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「29」の壁

1992年、3月生まれ。
私は、次の誕生日に30歳を迎える。

現在、29歳。20代ラスト。
同学年の仲間たちは、みんな続々と「30歳」を迎えている。
それを早生まれの私は「おめでとう~!」なんて言いながら横目で見ている。

29歳ってなってみた人しか分からないと思うのだが、
怖い。
女性と男性でも違うのかもしれない。
私は女性なので女性の気持ちしか分からないけれど、
女性の29歳って本当に怖い。

何が怖いか。

「29歳なのに結婚もしていない」
「29歳なのに子どももいない」
「29歳なのに彼氏もいない」
「29歳なのに仕事もうまくいっていない」
「29歳なのに経済力もない」
「29歳なのに自分にできることがない」
「29歳なのにやりたいことが定まってない」
「29歳なのに…」
「もうすぐ30になるのに…」

この「29歳なのに…」で始まる、不安や焦りの数々に自分自身が苛まれていく感覚。初めて体験する。そりゃそうだ、初めて29歳を経験しているのだから。自分と同じような境遇で、29歳を経験してきた世の先輩方を心の底から尊敬する。

この感覚は、「30歳が怖い」ともまた違う。
怖いって言ってたって、時が過ぎれば確実に年を取ることなんて分かっている。
乗り越えるべきは「30歳」ではなく、「29歳」だと思うのだ。

人とどうしても比較してしまうこの社会の中で、
どのように「29歳」として生きていくのか。
それは、「25歳」とも「28歳」とも、はたまた「30歳」とも違う。
「29歳」という年齢に課された問題。
まだ20代と言える最後の1年。

この1年をどう生きるのか、どう生きようか、
自分自身への勝手なプレッシャーをかけ続けている。

昔は、特に学生時代は、同じ悩みを友達と共有できたのに、
今はそれぞれの境遇で悩みは違い、今の私の悩みはこれ。
悩みというか、どうしても感じてしまうこと。
イメージとしては、暗闇でひたすら光を探しながらぐるぐる回っている感じ。
人生で初めて見る「壁」の種類。

有吉さんが「ピンポーン」って「〇」を出してくれるように、
自分で自分に「〇」を出せる日は来るのかな。

それとも「〇」でも「✕」でも私は私でいいんだって
そう思いながら30歳を迎えるのかな。
なんか、そんな気もするな。

ちなみに、暗闇でぐるぐるしている中での今は
「目の前の人の役に立ちたい」
その思いだけで仕事をしています。

昔、思い描いていた29歳とは程遠いけど
どんな理由でも、どんなことが活力だろうとも
壁を目の前にがむしゃらになってる姿って「生きてる」って感じだよなぁ。
(突然のみつを)

生きてるだけで素晴らしいよ、みんな。
頑張ってるよ。えらいよ。
私も、あなたも。

30歳に希望があるかは分からないし、
自分自身が成長するかも分からないし、
コロナが収束するかも分からないけれど、
「29歳」で得たいろんな感情や経験が、「30歳」という未知の世界に少しでも喜びをもたらすように、今日も「29歳」を精一杯生きようと思う。


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