後で猛省するのにまたすぐ調子乗っちゃう人へ
「あの時なんであんなことを、ああいう言い方で言ってしまったんだろうか」
勢いでつい言ってしまったことを後悔し、「ああああ~~!」と猛省することが私にはよくあります。
昔から振り返りの習慣はあって多少メタ認知は出来るので←、自分の日々の言動の内省はよく行います。自分の中の「もう一人の自分」がコーチとして、律してくれるのです。ただ自分の中のコーチは所詮自分と同じ経験値しかないので(当たり前なんですが)、他の方との1on1や読書などで視点を高めたり、視野を広めたりします。
なのに、なんで定期的に「あの時なんであんなことを、ああいう言い方で言ってしまったんだろうか」という過ちを繰り返すのでしょうか?(笑)
あなたも思い当たる節、ありますか?
こないだ会社のある人と振り返りの話をしていて、
「一言日記を書いてるんですが、振り返って読んでみると、そもそも調子の悪い時にしか書いてすらなかったんですよね」と言っていました。
めちゃめちゃ頷きました。私も全く同じでした。
そしてその時、なぜ「あの時なんであんなことを、ああいう言い方で言ってしまったんだろうか」という過ちを繰り返すのか気が付きました。
それは調子のいい時に振り返りをおろそかにしがちだから、です。
仕事やプライベートがある程度順調で、エネルギー値が高い状態であれば、基本的に未来にエネルギーが向き、そのエネルギーの方向も自分から周囲に強く流れていることが多いでしょう。
「明日はあれとあれとあれをしよう!よし!がんばろう」
「明日は○○さんにこれ言って、これやってもらおう。あ、そうだ!○○さんに先にあの話しておかなきゃ」と。
ただ人間は社会という人間と人間の関係性の中で生きています。
自分が何者であるかなんて他者との相対的な定義でしかできないし、自分の思っている通りに事は運ばないものです。ましてや自分の周囲にいる他者がどういう状況に置かれているのか、私がこれを言ったらあの人はどう感じるのかなどを考えずにいたら尚更事はうまく運びませんよね。
つまるところ、調子のいい時は自己中心的な視点になりがちでただでさえ、エネルギー量も多めだから、言動で事故りやすい状況がばっちり整っているよね、ということです。
人生15回目です、みたいな人間性が素晴らしく息をするように相手に気配りも出来て余裕もある方でない限り、気を付けないとこういうことって起こりがちなんでは?と思います。
風姿花伝で世阿弥さんは3つの視点が大事だと仰っています。
我見(自分が主体となる視点)
離見(相手から自分を見る視点)
離見の見(もっと引いて全体から見る視点)
能を演じる時に大事な視点として挙げてますが、振り返りにおいてもこの3つが重要でしょう。
我見:
ポジティブで未来志向な自分視点も、ネガティブで過去志向な自分視点も両方とも合わせて我見だと思います。一見、「なんで自分あんなこと言っちゃったんだろう。あの人怒ってないかな。。」というようなネガティブで過去志向な視点は、他者を意識した視点に見えます。でも本質は「他者に自分がどう思われるか」という自分視点なのでここにカテゴライズしてます。結局「自分がどう思ったか、自分がどう思っているのか」という自分視点です。
離見:
他者から見えている自分のことで、これは他者に聞くしか究極把握できません。1on1とかで積極的にフィードバックもらいましょう!自分のことを思って耳の痛いことを言ってくれる人の存在って大事ですね。感謝しましょ。
離見の見:
自分と他者を俯瞰で見ることで、これがまさに振り返りの役割なんだと思います。
我見で自分が何をしたのか、その時どう思ったか、感じたか、今どう思っているのか、明日はどう動くのかなど、自分の認識を整理する。
そして自分の中のコーチを呼び起こして離見と離見の見にアクセスしてみて、全体像を整理する。
足りない部分は1on1などで他者の視点を入れてもらい、本当の離見を仕入れる。
そしてそれらの情報を統合して離見の見を手に入れる。
これを調子が良かろうが悪かろうが、定常的に回すのが大事なんですね。
たまに「他人からどう見られるか気にしなくていい」ということが言われるが、
これは「(外野の評論家=)他人からどう見られるか気にしなくていい」だなーとつくづく思います。
他人からどう見られるかは気にしよう!
だって私たちは人と人との関係性の世界で生きているから。
自分の意見をスタンスを取ってちゃんと主張することと相手の状況や心情を思い遣ることは両立できるし、両立しないと結局物事は進まない。
そう反省したところで、改めて耳の痛いことを言われること、恥ずかしい思いをすることって職業人的な成長においても人間的な成長においても大事なことだなーと感じましたとさ。
余談
「あの時なんであんなことを、ああいう言い方で言ってしまったんだろうか、ああああああ~~~、もっとオトナな男になりたいぜ」と思った時には「マイインターン」を見ることにしてます。
目指せ、ロバート・デニーロ。
そんなわけで明日は「マイインターン」を10回くらいみようと思います。