『走り去るロマン』に賭けた夢 連載00<序文>
『走り去るロマン』に追い求めた夢を探求する
シンガー・ソングライター、そしてゴダイゴのリードヴォーカリストとして活躍する、タケカワユキヒデがレコードデビューを果たしたのは1975(昭和50)年の1月。全曲英語詞のオリジナル楽曲12曲を収録したアルバム『走り去るロマン』("PASSING PICTURES")のリリースから、来年2025年で50周年を迎えることになる。
タケカワは、自身のデビューアルバムについて、かつてこう語った。
“『走り去るロマン』には、たくさんの宝物が詰まっている”
幼少の頃から海外のポップスに親しみ、自身でオリジナルの楽曲を創ることを夢見た少年時代。
あくまで英語の歌詞にこだわり、日本語詞が当然の音楽界に抗いながらも自分を貫いた青年時代。
そんなタケカワの才能を発掘し、育てた、先輩ミュージシャン、プロデューサー、作詞家、レコード会社。
タケカワが16歳から21歳までに書いた、デビューアルバム収録の12曲は、その足跡である。
そして、デビューアルバムの制作途中から参加したミッキー吉野との出会いと、ゴダイゴの結成までを通じて、ゴダイゴというバンドの“特性”を探ってゆく。75年のリリース当時、『走り去るロマン』は決してヒットはしなかったが、ゴダイゴの活動を通して成し得た、“夢” も番外編として取り上げたい。
50周年を迎える、エヴァーグリーン・ミュージックに、限りない感謝を込めて。
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