【ダンス精神論】ダンスにおける“心・技・体”
皆さんこんにちは!
プロ社交ダンサーの阿部巧太(アベコウタ)です。
今回はダンスを極めたい人やこれから上達していきたい人なら知っておきたい「ダンスにおける“心・技・体”」についての記事です。
「心技体」はスポーツや武術の世界でよく使われる言葉で、3つの要素全てのバランスが整った時に最大の力が発揮できるという概念です。
本記事では、心(こころ)、技(わざ)、体(からだ)の3要素とそのバランスに関して、私なりの捉え方を交えて解説していきたいと思います。
この考え方を上手くダンスに応用できれば、より合理的に効率良く上達していけるでしょう。
ダンスの技を磨くこと、そして自分の心と体、これらと上手く付き合っていきたい人はぜひ最後までお読みください!
ダンスを形作る「心・技・体」の主な要素
まずは、ダンスに影響する心・技・体それぞれの要素を把握しましょう。
記事中では各項目に関して多くの人に当てはまりそうな分類の仕方で解説していくことにします。
①心
心(こころ)とは、目に見えない自分の内面のことです。
ダンスに関する人間の内面を構成する要素は以下の通りです。
・感情
・感性
・キャラクター
それぞれについて解説します。
「感情」とは、自然に湧き上がってくる“気持ち”のことです。
・その日どういった気分か?
・踊る時にどんな気持ちになるか?
・自分にどのくらい自信を持てているか?
etc…
これらは「感情」の要素に当てはまります。
「感性」とは、ダンスを創り上げていくための引き出しのことで、「センス」とも言えます。
・この部分はこういう音を表現したい
・ここはもっとスピードを付けて見せたい
・もっと2人のつながりが見える踊りにしたい
など、「私はこう踊りたい!」「こう踊ったら良く見えそうだ」というアイデアが「感性」に当たります。
「キャラクター」とは、ダンス以前に自分がもともと持っているパーソナリティのことです。
分かりやすく例を挙げると以下のようなものです。
・私は明るいが涙もろい
・誰かと過ごす時間に喜びを感じる
・初対面の人に対しては礼儀正しいが打ち解けると口が悪くなる
etc…
自分の性格や人格はもちろん、根底的な価値観や思考パターンなども「キャラクター」に含まれます。
②技
技(わざ)とは、文字通りダンスの技術のことです。
技術とは、繰り返し修練を積むことによって習得できる能力のことです。
要するに練習してできるようになることは何でも技術と言うことができてしまうわけです。
そういう意味では、心や体のマネジメントも技術と言うことができてしまいそうですね。
ここでは、「技術」というものを“精神や身体の状態によらずダンスに対して再現性を担保するもの”と定義しておきます。
難しいのでより簡単に言うと、
・気合い
・関節の可動域
などのメンタルや身体能力の問題ではなく、
・クカラチャのやり方
・ルンバウォークのフットワーク
といった実用的なテクニックのことを指します。
③体
体(からだ)とは、自分の身体的なポテンシャルのことです。
・身長が高い
・手足が長い
・筋力が強い
・持久力がある
・関節の可動域が広い
などの目に見える特徴や身体能力を指しますが、先天的なもの、後天的なもの両方含みます。
例えば、生まれ持ってスタイルが良いことも、努力で身体を柔らかくしたことも両方「体」の要素に当たります。
相互に影響しあう3つの要素
次に皆さんに持っていただきたいのは、これらは相互に影響しあうという視点です。
言い換えると、ある要素の問題が別の要素の問題を引き起こすこともあるということです。
その簡単な例を挙げると以下のようなものがあります。
・とても癪に障ることがあったので、ついリードが雑になってしまった(心→技)
・ダンスの知識や技術に関して詳しくないので、自信を持って踊れない(技→心)
・無理に大きくヒップローテーションし続けた結果、膝に負担がかかって痛めた(技→体)
・身体を大きく使ってダイナミックに踊りたいが、筋力や身体の可動域が足りない(体→技)
・ここのところ忙しく疲れが溜まっているので、週末の大会で良く踊れるか不安だ(体→心)
・練習だと良く踊れるのに、本番の雰囲気にさらされると緊張して身体が震えてしまう(心→体)
※カッコ内に関して、A→B:AがBに影響を及ぼしている
皆さんも似たような経験があるのではないでしょうか?
このように、ある要素についての問題の原因がまた別の要素にあるということも珍しくありません。
本当にダンスが上手くなるための「心・技・体」の考え方
以上を踏まえると、ダンスのレベルアップのために大切なことが見えてきます。
それは、「心・技・体」のうち今の自分にどの要素の強化が必要かを見極める能力です。問題の発生はそれを考える良い機会なのです。
例えば、前章で挙げた
・とても癪に障ることがあったので、ついリードが雑になってしまった
という例について再度考えてみます。
この問題は分解していくと、
・癪に障ることがあって気が立っている
・それによってリードのクオリティが下がる
と認識することができます。
つまり、問題自体は「技(わざ)」の部分に起こっていますが、その原因を一段階深掘りすると「心(こころ)」の部分に問題があるということになります。
そのように考えると、
・苛立った時の対処法を調べて次から実践する
・一旦深呼吸や水分補給をして心を落ち着ける
・ダンス以外のイライラをダンスの練習に持ち込まないように気を付ける
などといった心(こころ)に対してのアプローチも必要になってきます。それがないといつまで経っても問題の根本は解決されないままです。
このように、
①問題が顕在化しているのは「心・技・体」のうちどの要素か?
②その問題の潜在的な要因は「心・技・体」のうちの同じ要素か?別の要素か?
を考えていくと、問題の解決策を導き出すことができ、今後鍛えていくべき課題も明確になります。
冒頭にも書いた通り、「心・技・体」とは3つの要素のバランスが良い時に最大のパフォーマンスが発揮されるという概念です。
3つのうちの何かが足りない、言い換えると3つのうちの何かに問題を抱えたままであれば伸び悩むのも当然なのです。
あなたのダンスに今必要なことは何ですか?
この記事がそれを考えるきっかけになれば嬉しいです!
今回のように、今後もダンサーの皆さまに向けた記事もどんどん出していこうと考えています。皆さんのお悩みが少しでも解決できれば嬉しいです!
“内面”は社交ダンスにとって重要ですが難しい領域です。目に見えない自分の心と向き合うのは大変ですよね。
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では、今回はこのへんで。
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次回もお楽しみに!