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整理できない自分の心をととのえる④

「整理できない自分の心をととのえる」というテーマのもと、片付けが苦手な私は、精神的にも混乱し、ストレスを抱えているのではないかと考えた。そして、その解決策として、マインドフルネスやサウナが有用であることを述べた。前回は、心をととのえる方法としてサウナの効能について紹介したが、今回は改めて「片付け」に焦点を当て、整理整頓の重要性を考えてみたい。
人の営みにおいて、「衣食住」は基本となる三本柱である。この3つが揃わなければ、充足感を得ることは難しいのではないかと私は考えていた。

衣食住から衣食旅へ

「衣食住」とは、
1. 衣服・食物・住居という生活の基盤
2. 暮らしを立てること、生計を営むこと
を意味する。

しかし、近年は「衣食住」ではなく、「衣食旅」というノマド的なライフスタイルも注目されている。インターネットやスマートフォンの普及により、住まいを持たずに旅をしながら仕事をし、生活することが可能になりつつある。終の住処は必要かもしれないが、それまでは「住」が絶対条件ではなくなってきているのかもしれない。

かつて「旅」とは、非日常を楽しみ、日常の疲れを癒すものであった。しかし、今では常に旅をしながら生活する人もいる。このことを考えると、移動しながらの生活が普通になってしまうと旅が日常になってしまう。どちらにせよ、日常の中にその人にとっての「旅的な要素」を取り入れることが、それぞれのウェルビーイングにつながるのではないかと思う。

昔の言葉に学ぶ

ここで、古くからの言葉を振り返ってみる。

  • 衣食足りて礼節を知る

    • 『管子』牧民の一節

    • 生活にゆとりがあってこそ、礼儀や節度をわきまえるようになるという意味

  • 倉廩実則知礼節、衣食足則知栄辱

    • 「倉廩実つれば則ち礼節を知り、衣食足れば則ち栄辱を知る」

    • 人々は穀物が満ちれば道徳を持ち、衣食が満ち足りてこそ名誉と恥辱の違いを理解できる

ここで注目すべきは、衣食が満たされることがまず重要で、「住」は含まれていないことである。

「住」は本当に必須なのか?

古代においても、住は絶対的に必要とされていたわけではないのかもしれない。衣と食は、生物として生きていくために不可欠である。衣は体温調節、食は生命維持のための栄養補給。
一方、住はそれらを補う要素であり、寒暑をしのぎ、食料を保存し、身体を休めるための空間である。つまり、生活スタイルや環境によっては必須とは限らないのではないか。
「衣食住を整えなければならない」とプレッシャーを感じていたが、「住」に対する考え方を少し変えるだけで、片付けの負担が軽減されるかもしれない。例えば、シンプルな最低限の家財でいることが、片付けもし易く、ストレスも軽減できるかもしれない。

新たな環境への期待

4月から新しい住環境となる。この変化を機に、自分にとって最も楽で心地よいスタイルを見つけられることを期待したい。

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abeken/アベラボ
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