たかちゃん

小学校の頃。当然「完食」が当たり前だった。
ぼくは特性からか、好き嫌いがエグくて、トマトなんて見ただけでえずきが止まらなくなったもんだ。

そしてそんなぼくの小学校時代は、トマトが丸ごと給食に出るというとんでもない時代。
3年生の時は、ベランダに机ごと出されて食べ切るまで戻って来んなって言われて、泣きながら、1ミリよりちっこい一口で少しずつ食べてた。
友達のたかちゃんも一緒に外に出されてた。
たかちゃんもトマトが嫌いだった。

泣きながら少しずつ攻略するぼく。
たかちゃんはそれに比べるとペースが早い。

だって彼は、一口齧っては外に「ペッ」ってしてたから。
ぼくは見つかったその先が怖かったのか、食べ物をそんなふうにしたことがなかったからできなかっただけなのかわからないけれど、そうしなかった。

たかちゃんは先に帰って行った。
ぼくは4時までかかった。

何が言いたいかっていうと、好き嫌いは「頑張れ」じゃどうにもならない子もいるんだってことと、たかちゃんずるいぞって話。

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