アルチンボルド展 2017年7月7日
フムフム、これは面白かったね。
私の好みではないだろうと思いつつ足を運んだら、
予想と全く異なった。
一般向けの宣伝では、
「奇天烈な画」
という興味本位の言い方になってしまうのだろうが、
実物を観てみると、
画を描く実力があるからあのような画も成り立つ、
ということに気付きました。
テレビやネットで見ると平面的な印象しか受けず、
???
と思ってしまうが、
実物は、緻密な描写、色の鮮やかさ、奥行き感、立体感が半端なく、
奇天烈さを全く感じさせませんでした。
敢えて言うなら「春」がいいですね。
主題以外の画も多数展示されていて、当時の画を少しながら楽しむことができました。
一つ学んだことは、彼ら宮廷絵師は画を描くばかりではなく、
祝祭行事の企画と芸術監督も務めなければならなかった、ということ。
でも今回の一連の展示物を観ると、
#アルチンボルド 、さもありなん
と十分に納得しました。
それだけの実力があるなと、素人目にも分かったからです。
物品もわずかばかり展示されていて、
「 #水晶製の平皿 」
(イタリア、17世紀前半)
が素晴らしく、手元に置いておきたいと思わせる一品でした。
水晶に光が通ると、
水晶に施した模様が机上にそのまま鮮やかに投影される様はなかなか見ることのできないものだと思います。
水晶部分も一見ガラスかな? と思ってしまうがよく見るとその風合いは異なり、鈍い輝きを放っていて、軽々しくない平皿です。
美術展は予想を見事に裏切ってくれることがあるから面白い!