オーシャンピープルズの奇跡
このイベントではいくつか奇跡が起きた。
私達はイベントの準備が間に合わなくて、
みつばちオーガニックフェスで作った「はちみつ練乳」を持って行った。
本当は定番メニューの味を決定して、持って行く予定が
看板を変える時間がなくてそのままのレシピで持って行った。
1日目から
「はちみつ練乳だってー」とはちみつ+練乳に食いつく人が多かった。
一通り見て、メニュー名に惹かれて戻って来た人も多かったし、
1日目に食べて、2日目も買いに来てくれる人がいた。
たまたまの奇跡。
時間がなくて自分たちの中では完璧じゃなかった事が
いい感じに転んだ。
こんな事ってあるんだなと思ったし、前職のアパレルでもお客様には完璧に
やらなきゃいけないと思っていた私にとって、衝撃的な出来事だった。
もう1つの奇跡。
「キッチンカーで出店してもらえませんか」
とファニーなおじさんが名刺をくれた。
初めて名刺をもらったし、初めて依頼を受けたし
まだ始めたばかりの私達に依頼なんてと
最初はからかっていると思った。
「こんな小さなキッチンカーで大きな大人が小さくなってカキ氷削って、
面白すぎて声かけちゃったよ」と言われた。
あまりのファニーさに言われた言葉が直に刺さって嬉しかった。
楽しくて、写真も撮った。
もらった名刺にメールをして、次の出店が決まった。
この先この方の北区の場所に出店することになり
今に至るまでかなりお世話になっています。
この方の他にも名刺を渡された。
覚悟を決めて出店したイベントは覚悟の何倍も奇跡が起きた。
この時はキッチンカーも今ほどみんなやってなかったし、
カキ氷屋さんもあんまりなかった。
この奇跡はこの時にしか起きなかった奇跡だと思う。
「キッチンカー、どうやってやるんですか?」と聞きに来る人がたまにいるけれど、今の状況や今の時代によって違うからマニュアルなんてないと思う。
私たちの時はね・・・なんて武勇伝を話すのもちょっと苦手。
その時の空気。その時の気持ち。その時の世の中の感覚。
ほとんどが『運』だったと思う。
新しく始める人には、うまく行くマニュアルなんて見ずに
自分のマニュアルを作っていくのがいいとお進めしたい。
失敗してもきっと次のマニュアルが出来るし、成功だけが良いことでもない。
失敗が成功に変わる瞬間は今回のようにかなり心地の良い中毒性がある。
でもその運をどうやって引き寄せたかを頭を捻って考えて・・・
それを言葉にすると、ただただ
『馬鹿みたいに一生懸命だった』
出店もも元を取れるか分からないの決め、原価もよく考えずにワンコイン
で販売(今思うと怖すぎる・・・)
馬鹿さが人にあからさまに伝わる事も大切だったのかもしれない。
でもこの時の自分たちはこれが本当に正解だと思っていたし
馬鹿だとも思っていなかった。
後から色んな人に言われて気が付いた。
全て運が良くて奇跡だったと思う。
そして、人には知らない間にきっと直に伝わる感情があるんだと思う。
それが後にならないと分からないから本当に大変で
だから人って楽しい生き物なんだと思う。
先に成功方法を教えてもらって始めたら、失敗したときに結構つらい気もします。
最短距離は「楽」を取らない事。
これを知れた2日間だった。