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パリ、思い出の服とともに歩く日々
My film journey -あの旅を綴る-, 2nd roll 第二十七話
約1週間のパリ滞在は、本当に素晴らしい経験だった。宿泊したのは、小さなシングルベッドと、日本では見たことのなかったビデが置かれた、屋根裏部屋のようなシンプルな部屋。窓からの眺めと、どこか漂うアンティークな雰囲気が、「パリにいるんだ」と実感させてくれた。この部屋を拠点に、毎日パリの街を歩き回り、その魅力を余すところなく感じ取った。
パリが旅の最終目的地で、帰国も近かったため、まずは自分へのお土産に買い物をしようと決めた。古着屋やお気に入りのブランドショップを巡り、agnès b.やA.P.C.などの、当時特に好きだったブランドの店を夢中で訪ね歩いた。中でも、agnès b.では定番の白黒ボーダーのロングシャツを、A.P.C.ではリジットデニムパンツを購入。帰国後は、これにカーキのコンバースを合わせて大学に通っていた。ウィーンで購入したルーディックライターの茶色いバックスキンのスニーカーよりも、コンバースの方がその時の気分だった。今ではそのデニムも色落ちしてボロボロになり、太もも付近に大きな穴が空いてしまったけれど、26年経った今でも妻がレギンスと合わせて、オーバーサイズで履いてくれている。それがとても似合っていて嬉しい。
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Kiliwatchという古着屋では、アディダスのレトロな青いスウェットトレーナーと、カーハートのベージュのパーカーを手に入れた。カーハートのパーカーは着すぎて袖の裾がほつれ、色も褪せてしまったため捨ててしまったが、スウェットは今でもランニングの時に時々着ている。あの時点で既に古着だったスウェットが、購入から26年経った今もほとんど変わらず手元にあるのが驚きだ。こうした思い出深い服は、できる限り大切にしている。当時、ヨーロッパ旅行に行った際に、仙台では見たことのない、好きな服を厳選して1年分買い集め、日本で買い物をしなくて済むようにしていたのも、大学生時代の私らしいエピソードだ。さらに、当時はヨーロッパで買った方が断然安かったのも大きな魅力だった。
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大学時代の私は、日本ではなかなか手に入らない服や、定番のアイテムを旅先で買い集めるのが楽しみだった。高校が私服校だったため、ほぼ毎日ジーパンとTシャツが「制服」代わり。大学に進学してからは、友人の影響もあり、本当に気に入ったものだけを少しずつ集めるようになった。だからこそ、あの頃に買った服が今でも現役で活躍している。
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いつか、これらの思い出の詰まった服を一つひとつ紹介できたらと思う。
All photos of my journey were taken by abeken with Ricoh R1s.
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