見出し画像

不登校カウンセラーとして おすすめしたい本

何名かの方々からリクエストをいただきましたので
今回は「不登校生の親におすすめしたい本」を、3冊ご紹介してみます。

はじめに

本当は「不登校生の親におすすめ」と言われたら
ボクは小説や雑誌を読んで欲しい気持ちがあります。

日頃から、お子さんのことで悩んでいるみなさんは
大きなストレスを抱えていることと思います。

だからこそ、
少しでも自分の時間を作り、リフレッシュして、ストレスを軽減していただくために
小説や雑誌など「子育てとは違う世界」に身を置いて欲しいのです。

また、同じような理由で
いわゆる「子育て本」とか「不登校に関する本」ばかり読むことも
あまりおすすめしたくありません。

本来は、
子どもと向き合い、自分自身やご家族とも向き合うことが必要な中で、
子育て本とか不登校に関する本ばかりに向き合うことになっては、
本末転倒になりかねないからです。

あくまでも“参考”にするための「子育て本」なのに
その本の中に
“正解”ばかりを求めるようになってしまうのも、
やはり避けて欲しいと思っています。

そのような理由から
今回「おすすめしたい本」を紹介するにあたっては
いわゆる「子育て本」「不登校関連の本」以外から選びました。

(というわけで、残念ながらボクの本は紹介しません涙)

また小説や雑誌は
好みが多岐に渡るでしょうから、やはり今回は省きます。

では、3冊の紹介をします。
最近の本、ちょっと前の本、ずっと前の本、から
それぞれ1冊ずつ選んでみました。

最近の本から1冊

『どうしても頑張れない人たち』宮口幸治著

児童精神科医である宮口幸治さんの本ですが、
ベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』の続編ですね。

少年院で多くの少年と接してきた経験から
子どもの認知機能に着目して、
そこから教育や社会に対する考え方を投げかけられた本でしたが、

今回の続編も、
「頑張れない人」をテーマに挙げながら
子どもの「困りごと」に、どう向き合うかを投げかけてくれている1冊です。

よく不登校についても、
「サボっているわけではない」と言い方は、ボクを含めて多くの方がしていますが、
その「サボっているわけではない」について、著者さんなりの示し方をされていて
とても興味深い1冊でした。

この『どうしても頑張れない人たち』は最近の本です(今は2021年12月)。
まだ多くの書店にあると思いますので、よろしければ読んでみて下さい。

ちょっと前の本から1冊

「毒親」中野信子著

「毒親」というタイトルにインパクトがあるため、
読みたくないと思う親御さんがいらっしゃるかもしれません。

「毒親」と聞くと「ダメな親」のようなイメージがあり、
「不登校になるのはダメな親のせいだ、だから反省するために読んで欲しい」と
勘違いされそうですが、
そのような意図は全くありませんし、
毒親=ダメな親、と短絡的に解釈してある本ではありません。

親子関係を考えるにあたって、その背景やメカニズムが
ご自身も、子どもとして傷を受けてきたという著者さんの経験もふまえて書かれています。

最近の親御さんは、
お子さんとの関係以上に「ご自身の親との関係」に困難を抱えているケースが増えていますが
そちらの視点で読み進められる方も多いかもしれません。

毒親とは、不登校と同じく、
ひとつの「現象」であるとボクは解釈しています。

子どものこと、というよりも
親子関係で起こる現象について、考えるきっかけになる1冊かと思います。

では、最後に

ずっと前の本から1冊

「こころの処方箋」河合隼雄著

カウンセラーはみなさんご存知かと思います
心理学者、河合隼雄さんの本です。

文字通り「こころ」についてのあれこれを
エッセイのような感じで、読みやすく書かれています。

「こころ」という身に見えないものだからこそ
人間の悩みに対してスバっと目に見える答えを示すような形ではなく
読者自身が考えるきっかけを与えてくれているような、そんな本だとボクは思っています。

この本がいつごろ出版されたのかを
今回あらためて調べたところ、1992年、もう約30年前でした。

ズバッと答えが示されているような本ではないため、
アマゾンのレビューでは辛辣なコメントも見かけましたが、
ボクは、
出版から30年を経た今の時代にこそ、必要な本ではないかと感じています。

読んだら学校へ行くようになるのか、
読んだら就職する方法がわかるのか、とかではなく

読むことによって、
考える機会を得る、子どもや自分と向き合う機会を得る、
自分の生き方を考える、社会のことを考える、
そのような1冊だととらえていただけると良いのではないかと思っています。

以上、
親御さんへおすすめしたい本、3冊をご紹介しました。

と、話している動画はこちらです↓


最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?