「働く前に全部話そう」伝えきることの大切さ

こんにちは、HeaRの安部(@abe_motivator)と申します。

つい先日、紹介で知り合った方とお話させていただく中で「候補者が選考で本音を言う訳無いじゃないですか」という言葉を貰いました。”働く前にぜんぶ話そう。働く前にぜんぶ聞こう”を掲げている弊社にとっては、耳の痛い言葉である一方「まあ、確かにな」と思ってしまう自分に悲しくなったりもしました。

僕自身も転職を経験していますが、正直建前で乗り切ったこともあります。そもそも建前という言葉は「嘘」と捉えられがちですが、”体裁のいいように繕ったりして表向きの方針をこしらえる、その外面のいい言葉”という意味です(改めて調べました)

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※上記PODで言う「自社」と「候補者」のWillが、全て重なっているわけではないけれど、一部重なっているので、建前で合わせられてしまうと言えるかもしれません。

そして、現状の採用活動で当たり前とされている「1次面談→2次面談→3次面談」のような選考フローは、この建前を醸成しているのだと思います。僕も、年齢の割に人事を務めて長くなってしまいましたが、3回の面接=合計3時間程でお互いを全て理解することは相当難しい。

また、最近だと”カジュアル面談”が増えましたが「え?カジュアルじゃないじゃん」と候補者に思わせてしまうような対応をしてしまっている企業も珍しくありません。「カジュアルに話す場だと思ったら、何故か不合格だった……」というようなケースが起きれば、建前(企業に合わせる/本音を隠してよいしょする)になってしまう人がいるのも仕方がない気がします。

今回は、なるべく建前を無くし本音を伝えてもらう為に企業側はどんなことを意識し、どんな取り組みをすればいいのかについて個人的な見解を述べていこうと思います。

■候補者側からの建前は、正直防げない

意見を述べると言いつつ「防げないんかい」とツッコミを入れてくれた方、ありがとうございます笑(自分でも書いていて思いました)。ただ、結論「候補者からの建前を、100%防ぐのは難しい」と思っています。

というよりも、やはり候補者側をコントロールするのは無理。「本音を言っているかどうか」は、本人にしか分からない訳なので。「なんでも話してくださいね」だったり、話しやすい雰囲気作りに努めている企業さんもたくさんいるはずですが、実際本音を話してくれたかどうかをきちんと把握できている企業は少ないはず(もちろん、アンケートなどを取って回収している企業もいますが、それですら本音かどうかは本人のみぞ知る)

一方選考の回数を多くして接触回数を増やすことで、もしかしたら本音を言いやすくなるかもしれません。ただ、リードタイムが長くなるというデメリットもありますよね。

ではどうしたらいいのか?結論「本音を全て聞くことは無理でも、本音を全部話すことは出来る」と割り切ることが大事なのではないかと。候補者が本音かどうかは、候補者本人しか分からない。でも、自分たち(企業側)からの開示は、自分たちの意思でどうにでもなりますよね。

昨今の採用市場で大事なのは、企業側からの圧倒的Giveの姿勢だと思っています。選考フローの改善というと、「候補者体験が良いように面接官の質問の質を高くしよう」とか「テキストでのオペレーションを改善しよう」とかそういったことを思い浮かべる人も多いと思いますが、それだけでは足りなくなってきている気がしています。

なので「良いことも悪いことも伝えきる」ことを心がけたほうが、ミスマッチは起こらない。これが企業側に出来る最大限の努力だと思います。また、これはただの個人的な想いですが「開示してくれる人には、こちらも開示したい」と思うじゃないですか。でも「何か隠してそう」だと感じた場合は疑心暗鬼になってしまいますよね。採用活動もそれと同じだと思います。

当然、カルチャーの開示や組織状態の開示ももちろんですが、該当ポジションに対するスキルセットなどを課題とともに開示することが大事です。

下記、弊社マーケポジションにおける開示例です👇

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■マーケティングにおける課題/何に取り組んでいるか
①ABMの活用
・Tier1〜Tier3までを設定したが定量的な振り返りの設定に悩んでいる

②マーケティングチームの立ち上げ(専任マーケターがいないが故)
・現在2名がマーケティング以外の業務との兼務している状態
→定期的に施策を打つ仕組みを作っているものの人手が足りていないため専任を迎えたい

