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2015年8月の記事一覧
第26話 4月(23)
「新聞部って、今部長しかいないみたいじゃないの! しかも二年生! これはいける!」
次の日の放課後、ハルナは昨日のやる気の抜けた顔からは考えられないくらい、まぶしい顔で迫ってきた。
「なんか、そのノリが怖いけど」
「もう、入部希望の紙はもらってきてるから、はい!」
すでに、入部希望の紙に「新聞部」とハルナの手書きで書いてある。
第27話 4月(24)
「新聞部は新入生向けの特集記事と、学祭のパンフレットを作るのが主な仕事になってます……」
「それしか活動してないんですか?」
「私と卒業した先輩と、二人でやっていたから……」
とりあえず、新聞部が活動しているといわれている図書準備室にきていた。
「そんなことで部活動っていえるんですか?」
それは言い過ぎ。
第28話 4月(25)
「……高宮さんは入部希望者なんですか?」
「そのつもり」
「……」
「ねえ」
「……」
「私が部長でいいですよね?」
「「え」」
第29話 4月(26)
「あのな、先輩は二年生で、俺らは一年、わかる?」
「べつに、一年生が部長になって悪い訳じゃないでしょ」
この学校の規則的に、上級生が在籍する場合、部長はその生徒がやらなければならない。
「あの、わたしは、べつに高宮さんがやりたいなら、部長譲ってもいいですけど」
夕月先輩(たしか、部活動名簿にはそうあったような)が言い争ってる俺たちをみて、静かにいった。
第30話 4月(27)
「そういう感じが、この部をだめにしていると思う」
(そういう発言がおまえの価値を下げていると俺は思う)
「それは、さすがにいいすぎだろ」
「だから、わたしは夕月先輩が知らない景色を見せてあげたい」
おれのいうことはきいてねえ。