「小さな違和感」は、組織として早めに潰したほうが良い
こんにちは、HeaRの安部(@abe_motivator)と申します。
HeaRは2018年8月に創業し、今季で4期目となります。現在は法人向け採用DXコンサルティングや、キャリア支援サービスのシゴトレ、副業エージェントのタメスワークなど、HRサービスを3つ展開しています。
どんなに事業が伸びている組織でも、どんなに優秀な人が働いている組織でも、日々課題に向き合っていれば"モヤモヤすることはあると思います。特にスタートアップは、従業員の多くが中途で構成されているケースが多く、育ってきてバックグラウンドが異なるため当たり前の基準がバラバラ。また、良くも悪くも事業作り/組織作り双方に朝令暮改が起こりやすい為、表向きではポジティブでも実は「うーん……」と思っているような事例をもあるあるかもしれません。
※スタートアップに限らず大手でも起きていることだとは思いますが……
ただ、これを「スタートアップあるあるだよね」とか「事業が伸びれば全部解決だから、今は耐えよう」で片づけてはいけないと思っています。個人的には、この小さな違和感(モヤモヤ)を無視すると"組織崩壊"の危険性も大いにありえると思っています。人が辞める時の理由は「何か大きな事件が起こった」というケースは稀で、ほとんどが「違和感の積み重ね」だったりしますからね。
つまり、違和感に向き合えない組織は「人が定着しにくい組織」になりやすいリスクがあると思います。「違和感を抽出し、それを解決する」シンプルですが、非常に難しいテーマに悩んでいる人事やマネジメントレイヤーの方も多いのではないでしょうか。
今回はこの「小さな違和感」を、組織としてどう潰すかについてHeaRの取り組みや僕の考えを述べていこうかと思います。
■ミスは2回続くと失点する
「ミスは2回続くと失点する」
この言葉は、僕が高校時代所属していたサッカー部の顧問から言われた言葉です。僕はポジションがボランチやディフェンス=守備的だったので、そこでミスが2回続けば、失点してしまうので1回で留めておこうという意味。
(サッカーに詳しくない方はごめんなさい)
僕はこの言葉が好きで「守備においても1回のミスであれば取り戻せる(実際には時と場合によりますが)、なので果敢にチャレンジしなさい」という考え方のもと、のびのびプレーさせてもらっていました。しかし、逆に言えばチームにおいてミスが1回起こった際は、連続してミスを犯さないよう慎重に守らなければならないことを意味しています。
そして時は経ち大人になって「これ、組織作りでも同じ事が言えるのでは?」と感じています。今回のテーマである"小さな違和感"は、まさしくチャレンジした際に起こる"事実と認識の歪み”だと思っています。それを修正せずに放置しておくと、高確率で失点=冒頭で述べた組織崩壊や離職が起きてしまうと言い換えられるのではないでしょうか。
スタートアップは果敢なチャレンジがつきもの(むしろそれが醍醐味)です。なのでミスや違和感はどんな組織でも必ず起こると思っています。逆にミスを恐れてチャレンジしない/出来ない組織の方が健全さは無いですよね。サッカーと同じで、攻めなければ点は取れません。点が取れなければどれだけ堅実に守っていても勝てません。
(※またサッカーの例えですみません)
■レポートラインを作る
さて、ここからは「どうすれば違和感を潰すことが出来るのか」についてHeaRの事例などを交えながらお話していきます。
僕は自分が在籍したいくつかの組織(1社目のラジオ局など)で、様々な方法を試してきましたが、結果的に「レポートライン:違和感を抽出する担当」を設定したほうが良いと思っています。
このレポートラインは少数規模の会社であれば人事が、人数規模の大きな組織であれば事業部Mgrが良いかもしれません。HRBPを設けている会社であればそちらでも問題ないと思います。
アナログなやり方かもしれませんが「違和感を感じたら、この人に言えばいいのか」「違和感はこの人が解決してくれる」と思ってもらえるレポートラインがあると無いとでは、安心感が全く異なります。スポーツで言えば"守護神"や"砦"のような立ち位置でしょうか?
このポジションをきちんと設定しておくことが大切。特に入社間もない従業員は、この違和感を誰にも言えなくて放置してしまうパターンも多くあるので、メンター制度などを用いて解決しましょう。
そしてただ、違和感を抽出するだけでは意味がありません。最終的には「誰が/いつ/どのような方法で」解決してくれるかを明示することが大切です。つまり、抽出した違和感を失点につながる前に防ぐために、解決策をディレクション出来るディフェンスリーダーを決めましょう。
もちろんリーダーが全て解決できるスーパーマンであれば話は早いですが、技術的な話や専門的な話は人事では解決できないケースも多々発生すると思います。
■違和感を伝えられる仕組み(施策)
ただ「違和感があったら、何でも言ってね」と口で言うのは簡単ですが、実際それだけで上手く機能している組織はあまり見かけません。ましてや新しく入社したメンバーなどが、いきなり組織に対する違和感をストレートに言えるかと聞かれると難しいと思います。なので組織としては"違和感を伝える場"をデザインする必要があると思っています。
例えば弊社は「象・死んだ魚・嘔吐」という施策を2週間に一度行っています。
※「象・死んだ魚・嘔吐」に関しては、下記で詳しく紹介されております👇
まとめるとこんな感じ👇
・象:みんなが見てみぬふりをしている問題
・死んだ魚:今は放置しているが、放っておくと問題が発生するもの
・嘔吐:いろいろ遠慮して言わないこと
→弊社のバリューの一つである「ハックまでが仕事」を体現する施策にもなっております。
弊社はこの施策を隔週で行っています。なぜ隔週なのかについては小さな違和感をちゃんと潰す=解決するまでしっかり追うことが目的なので、スパンが短いと解決できないまま終わってしまったり、溜まって消化できなくなってしまうからです。
そして弊社では人事がディレクションをして、解決までのスケジュール管理やメンバーのアサインを担当しています。専門的なものになると当然人事では直接の解決が難しいので、変に全てやろうとしなくて良いと思います。ただ、責任を持って最後までスケジュール管理を怠らない事が大切です。
■さいごに
最近よく「どうして手法を外部に公開するのか」という質問をいただくのですが、従業員オンボーディングや体験デザインの領域は、事業内容や組織フェーズによって正解が異なると思っているので、HeaRのやりかたが全企業にとってふさわしいとはそもそも思っていません。
しかし、同じような業態/組織フェーズであったり、そうじゃなくても一部取り入れたりすることは可能ですよね。そこに思想を吹き込み、オリジナルの施策を完成させていただければ本望です。
ここまで、生意気にHeaRの事例や持論を述べましたが、僕自身まだまだ完璧に小さな違和感を潰せる仕組みを構築できているわけでは無いと痛感しています。というよりも「1人でやり切るのは到底無理」なテーマではあるので、メンバーの意見を参考にしながら日々試行錯誤を続けています。
話は変りますが、我々は「青春の大人を増やす」というミッションに向け、強い組織作りを目指しています。そして複数ポジション(採用コンサル/マーケター/広報/デザイナー/エンジニア)で絶賛採用強化中です。少しでもHeaRに興味がある方や、組織作りや体験デザインの構築に興味があるかたは是非下記WantedlyやMeetyからご連絡ください(Twitter DMでもOKです)
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