短編小説『morning』 僕の夢物語003 2022.9.4
iPhoneの初期設定アラームを止めて、時刻はまだ5:55分。外はまだ暗くて、こんな時間じゃまだ寝てて良いんじゃないかと、一瞬思った。
そんな少しの気だるさを持ったままベットから起き上がって、T-falに水を入れ、真っ赤なマグカップには最後の1本のスティックコーヒーを入れた。そのゴミをゴミ箱の方に向かって投げ、その足でソファまでいき、テレビに電源を入れた。
Amazon FireTVのYoutubeの検索欄に「ブルーハーツ」と入れて、THE BLUE HEARTSの『ラブレター』を聴いた。
僕はこの曲のように誰かの幸せを心の底から願うことを今はまだできないかもしれない。でも願うことはできて、それが決して心の底からでる感情ではないとしても。それが大事なのかもしれない。
だとか色んなことを考えながら、その瞬間瞬間の感情を楽しみ、忘れたくない純粋さを思い出しつつも、どこか隠しきれない切なさを感じた。テレビを消し、フツフツとなっていたT-falの元へ行き、お湯をマグカップに入れた。
コーヒー片手に階段を登り、2階のベランダでキャンプ用の椅子に座った。
人の気配のない世界の空を見て、雲の動きを見て、言葉にできない胸の高鳴りを感じた。ボーと眺めて、今日はなにしようかなーって考えたり、未来の自分や見たことのない世界の景色を想像して、または過去の思い出に振り返ってみたり。そんなことしてると段々と外は明るくなり、人の住む世界へ変わっていった。
よし、今日も1日楽しいことしよう。
そう言って僕はマグカップを流しに入れに行き、雑巾を濡らし、さっき投げたスティックコーヒーのゴミを片付けた。
完
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これも実話を元に作りました。
こんな感じの気持ちで毎日楽しい朝を送っております笑。
この話に出てるTHE BLUE HEARTSの『ラブレター』と言う曲。僕には正直あのMVがあんなに明るい雰囲気に作られているのが分かりませんでした。
iTunesで買って聴いた時に、色々思いましたけどざっくり言うなら切ないって感情でした。
そんで夜の帰り道聞いたりしてたわけですけど、公式でMVが出て見て見たら南国みたいなとこで楽しそうに踊っていてわけわかんなかったです。強がっているのかなとか。
でも、最近になってようやくヒロトは心の底から幸せを願っていて、自然とあのMVになったのかなと思うようになれました。
まあそれがより切なく感じることもあります、
そんな裏話でした、