまえということなら、すべての自然数とすべての実数は無限個という同じ個数なのだから1対1対応が可能なのはあたりまえである。
で結局これは、
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11 → 8.773193…
9 → 4.646104…
7 → 9.563623…
5 → 3.432335…
3 → 7.355038…
1 → 0.222086…
2 → 3.141592…
4 → 1.414213…
6 → 6.661922…
8 → 5.138924…
10 → 2.901877…
12 → 0.222555…
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ということであり、結の論へ。