③MAツールの選定
・現在利用しているMAツールが、設定できる範囲が狭く、加えて振り返りたい指標を振り返ることができない状態
・リードの増加に伴い、CRM的な活用も活発にしたい。
→上記背景で変更を検討しており、Hubspotへの変更までは意思決定したもののノウハウがない

④ネクストアクション
・ウェビナー等、定期的に施策は展開できているが、施策を点ではなく線で実行し、効率的なリードナーチャリングをしていきたい
・チャネルの独占に挑戦したい(仮説建てから実行まで)
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👆上記の開示においてスカウト返信率も、10%以上向上しました

■「伝えきった」と胸を張ることが重要

“伝えきる”ためには、まず必要情報を言語化し、提供出来る状態を作ることが大切です。リンクアンドモチベーションさんが提唱し、今やアタリマエの概念になった4Pのフレームワークを使って、会社の現状や理想像を言語化するのも一つのHowかもしれません。

この時に意識しておきたいのが「ありのままを言語化すること」「人事だけで言語化しない事」の2つ。

前者に関しては、とにかく現状分析の際は”見栄を張らない事”が大事。会社のありのままを言語化することは、実はとてもむずかしい。

その理由はいくつかありますが「自分が所属している会社のありのままを言語化して、嫌な部分に目を向けショックを受けたくない」という点が大きいのではないでしょうか。後者に関しては、人事のみだと視点が属人化してしまうため、経営陣や現場メンバー(出来るだけ部署を網羅)にも協力してもらいましょう。

上記2点を行ってから「採用ピッチ」「カルチャーデック」を作ると情報が揃いやすくなるかと思います。

👆HeaRの採用ピッチ資料

👆HeaRのカルチャーデック

■候補者がいつでも情報を覗きに行けるOPENな採用活動

情報が揃い言語化も完了し、資料に落とし込めたとしても、そこで完了ではありません。結局は候補者に認知してもらわなければ、どれだけ開示しても意味がありません。つまり「見ようと思ったときに」「調べようと思ったときに」すぐに求めている情報が出てくる環境を構築することが大切です。

例えば会社が気になってネット検索をした際に……

・すぐに採用ピッチやカルチャーデックが出てくる状態
・SNSで社名検索したら、従業員の情報が出てくる状態
・事業について検索したら、分かりやすく解説されていて、関わるステークホルダーも整理されている状態

作成した資料をスカウトメールの際だけ送るであったり、面接の際にだけお見せするのようなフローは本来望ましくありません(もちろんクローズドな情報であれば別)

もしかすると、開示されているが故に「あ、自分と合わないな」と思われてしまい、途中辞退という選択になってしまう可能性はありますが、ミスマッチを防ぐという観点ではメリットですよね。

また候補者側に「全てできないといけない」「要件にすべて合致しないと応募が出来ない」と思われてしまわぬよう、あくまでも「この中の一部の課題を解決出来ると思うのであれば会いましょう」といった表現が好ましいですね。
※当然、課題を全て解決出来る人じゃないと採用できない場合は問題ないですが……

弊社としても上記のようなスタイルを心がけているおかげで、スカウトに対する返信も下記のようにいただくことが多いです。

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ご丁寧に現状の貴社の課題を記載いただきありがとうございました。
ABMを用いた、戦略設計は正直経験がありません。

しかし、Hub Spotを使ったCRM運用や、ウェビナー、ホワイトペーパーなどのコンテンツマーケに関しては前職・現職共に取り組んできたので一部お力添えできるかもしれません。

そのような状態で宜しければ、一度選考に進んでみたく思います。
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👆候補者の方からは、掲載許可をいただいております

■さいごに

「働く前に全部話す」「働く前に全部聞く」これは想像以上に難しい。掲げている我々でも、難しさを日々痛感しています。これは”お互いのGive”が前提だからかもしれません。このビジョンを変えるつもりは一切ありませんが、企業側として最大限努力できるのは、とにかく”開示力”を上げること。これに尽きると思います。

話は変わりますが、HeaRでは一緒に働く仲間を大募集しています。まだまだ完璧な組織とは程遠いですが、3つの自社HRサービスを展開し「青春の大人を増やす」というミッションに向け日々事業/組織の推進に勤しんでいます。

事業面/組織面/カルチャー面どこでも構いませんので、少しでも興味をもって頂けましたらお気軽にご連絡いただけますと幸いです。圧倒的カジュアル面談をしたいです!


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