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私の青春時代。

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2023年7月の記事一覧

舞台は高校二年生夏の終わり。

舞台は高校二年生夏の終わり。

その夏は失恋から始まり、悲しみに浸りながら過ぎ去っていこうとしていた。

所謂私は恋愛体質な女子高生であった。

彼氏が途切れることのない。そんな女の子。

彼氏が途切れると焦ってしまうのだ。

でも17歳の夏である。大人になる一歩手前。

そんなに焦る必要はない。恋愛に固執せず、自由に過ごしてみようかな。

暑い夏の日差しが私を逆に冷静にさせてくれていたのだ。

さぁ。夏が終わる。

秋には文化

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気になる人から大好きな人へ

気になる人から大好きな人へ

毎日連絡をとるのが習慣になっていき、
学校でも席が隣なのでよく話す仲に。

そして彼は医師、私は当時薬剤師を志しており。たまたま同じ医療系、理系だったこともあり
選択科目はほとんど同じ。

基本的にすべての授業をともにしていたのだ。

部活動も同じ体育館でしていたため、学校にいる間は一日中近くにいる存在だった。

必然的に恋心も芽生えてきて、気づけば彼を目で追うようになっていた。

今までちゃんと

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決戦の日

決戦の日

意を決し私は彼にラインした。

「修学旅行の前に二人でご飯行きたいね。」

こんな不自然なラインに彼は
「いいね!こんだけラインしてるしまだまだ喋りたいことあるから行こう!」

優しいな・・・。彼も内心気づいてるところあるはずなのに。

私たちの学校は男女のいい雰囲気があると周りのヤジがひどいという特徴があった。

だから男女で部活の後にご飯に行こうもんならバレたらめんどくさ過ぎるわけで。

しか

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最高な修学旅行の幕開け

最高な修学旅行の幕開け

「え、もうそれはやばいって…泣」

恋愛経験豊富とたかを括っていた私だったがこんなキュンキュンすることは人生で初めてで
もう半泣きでした。

「もうほんまにバレバレやったで、めっちゃ可愛かったわw」

ただのドS野郎だったようです。

そのまま私は門限も近づいてきていたため駅に向かって真っ直ぐ2人で手を繋いで歩いた。

久々に感じた幸せだった。

失恋して4ヶ月くらいしか経ってなかったけど、キュン

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私の誕生日。

私の誕生日。

11月に入り、私の誕生日が近づいてきた。

「美嘉、誕生日何欲しい?」

17歳を迎える私にそう聞いてくる。

お小遣いの範囲内で恋人にあげられるプレゼントなんてかなり限られる。

ちょうどその時にiPhoneの充電コードが断線しかけているという話をし、

「そしたら可愛い充電コード探してくる!」

と私に伝え、誕生日のお祝いをしてくれることになった。

誕生日当日。土曜日であり、彼の部活の後に会

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秘密を公開する時。

秘密を公開する時。

付き合って1ヶ月が経った。

そろそろ周りも勘付き始めている。

「なんかやたらあの2人仲良く話してるよね。」

まだバラしたくないと思っていた私たちは一緒に帰るにしても、告白した日と同じように学校から離れたところで待ち合わせして帰っていた。

私達の中でもそろそろ公開してもいいんじゃない?という話になった。

そんなある日。

帰り道わざわざ遠回りをして2人で手を繋いで歩いて駅に向かっていた。

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クリスマス大作戦。

クリスマス大作戦。

12月に差し掛かる。

相変わらず私たちは部活動と勉強に明け暮れている。

一年後には受験直前になっている頃。

そろそろ進路も確定させなければならない。

私は依然薬剤師を志していた。

医療系の仕事しか視野にはなく、彼も医学部志望であったため自然な流れであった。

しかし。

「E判定か…。化学が絶望的…。」

進学校であったため模試も高校2年生の段階でたくさん受けさせられていた。

何度テス

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クリスマス当日。

クリスマス当日。

朝からずっとハラハラドキドキ していた。

前日からクリスマスプレゼントに同封する簡単なパウンドケーキも作り、
準備は満タン。

彼から連絡が入る

「おはよう、今日とりあえず部活終わり次第○○駅きてくれる?」

○○駅というのは大都会の駅である。17歳の時点で2回くらいしか行ったことがなく、
土地勘も全くない。

彼に引っ張っていってもらわないと何も分からない場所であった。

ひたすら部活を頑張

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彼とはずっと一緒に居たい。だからこそ…。

彼とはずっと一緒に居たい。だからこそ…。

クリスマス以降はお互い塾や部活動で予定がびっしり。

部活の後に一瞬顔を合わせたくらいで、コミュニケーションが取れないまま年末年始に入った。

『そしたらさ一緒に患者のケアできる存在になろうよ』

『俺が医者になって、美嘉は看護師さんになるのはどう?』

クリスマスの日に言われた言葉が頭をめぐる。

私は小学生の頃は看護師に憧れていた。

テレビで医療系の番組を見ては興味津々になっていたし、
実際

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