ぷちえっち・ぶちえっち23 娘に叱られた
数年前のことである。
僕は30も歳が離れた23歳のゆかりちゃんと付き合っていた。
ゆかりちゃんは茶色いショートヘアーがよく似合う、かわいい子だった。小さめの丸顔で、目も鼻も口も平均的な大きさでバランスが取れていた。僕の一番好みのタイプだった。
付き合うといっても、「私たちラブラブだもんねー」というのとはちょっと違う。僕がせっせと貢いで、何とか付き合っていただいている、という感じである。
「ねぇ、あべちゃん、化粧品買いたいなぁ。新作が出たの!」
「うううぅ。3万までにしてくれる」
「やったー!ありがとう。大好き」
といった感じである。買い物に付き合い、外資系のホテルのレストランや有名な寿司屋に連れて行き、時々ゆかりちゃんが機嫌がよければラブホに行く、という関係である。まあお財布がわりに活用されていたといったほうが実情に近い。
話は変わるが、僕の30年来の友人にカメラマンの小森さんがいる。まだ20代のころ、僕がライター、小森さんが写真でコンビを組んで日本全国仕事で飛び回った中だ。その小森さんと飲んだ時に、僕はゆかりちゃんの話をした。
「あべちゃん、元気だねー」
と小森さんが大笑いしてその日は終わったのである。
それから1か月後、僕は渋谷のバーにいた。28歳の娘にちょっと用事があったのだ。娘は渋谷でバーテンをしている。
娘とは仲は悪くないが、その日は違った。僕を見る目がヤケに冷たいのだ。娘は僕に言った。
「おとうさん、私より若い子と付き合ってるんだって。何やってるの。もう恥ずかしい。」
えーっ、何で知ってるの⁉︎
一番知られたくない娘にバレているので僕は激しく動揺した。
「こないだ小森さんが来て聞いたわよ」
えーっ!小森さん、そりゃないよ。僕は心の中で悲鳴をあげた。多分酔っ払ってつい喋ってしまったのだろう。小森さんはいい人だが脇があまいのだ。
娘は僕に対して説教モードに入った。
「だいたいね、そんな若い子がおとうさんみたいなおじさんのこと好きなわけないじゃない。いいように使われてるだけよ!」
はい、その通りでございます。返す言葉もありません。
「私より歳下ってのもおかしいわよ。非常識。病気よ」
御説ごもっとも。全く持ってその通りでございます。
「それにね、おとうさん、20代前半の子って性欲強いのよ」
その通りでご…うん?何か話が変な方向に行ってない?
「お父さんの年で、そんな性欲強い子を満足させられるの。できないでしょ!」
えー、そっちなの⁉︎まさか娘にオトコの精力の衰えを怒られるとは。
娘に怒られたから、というわけではないが、ゆかりちゃんとも別れて、今は自粛の日々を送っている。でも、時々お尻の辺りがムズムズして、チャンスを伺っているのである。今度は小森さんにも内緒で…