【書評】誤解を生むコミュニケーションから抜け出す 『一言変えるだけで!もっと人に好かれる話し方 - 和田裕美』
人に好かれる話し方ってなんで必要なの?
和田裕美さんのビジネス書シリーズ第四弾は「話し方」について。
スーパーセールスウーマンとして活躍された和田さんだからこそ、生き方、思考法、お金、コミュニケーション術と多彩なテーマで含蓄のある言葉として深みがあるのだと思います。
とはいえ、この手のテーマは本当に世界中の人が提起されている話題であり、それだけ誰しもが気になる内容となるわけですが、なぜ?ここまで誰しもが必要性を説き、注目するのでしょうか。
本書では、冒頭に明言しています。
「人に好かれるということは、人に媚びる、という意味ではなく、この人と一緒にいたら楽しいな、居心地が良いなと思ってもらうことです。」
誰かと話す機会がある場合、ケンカしたくて話すような人はまずもっていないと思います。
心地よい人間関係を作るためには、話し方を理解することは、デジタル化が進む社会においては、ますます価値のある事だと私は感じています。
言葉は何のために使うのか?
本書の終盤に質問形式で書かれている問いになるのですが、正直申し上げまして、私にとっては目から鱗でした。
言葉は何のために使うのか?
(1)自分の意見を伝えるため
(2)相手を幸せにするため
(3)自分を分かってもらうため
(4)相手をもっと理解するため
(5)その場を盛上げるため
(6)相手に(ミスなどを)気づかせるため
上記に優先順位を付けて下さい。
こう聞かれて、スムーズに答えることが出来る方と、意外と悩む方って実はいるような気がしています。
言い方を変えますと、普段コミュニケーションを取る際、上記のどの選択肢で相手とコミュニケーションをあなたはとっていますか?と実は回答順序が変わったりしませんか?
言葉は「相手を幸せにするため」に使うんだ、という視点で話しをしている方は、明らかに場の空気を明るくし、盛上げる事ができると思います。
ある時は出来て、ある時は出来ていないという場合もあると思いますが、それは相手が実は幸せな空気を生み出すための空間づくりに貢献してくださっているのかもしれませんね。
人類がなぜ他の生物よりも、地球上において反映し、活動することが出来ているのか?
その背景に”言葉”と”社会性”があるということはよく言われています。
血のつながっていない者同士でも、情報共有し、利他のために活動することが出来る生物として発達した主因であると言われているからこそ、今生きる私達も言葉の価値を肌感覚レベルで理解することで、幸せな人生を送ることが出来るように思います。
自分が作っている空気を変える
コミュニケーションを取る上で、なぜか誤解を生むことって大なり小なり経験されたことは誰しもあると思います。
相手に不快感を与える空気感、好感を与える空気感というものは、大体において共通項があるため、本書では体系的にまとめられています。
その中で私達が損しないように注意するべきことは、ご自身の意識の有無には関わらず、相手に不快感を与えている可能性がある空気感があるということ。
ノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)という言葉があるように、口から放たれる言葉以外にも、表情や間の取り方、無言ではあるものの体全体から放たれるマイナスのオーラといったものを読み取る力は皮膚感覚であるでしょう。
また、オンライン上でも(上記すべては読み取ることは出来ないものの)何かへんだなぁ、と思わせてしまうコミュニケーションというものもあります。
全てを改善出来るわけでもなく、苦手分野もあって当たり前ではあると思いますが、自覚し、理解するだけでも相手に不快感を与える空気感というものを抑え、結果的にWINWINの関係になれるのではないでしょうか。
無駄話(雑談)を楽しめるということ
無駄話というとネガティブな印象を持ちやすいかもしれませんが、目的のある話ばかりしていては、どうしても損得勘定や利用価値といった目線が優先した人付き合いに陥りがちになってしまいかねません。
そうはならない、と言い切ることが出来たとしても、そのような人間関係だけ構築し、価値観が合わない人を避け続けるコミュニティというのは、ある意味では優れていると思いますが、排他的な側面も持ち合わせた社会に陥る可能性をはらんでいると言えるのではないでしょうか。
無駄話というのは、雑談という言葉に置き換えることが出来ると思うのですが、雑多なテーマでコミュニケーションを取るうちに、一人のヒトの多様な側面を理解しうるチャンスもあります。
特にビジネスにおいては、そのようなワンシーンを理解して付き合うことが、シビアな局面においてチームワークの底力を発揮するきっかけになる場合も往々にしてあります。
また、普段ゆるーく付き合う人の中からふとしたことがきっかけとなり、新たなチャンスを掴むことにもなり得ることから「あ、そういえばあの件は●●さんに相談してみよう」っていう閃きチャンスが増えるなど脳の刺激にもなることでしょう。
『一言変えるだけで!もっと人に好かれる話し方 - 和田裕美』
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