MMTの根幹!実話から学ぶ信用貨幣論!〜しかし経験した本人は…〜
金額設定していますが、例のごとく全文読めます。
信用貨幣論は理解すると、MMTを理解しやすくなるのはさる事ながら国全体というマクロな視点で見た場合のお金の意味と本当に大事な物が何なのかを理解しやすくする事が出来ます。疫病による恐慌をいかに切り抜けるかそして、一人一人の財政に対する意識を変えるキッカケになればと考えます。
今回は私の友人の事例を元に信用貨幣論とは何かを考えていきたいと思います。
まず信用貨幣論とは何か?ザックリ言いますと…商品貨幣論、いわゆる物々交換の不便を解消するために誰もが一様に欲しがるモノが貨幣になったと言う説に対して、そもそも貨幣とはそう言った商品的なモノでは無く、モノやサービス等を貸し借りをする事で生まれていったと言う理論です。正直、ピンと来ない方が多いと思います。なので、これから私の友人が体験した実話を元にどう言った物かを説明したいと思います。
友人は登山が趣味なのですが、その際に山菜を取ってくる事があります。春になると根曲り竹と言う山菜を取るのだそうですが、熊の大好物でもあるため中々一般人では取ることが出来ず、高級な山菜に分類されているとのことです。彼はコレを良く取ってきては、ご近所さんにいつもお裾分けしており、そのご近所さんからはお返しに夏になるとその家で取れる夏野菜を大量に頂いてるとのことです。
この一連の流れが正に信用貨幣論の真髄になります!!
恐らく、誰もがこんなのお土産とかで良くやる光景じゃん!どこに貨幣的要素がある?と思われる方が多いと思いますので、順を追って説明します。
まず、友人が高級山菜を取ってきます。ここで彼は山菜を取ると言う生産活動を行なっています。そして、次にそれをご近所にお裾分けと言う形で山菜は渡します。この時、もらった方が貸しが出来たと考えます。恐らくそういう認識はないと思いますが、お返ししなきゃ!とお思いになるはずです。この時点で友人には債権が、ご近所さんには債務が発生したと解釈出来ます。
次にその債務を返済しないととご近所さんは考えますが、あいにくそのタイミングでは返せる物がありません。そこで夏まで友人に待ってもらいます。
そして、夏が来るとご近所さんは御自宅で取れた夏野菜をふんだんに渡す事で友人への債務を返済する形になります。
この取引にはお互い何の物体も介さず取引を終えておりしかも取引終了までに春から夏と言う大きな時間差まであります。そうなると、この取引が成立するキモの部分は
貸しと借りがある事を認識しており、この貸し借りの記憶とそれが信用に値する記憶である事になります。つまりここでの貨幣は貸し借りした記憶と言う情報になります!
情報が貨幣⁉︎ってなると思いますが、日常の取引でも普通に行われております。例えば銀行間での送金やクレジットカードの決済は現金紙幣は一切移動しておらず、何万円送りましたとか何万円支払いました。と言った情報のみが飛び通帳の数値を変えています。
今回は記憶という情報が貨幣となっていますが、仮に友人がご近所さんから夏に野菜を渡すと言った紙を渡され友人が別の方への弁済にそれを使える事が出来れば、その紙は貨幣となり通貨となります。このように貸し借りでの取引を成立させるにはお互いの信用が必要です。全く見ず知らずの相手に贈り物をする人はまずいません。だからこそ、信用貨幣論と言う名が付いたのだと個人的には考えます。
とこのように信用貨幣論の実際に体験した本人はこれをどう理解していたかと言うと…
「まぁ、良い感じの物々交換だよね!」
と言っており、本人は何と物々交換だと思っておりました。間違いなく貸し借りでの関係で成り立っていた取引なのになぜこう感じてしまったのか?理由としては2つほど考えられます。
1. 取引というとどうしても紙幣、硬貨という実態を持った物が必要と認識しているから!
日常の買い物では紙幣や硬貨、大きな買い物や仕事の取引では円の単位が書かれた見積書、契約書、伝票等を使う事が大半なので、上記のような出来事も取引の一種であるのにそういう風には認識しづらいためと考えます。
2. 取引の間に一見何も介さないように見えるから!
これが1番の原因だと思います。実際には記憶と言う情報が媒体として存在しますが、目に見える形では表れていないので非常に認識しづらいです。
と、このように例え経験したとしても知っていなければもしくは意図的に見方を変えなければ通常は気付く事なく商品貨幣論的に捉えてしまうでしょう。この辺は天動説、地動説と似ていますね。天動説は目に見える見かけの星の動きをそのまま捉えた事で出来た理論です。だからこそ、
お金は貸し借りの記録もしくはその情報!
と言うのを知る事が大事になってきます。そしてこれがMMTや財政の正しい理解にも繋がってきます。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
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