本格的に「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」ため、20億円の資金調達を実施しました
はじめまして。Ubie共同代表の阿部です。医療AIスタートアップを経営しながら、卒後6年目の医師でもあります。
世界最高峰ともいえる日本の医療を最前線で支えている医療者の皆さま。不安に苛まれながらも自粛生活を耐え忍んだ生活者の皆さま。双方が、周りへの心づかいをもって行動し、日本は世界でも類を見ない水準でコロナ禍第一波が収束しようとしています。もちろん、私たちは100年前に猛威を振るったスペイン風邪から学び、来たる第二波に備える必要があります。
新型コロナウイルスは私たちの生活や社会のあり方をすっかり変えてしまいました。そして医療の供給体制も変わり、生活者の健康が脅かされようとしているのです。
国が年間43兆円を投じるインフラである医療。コロナ禍により拡大する課題。
大学病院で医師として朝から晩まで馬車馬のように働きはじめた当時、不思議と働き方には一切の疑問を持っていませんでした。しかし、旧態依然としたソフトウェアには首を捻るばかり。医療者の貴重な時間のうち、大半は業務システムへの記載に取られているとさえ思いました。病院から一歩外に出ると、Googleで情報を得る。Amazonで物を買う。Netflixで映画を観る。それなのに、医療現場には一向にイノベーションが起こらない。
大学病院での勤務後、市中病院で救急外来を始めました。その矢先、40代の患者さんが「背中が痛い」と来院されました。よくよくお話を聞くと、2年前から血便も続いており、体重もかなり減っている。青ざめました。
大腸癌骨転移だ、と。MRIを撮って確定し、入院後すぐに治療を始めます。しかし、治療の甲斐もなく、お亡くなりになってしまいました。その後も一年ほど勤めましたが「発症時に来てくれていれば助けられたはずなのに」という患者さんは後を絶ちません。大腸癌stage1の患者さんが5年後に生きていられる確率は90%台。それに対し、stage4ではたった10%台です。患者さんの受診のタイミングは、病院内からは介入できません。
決定打でした。この課題を解決するため、Ubieを創業しました。
人々を適切な医療に案内して、真の早期発見・早期受診を実現する、と。また、医師免許等の国家資格保持者は急に倍増したりはしません。非効率を解消して過酷な労働環境を改善せねば、いずれ立ちいかなくなるだろうと考えました。
日本は、世界に誇る国民皆保険とフリーアクセスで極めて受診障壁が低く、早期発見・早期受診は諸外国よりは比較的実現されています。それでもなお、こうした状況なのです。生活者のみなさまの不安が増大するコロナ禍で、すでに受診控えにより受診回数が低下しているという報告も聴いています。かつて私が目の当たりにした、本来であれば助けられたはずの患者さんが命を落とすという悲しみを、もう繰り返したくはない。さらに、このまま受診控えがつづけば医療機関の経営状況も悪化して倒産する恐れもあります。特に医療機関の数が限られる地域においては医療供給体制に穴が空いてしまうため、待ったなしの状況です。
世界最高のプロダクトを作る。プロダクトを社会に実装して生活者と医療をつなげる。
私たちの解決策はシンプルです。
医療における「検索エンジン」を作り、社会実装する。私と共同創業者の久保は2013年から自動問診/病気予測の機械学習エンジンを研究してきました。
それをもとに2018年、病院での自動問診/診療支援アプリケーション「AI問診Ubie」をローンチしました。現在では、慶應大学、順天堂大学、亀田総合病院等の日本を代表する病院を含む約200の医療機関でご導入いただいています。広く使われるほど強化され、世界に誇る一流医師たちからのフィードバックで世界最強のエンジンに成長していきます。
更に今年4月末には生活者向けアプリケーション「AI受診相談ユビー」をローンチしました。私たちのミッションである「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」を実現するため、医療機関で培ってきた問診AIの技術が「病院の外でも」「いつでも」「誰でも」使えるようにしたサービスです。これにより、病状や緊急度に応じて、不安で受診を控えてしまいそうな生活者の皆さまが適切なかかりつけ医等を検索できるようになります。
(海外の方も利用できるようUS版もローンチしました。 ※2023年3月追記)
患者さん一人一人に合った受診相談窓口から、かかりつけ医等医療機関への予約ができ、予め情報が伝わっている世界を実現して行きます。
そして最良の医療受診体験を開発し、それを日本ほど医療体制が整備されていない諸外国にも展開して行きます。まずは東南アジアからです。
日本中の人々を適切な医療に案内する。そのためのリミットはわずか半年。
コロナ禍の第二波に備えて、落ち着きを取り戻しつつある今のうちに医療機関の皆さまへ「武器」をお届けしたいと思っています。常に医療現場の最前線は医療者に他なりません。私たちは、皆さまによる尊い医療を維持するために、感染リスクを下げ業務を効率化するテクノロジーの提供で共に闘い抜きます。
しかしながら、それはUbieの60名ほどだけでは成し遂げられません。そのため、私たちはさらなるチームの拡大が必要です。
まずは、全国約240の営業拠点から医療現場に物資を届けていらっしゃる医薬品卸のスズケン様とパートナーになりました。Ubieの理念にご共感頂き、20億円の出資と医療機関向けの拡販の協力をいただくことができました。組成したばかりの内製精鋭営業チームと連携しながら、全国の医療現場にテクノロジーをお届けします。
今回の資金の50%は、Marketing, Sales, Successに充てる予定です。
そして先述の通り、医療機関内だけで出来ることは限られています。受診を検討する全ての接点で、生活者の皆さまを適切な医療にご案内したい。
プロダクトが2つになり、生活者と医療機関をシームレスに繋ぐために開発すべきソフトウェアが山ほどあります。
利用シーンが病院内のみだった従来に加えて、接点を爆発的に開発する必要があります。自宅、医療機関への移動中、救急要請時、介護施設内等々…これは個社では到底なしえるものでなく、他の企業や行政等との連携が不可欠です。これまでオープンにしてきた連携も、さらに多業態に広げていきます。
そのためのBusiness Development、アライアンスの開発も劇的に進めなければなりません。
一緒に世界を救ってください。We are hiring!
今なら日本を救って世界を変える、医療の世界における「検索エンジン」をつくった最初のメンバーになれます。
医療は、衣食住を整備した次に国家が投資する社会インフラです。同時に、世界各国がGDPの10%程度を投資する最大の市場でもあります。国内43兆円、グローバル500兆円の効用の最適化にどれだけ貢献できるか。これがすなわち、市場の大きさです。
私たちは社会インフラになる覚悟があります。
このnoteを読んでくれているあなたが現職のスーパースターであり、次の職場として例えばGoogleも良いかもな、とお考えなら、Googleに入るのとGoogleを作るのはどちらがエキサイティングかご一考ください。
そして、一緒に世界を救ってください。
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