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西園寺、早乙女、櫻田、丙午

夏に会った時、あまりに暑くて疲弊し次は涼しくなったら会おうね、と言い合っていた友人とご飯へ。

ワインとピザをいただきながら丙午という、60年に一度やってくる干支の存在を教えてもらう。 丙午生まれの女性は気性が激しく夫の命を縮める、という迷信があるらしく、出生数もその年だけ少なくなっていたらしい。前回の丙午は1966年、次の丙午は令和8年になるのだとか。うっかりその年に生まれただけで、あまりの言われようだ。

忌み嫌われる生まれ年のようだが、逆にこの年に生まれた女の子たちは「うちら丙午だもんねー!」と結束力を強めて、チーム丙午、というグループ名を付けたりして、なんなら成人した時や還暦を迎えた時などにみんなで集まって盛大にお祝いしたりして丙午生まれのことを悲観せず楽しんでてほしいな、なんて思ったり。なんとなくギャルマインドを持ってそうな私の中の丙午ガールズ。

2軒目に行ったカフェでは、おしゃれなコーヒースタンドで飲み物ををオーダーした際に名前を訊かれて答えるのがちょっと恥ずかしい、という話になり、そこからイケてる偽名を使ったら良いのでは?という展開に

友人の名乗りたい苗字は西園寺、私は早乙女。偶然2人共さ行。

西園寺さんと早乙女さんはどちらも東京の裕福な家庭に生まれ、都内の某ミッション系の女子校の同じクラスで出席番号が前後になったことがきっかけで友達に。西園寺、早乙女、櫻田とさ行が続き、櫻田さんも含めた3人で仲良くなり、机をくっつけて毎日一緒にお弁当を食べたり一緒に帰ったり、という間柄。代官山周辺が庭、なおハイソJK

ちなみに櫻田さんは色白で金縁のメガネをかけていて、海外出張などが多い仕事のお父さんの影響で海外文学が好きな文学少女。後にお父さんの仕事の関係で家族で海外へ引っ越し、そのまま現地の大学に進学し、西園寺さん・早乙女さんとちょっと疎遠になってしまう(が、一時帰国の時には必ず3人で集まる)という、無駄に解像度の高すぎる設定まで考えてしまった。

私たちは西園寺でも早乙女でもないし、櫻田さんという海外文学少女の友達もいないのに、もはや櫻田さんに会いたい。そろそろ日本に帰って来てほしい。

こういうことを考えるのって本当に一銭にもならないけど楽しい。ずっと考えてられる。ここまで考えてしまったので、とりあえずお互いに違和感なく笑わずに名乗れるように練習して、次回はおしゃれなコーヒースタンドで西園寺・早乙女でオーダーして颯爽とコーヒーを受け取り、肩で風を切って歩きたい、と思った楽しい金夜だった。


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