あべ

デザイン業界の極北に住む者

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特別天然記念物で始まる2024年

明けましておめでとうございます。 新春らしくおめでたい話でも。 この正月休みに実家に帰省しておりました。コロナの影響もあり実に数年ぶりの帰省です。 実家は岐阜県の山間部にありましてそれはもう自然豊かないわゆる古き良き田舎。 そんな自然に囲まれる実家なんですが、近年野生動物が増えてきているそう。 私が実家にいた30年くらい前はイノシシとかタヌキとかシカくらいしか聞かなかったけれど、10年ほど前からサルが出没して畑を荒らしたり柿や柚子の実を取っていくようになってきた、という

    • 京極夏彦『幽谷響の家』を勝手に推測する(追記あり)

      2023年9月に京極夏彦による新作『鵼の碑(ぬえのいしぶみ)』が発売された。 ファン待望の百鬼夜行シリーズ17年ぶりの新作でミステリー界隈では話題となった。 この百鬼夜行シリーズには恒例だが、本のカバーなどには次回作のタイトルが書いてある。 今回出た『鵼の碑』も前作『邪魅の雫』に次回作としてちゃんと記載されていた。 それから17年もの間ファンは待ちに待って、待っていたことすら忘れた頃にようやくようやく出版されたのだった。 そして今回も例に違わず次回作のタイトルがしっかり

      • 京極夏彦『鵼の碑』を再読した感想と考察【ネタバレあり】

        9月半ばに出た京極夏彦『鵼の碑』を再読した。 なぜなら一読しただけでは面白さがよく理解できなかったからだ。 ※『鵼の碑』ってなに?という方はコチラ↓ 『鵼の碑』は発売日に購入し、その週末3連休を丸々つかって読破した。 ずっと楽しみにしていたシリーズ17年ぶりの新作である。連休を良いことに食事と睡眠以外の時間をほぼ読書に費やしたと言ってもよい。 まさに読み倒したと言うに相応しい。 なんせノベルスで800ページ。大作である。 3連休最終夜にしてようやく読み終えた。 果たして

        • 京極夏彦『鵼の碑』がようやく出たがなんでこんなに間が開いたのよ(ネタバレ無し)

          2023年9月14日、京極夏彦氏の新作『鵼の碑』が講談社より発売されミステリーファンにはそれはもう大きな話題となった。ミステリーファン以外の方は知らないと思うけど。 ミステリー好きでもあり京極夏彦先生の作品が好きな私は、当然のごとく発売日に購入しその週の週末睡眠以外のほぼすべての時間をつかって読み終えた、いや読み倒した。なんせ分厚い、倒したという表現がピッタリである。 とはいえ今回は内容には触れない。 ネタバレは無いので未読の方は安心してほしい。 『鵼の碑(ぬえのいしぶみ

        • 特別天然記念物で始まる2024年

        • 京極夏彦『幽谷響の家』を勝手に推測する(追記あり)

        • 京極夏彦『鵼の碑』を再読した感想と考察【ネタバレあり】

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          【私的メモ】読了リスト(3/16追記あり)

          ●ノンフィクション・エッセイなど 高橋ユキ『つけびの村〜山口連続殺人放火事件を追う』 岸田奈美『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった+かきたし』 一橋文哉『餃子の王将社長射殺事件 最終増補版』 一橋文哉『もう時効だから、すべて話そうか』 小倉ヒラク『日本発酵紀行』 明石散人『二人の天魔王〜信長の正体』 〈6/11追記〉 北山哲『科学が解いた!?世界の謎と不思議の事件ファイル』 〈3/16追記〉 杉岡幸徳『世界奇食大全増補版』 丸山ゴンザレス『ダークツーリスト

          【私的メモ】読了リスト(3/16追記あり)

          読めない日本語の話

          初めてその言葉を目にしてからもう20年にもなるだろうか。特別難しい漢字が使われている訳ではないけれど読み方がわからない、その言葉。 今まで何度かその読み方を他人に訊ねたことはあるが明確な回答をしてくれる人はいなかった。 もちろん辞書にも載っていない。 ネットで調べてみたら同じ疑問を抱いている人はいたもののちゃんとした根拠のある回答は誰にも届けられていなかった。 その言葉が何かというと、 これ?こんなの簡単でしょ。 もしかして引っ掛け問題? …って、そうじゃない。本気で読

          読めない日本語の話

          女子高生とメル友(死語)になった話【最終話】

          顔写真を送った後に来た衝撃のメール。 『私あべくんのこと好きになったかもしれない』 サトミからのメールを見た瞬間グッと心臓を掴まれたかと思った。時が止まった。 嬉しい、嬉しすぎて頭が真っ白になった。 しかし、冷静になれと別の自分が言う。 そう、別に好かれたからと言って付き合うとかそんなんじゃないだろ。相手は遠く離れた神奈川に住む女子高生、顔も知らない。こっちは大阪の26歳。顔だってたった1枚の画像しか見せていない。ただの相談相手、親戚のお兄さん的な存在なんだよ、冷静になれ

          女子高生とメル友(死語)になった話【最終話】

          女子高生とメル友(死語)になった話【第2話】

          PENICILLINのボーカルであるハクエイの自称彼女こと『サトミ』から偶然メールが来た話の続き。 2回目のメールが来たのはそれから1週間後のことだった。 『彼(注:ハクエイ)とデートの約束してたのに急に仕事だってドタキャンされたの』 と限りなく作り話っぽい話をしてきたので、まぁ嘘なんだろうなと思いつつ「仕事なら仕方ないよ、大人には仕事も大切なんだから」なんて慰めたりして有名人の彼女ごっこに全力でお付き合いしてあげた。 また別な日には、 『あべくんはどんな香水つかってるの

          女子高生とメル友(死語)になった話【第2話】

          女子高生とメル友(死語)になった話【第1話】

          スマートフォンが日本に登場してから10年以上経過して、ネットはもちろんのことカメラに動画に地図に予約に支払いに…とスマホは生活必需品の筆頭に挙げられるようにまでなりました。 私自身もスマホユーザーとなってもう7〜8年経ったのだけれど、携帯電話(ガラケー)は15年間使っていたのでガラケー時代の方がまだ長いはず。それなのにスマホの無い時代に自分がどういう生活をしていたのかが今となっては思い出せない。それくらいスマホ依存となってしまった。 最近ふとガラケー時代にはどんな生活して

          女子高生とメル友(死語)になった話【第1話】