プラド美術館展 2018年5月18日
こちらも久し振りの国立西洋美術館。
過去の図録を遡ると、2002年と2006年に同名の展覧会が開催されています。
当時の印象は悪くなかったことだけは覚えていたので今回も行って来ました。
変な言い方ですが、今回観た画は、家の中に飾っても邪魔にならない作品が多かったように思います。
家の中に自然と溶け込むような。
だから良くも悪くも強烈な印象を残す作品がありませんでした。
実際のところ、このような作品の方が飽きずに長年飾ることができるのではないかと思います。
(そもそも、一般家庭に飾ることができるような作品ではありませんが。)
で、例によって好きな画を探しながら観てました。
2つありました。
「女の戦い」
ジュゼベ・デ・リベーラ、1636年、油彩/カンヴァス
剣と盾とを双方持って戦う二人の女性の姿を描いています。
本当の決闘ではなく、娯楽競技を描いた作品群の中の一つと解説にはあります。深い意味は無いようなので、観たまんまの分かり易い画です。
「聖ペテロの解放」
ジュゼベ・デ・リベーラ、1639年、油彩/カンヴァス
投獄されている聖ペテロを天使が救いに来たところを描いています。この天使の顔が素晴らしくいい。イケメンですが、意思と知性とを存分に感じさせてくれる顔(表情)をしています。
所謂キューピットとして描かれる(幼児的な)天使よりも大きく、少年と青年との端境期ぐらいのイメージです。
作品として描かれているのも、横たわる聖ペテロと天使とだけであり、主題の理解は早いのではないかと思います。
(私自身は宗教的な意味は分かっていません。)
意図した訳ではありませんが気に入った作品は同じ作者のものでした。
今回は7つのテーマに分けて作品を分類し展示していました。
(芸術、知識、神話、宮廷、風景、静物、宗教)
私にとって圧倒的に面白かった、好きなのは宗教をテーマにしたところでした。そこに描かれている人物、偶像、天使などなどの精神と肉体とが共に躍動しているからです。
素人目にも、描かれている個々が意思を持って主張しているのがハッキリ分かります。
(この展示会に限らずですが、好みで無いのは静物。)
帰りは常設展の方も一巡りしてきました。
新規購入された作品もいくつか展示されていましたが、これは知りませんでした。
(ときどきは来ないとダメね。)
金曜夜なのにお客さんが多かった。
5月27日までだから?
お前、普段は美術館なんて来ないだろ、という人もチラホラ。
展示作品の解説をメモする人もチラホラ。
(学校のレポートの材料を漁っているのか?)
左後ろに浮かび上がっている「地獄の門」が不気味。