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【試し読み 第4弾!】あばれる君とポケカ
今週末、6月1日(土)、6月2日(日)にポケモンバトルの日本一を決める大会「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2024」が開催されます。あばれるさんはカードゲーム部門の招待選手! 今年はどんな成績を残してくださるのか楽しみです!
あばれるさんは、昨年も招待選手として出場。下記のYOUTUBEでその様子を見ることができます。(これもらい泣きしました…)
先日発売になった初エッセイ『自分は、家族なしでは生きていけません。』でもPJCS2023を振り返ったエッセイが収録されています。特別にそのエッセイを公開します!
※【試し読み 第1弾!】【試し読み 第2弾!】【試し読み第3弾!】は下記よりお読みください
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【試し読み 第4弾】
ポケモンカードで泣ける人生
ポケモンには、「カードゲーム部門」「ゲーム部門」「ポケモンユナイト部門」「ポケモン GO部門」に分かれて大規模な大会があります。その中でも入賞すれば世界大会出場に直結する「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2023 カードゲーム部門」に招待選手としてお呼びいただきました。
5000人の選手が参加する緊迫した大会です。お祭り気分で行くと圧倒されます。しかも招待選手は配信卓というステージに呼ばれ、全世界に自分の試合が生放送されます。大仕事です。
ポケモンカードとの出会いは小学4年生でした。街のおもちゃ屋で週末にポケモンカードの大会があり、そこに出るようになったのがきっかけです。
僕は2回優勝しました。優勝すると、小さいカップにチョコレートなどのお菓子を詰めてもらえる権利が与えられます。
決勝戦を見届けなかった店長に優勝したことを報告に行くと、「新規のお客さんを呼びたいがための大会なのに、また同じやつが優勝したなあ」という顔色が見え隠れしていました。
相手の心理を読むことが必須のカードゲームのおかげで、相手の顔色で手札(胸の内)がわかるのです。だから僕は、引け目を感じてカップにパンパンにはチョコレートを詰めることができませんでした。
そのころから考えるともう約27年。大人になって規模が桁違いの大会に出場するなんて夢のようでした。やるからには絶対に勝つ。おもちゃ屋の優勝体験と店長の青ヒゲが蘇ってきました。そしてなにより、優勝していい感じでネットニュースになりたい。そんないやらしい思いが僕を駆り立てました。
ポケカは自分の考え方やプレイスタイルに合う60枚のカードデッキを選び挑みます。本番までは、もう1人の招待選手だった栗原類くんとそのお友達とたくさんの練習試合をしました。
僕は練習で負けまくりました。まわりの仲間に「もう負けるの見たくない」「つらい」と言わせるぐらいの連敗でした。背中でその声を聞きながら自分の親指のささくれをむしりました。
そのとき、不意に仲間がおすすめのデッキを貸してくれました。
「駆け引きとかいらないよ。なにも考えなくていいデッキだよ。」
仲間は言いました。僕を思いやって、攻撃だけで突き進む重戦車のようなデッキをおすすめしてくれたのです。駆け引きや心理戦の要素を削いで調整されたデッキは、猛烈に自分に合っていました。それは伝説のポケモン「キュレム」が入ったカードデッキでした。
当日の会場は広い空間と高い天井で作られた独特のザワザワとした雰囲気がありました。僕は1戦目も2戦目も3戦目も負けて予選落ちでした。
予選落ちが確定した途端、涙が溢れてきました。悔しさもありましたが、大会から解放された安心感が大きかったかもしれません。それほどまでに僕は、真剣勝負で挑んでいたのです。
36歳になってもポケカで泣けるなんて幸せな人生だと自負しています。
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