ミームのリレー/ツイ川俊太郎

京都の若者が ちいかわの夢を見ているとき
不眠症の娘は 朝もやの中で返信を待っている
メガネの女子中学生が ほほえみながら銀魂を読むとき
出会い厨は 盛れてる自撮りにウィンクする
この地球では いつもどこかで界隈が生まれている
ぼくらはミームをリレーするのだ 界隈から界隈へと
そうしていわば集合知でインターネットを作る
眠る前のひととき耳をすますと どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴っている
それはあなたがくねくねしている朝に 誰かが働いている証拠なのだ


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