100年前の英文契約書をテキストデータにしてみた
このマガジンではアメリカに移民していた曽祖父・保次郎のことを紹介していますが、ハワイへ渡航→米国本土上陸→結婚→家族が増える、という経緯を写真と共に辿るパターンに飽きてきたので、今回はちょっと趣向を変えます。
父の実家の蔵にあったボストンバッグには、写真と一緒に英文タイプされた書類が複数入っていました。
どうやら1920年代に作成した農業の雇用契約書や農場の賃貸契約書らしいのですが、これが契約書だということを理解したのはつい最近、昨年末くらいのことでした。
発見当時の1999年はまだGoogle翻訳のような便利なものはなく、英語が得意ではない私が英文を読もうと思ったら、地道に辞書を引いて訳すしか手段がありませんでした。とても面倒です。あまり読みもせず20年近くも放置してしまったのは、ここに理由があります。
でも昨年末にふと、これをスキャンしてテキストデータにしたら翻訳するのは簡単ではないか?と思いました。
ということで早速スキャンして、まずPDFにしました。これをテキストデータにする方法は色々ありそうですが、調べたところ、GoogleドライブにPDFをアップしてGoogleドキュメントで開く方法が一番簡単そうだったので、やってみました。……すると本当に、あっという間にテキストに置換されたのです。Google凄え!
とはいえ、そのままだと読み取り間違いも多い上に変なフォントに変換されていたので、さらにプレーンテキストとしてコピペし直し、原本と突き合わせてスペルを直していきました。
また、Googleは正しく変換していても元がタイプミスしている部分も結構あって、例えば「potatoes」が「pototaes」になっていたりするので、文脈から類推しながらの修正作業になりました。
そんな風にしてテキストデータにした内容はこんな感じです。
THIS AGREEMENT made and entered into this 17th day of January 1922, by and betwee N. FAY & SON, hereinafter called the parties of the first part and Y. K. ABE, hereinafter called the party of second part.
WHEREAS, the parties of first part have leased to the party of the second part, the following described real property.
Being a portion of land formerly included in Bacon Island and now separated there from by a dredger cut and lying in sections 7 and 8 in Township 1 North, Range 4 East, M.D.B.&M. , and bounded on the North, West and South by the right bank of Old River and on the East by a line parallel to and 300 feet West from the West toe of levee surrounding said reclaimed portion of Bacon Island and also described as follows:
最近は仕事で契約に関わることが多くなり、英文契約書を見る機会もあったため、冒頭だけですぐ契約書だということは分かりました。もっと早く調べれば良かったと思う一方で、若い時だったら英語が読めたとしても何だかよく分からなかったかもしれません。ITの進歩と自分の経験値が揃った今だからやる気になったのだと思うと、不思議な気持ちになりました。
さてこの契約書、それでもまだ全文ちゃんと読めてはいませんが、ざっと自動翻訳してみると、ポテトやコーンの話がやたら出てくるのでこれらを作っていたのかなあ、とか、ベーコン島って何? とか、保次郎にミドルネームはないはずなのに何故「Y. K. ABE」になっているんだろう? とか、新たな疑問がわいてきました。これは調べ甲斐がありそうです。
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