【導入事例】愛媛県松山市の特別養護老人ホームが排泄センサーを全床導入した理由
生き残るためには「選ばれる施設」を目指すのは必然
ーサンシティ北条さんは排泄ケアに限らず、さまざまな分野で先進的な取り組みをされていらっしゃいます。その背景にあるお考えから伺わせてください。
サンシティ北条がある愛媛県松山市の北条地区は眼下に斎灘が広がり、振り返れば神が宿る高縄山がそびえ、それを立岩川がつなぐ……と風光明媚な場所です。他方、人の確保が難しい土地柄でもあります。 事業を継続していく上では、やはり人材確保が重要な課題になると切実に感じています。
こうした中で、私たちは働き方改革や科学的介護、介護DXをリードしていくような施設でありたいと考えています。施設が生き残っていくには介護人材、そして入居者様やご家族に選んでもらえるようになることは必要不可欠であろうと考えています。
こうした考えのもと、高齢者総合福祉施設「サンシティ北条」内の特別養護老人ホーム(ユニット型)では開設当初(2020年)から「見守り介護ロボット」を導入し、入居者様の急変や24時間の見守り体制を確立したというのが私たちのスタート地点になります。
施設で最も重要な三大要素は「食事」「睡眠」「排泄」
ー 次に、排泄ケアについてお伺いできればと思います。今回、排泄ケアに着眼された理由について教えていただけますでしょうか。
これは僕の個人的な考えなんですが、福祉施設において大事なポイントは3つあると思っています。第一に「食事」、食べることですね。続いて「排泄」、これは子どもから年配の方まであらゆる人がまんべんなく行う行為です。そしてもう一つは「睡眠」です。
うちの施設の場合でいうと「食事」は栄養士が食べやすい食事を工夫してくれています。「睡眠」も見守り介護ロボットがフォローしてくれます。残る重要テーマである「排泄」をどうしていくかと考えたとき、ここはぜひセンサーを活用したいと考えました。
製品選定の決め手は「おむつを開けずに中が見たい」
ーHelppad2を選んでいただいた理由について教えてください。
abaさんの製品を選んだのは、宇井さんの「おむつを開けずに中が見たい」というワンフレーズに尽きます。それはまさに、かつての私自身が介護職として現場に入るなかで切実に感じていたことでした。
夜中に入居者様をわざわざ起こし、おむつを開けても排泄していないことは珍しくありません。「どうしてこんなことをしなくてはいけないのか」「しなくても良くなればいいのに」というのは多くの介護職の共通の願いだと思います。
また、もう一つの決め手は「非装着型」であるという点です。装着型のセンサーは入居者様が外してしまう可能性があるのはもちろん、身体につけることで不快感を与えてしまうリスクもあります。その点、Helppad2は入居者様の身体に直接触れることなく、人間の”鼻”のように、排泄のにおいをキャッチし、知らせてくれる。これは私の持論ですが今後、介護ロボットはやはり「非装着型」が主流になるのではないかと考えています。
もっとも、私の個人的な意見だけでHelppad2の導入を決めたわけではありません。他社製品も含め、排泄ケア関連製品を比較検討し、介護部長や介護主任とも話し合って決めました。
あらゆる人に等しくケア環境を整えることは福祉の原点
ー「全床導入」に踏み切られたきっかけや経緯について教えてください。
60人の入居者様がいれば、60通りの排泄の仕方があります。例えば、日中はご自身でトイレに行くことができる一方で、夜間帯には介助やおむつを必要とされる方もいらっしゃいます。一部の方にだけ排泄センサーを導入するのではなく、全床導入することで一人ひとりに合った排泄ケアを実現するとともに、職員の精神的な負担を減らし、業務の効率化を徹底することにもつながると考えました。何より、すべての入居者様に対し、等しく排泄ケアの環境を整えることは、福祉の精神にも合致すると考えたのです。
排泄センサーが育む、現場の意欲と探求心
ー全床導入の手ごたえはいかがですか。
導入はフロアごとに段階を踏んで行いました。導入直後から現場の雰囲気は大きく変化しています。
排泄センサーというと、「機械が人の代わりに排泄に気づき、知らせてくれるのでスムーズにおむつ交換ができる」という点に目が行きがちですが、それはもたらされる価値の一部にすぎません。
Helppad2を排泄ケアに活用することの最も重要な価値は「職員の排泄への関心が高まり、ケア全体への解像度や働くモチベーションが上がること」だと感じています。
これまではおむつに大量の排泄があっても、さらに尿便漏れが起きたとしても、排泄のタイミングや頻度は曖昧で知る手立てもありませんでした。でも、Helppad2のおかげで排泄の状況をより詳しく知ることができるようになりました。
その結果、「この方は頻尿気味かもしれない」「便の回数自体は少ないが、1回あたりの量が多そうだ」などと職員が気づき、お互いに話し合い、仮説を立てながら次のケアに向かえる土壌が作られつつあります。現場の議論もどんどん活発になっています。
排泄記録が単なるおむつ交換の記録ではなく、「排泄からひとりひとりの生活を考える」につながってきている。排泄ケアへの関心も非常に高まっています。仕事をする上でこうした探求心はすごく大事です。
家族は「排泄センサー」をどうとらえるのか
ーHelppad2への期待について教えてください。
現時点では、特別養護老人ホームでの全床導入ですけれど、今後はサービス付き高齢者住宅やグループホームなど法人内の系列施設でもHelppad2を活用したケアを展開していきたいと考えています。
実は先日、系列のグループホームの運営推進会議で、私たちの取り組みのひとつとして、Helppad2についてご紹介させていただきました。
運営推進会議には地域の区長さんや家族代表の方、 包括支援センターの方にも参加いただいているのですが、みなさんの反応としてはまず第一に「そんなことができるんですか!」と驚き、喜ばれます。
排泄にまつわる不快感を軽減できることに対して皆さん、非常に関心が高い。いくら施設暮らしとはいえ、大切な家族が「何時間もおむつの中に排泄物がある状態」を我慢する日々が続くのは、想像するだけでつらいことです。
これまでの介護施設では、決まった時間におむつを交換する「定時交換」をせざるを得ませんでした。しかし、テクノロジーが進化したおかげで、ようやくケアを変えられる可能性が生まれてきた。こうした文脈で私たちの排泄ケアの取り組みについてお伝えすると非常によくご理解いただける。「家族としても、そういう施設になら安心して、信頼してお任せできます」というコメントを皆さんからいただいています。
共に新たなケアに挑み、最適なオペレーションを開拓する
ーHelppad2の活用を検討されている施設さまへの一言をお願いします。
介護現場にテクノロジーを導入することは入居者様のリスク減少、職員の業務的、精神的ストレスの軽減に間違いなく役立ちます。ただし、「機器を導入さえすれば、あとは自動的にやってくれる」というのは間違いです。
すごいテクノロジーや先進的なAIがあっても、その先にいるのは「人」です。介護現場のノウハウがあってこそ、テクノロジーを活かすことができる。テクノロジーがあるからこそ、現場のノウハウが育ってきます。
使い始めると「どうすれば検知率をより高められるのか」「体位交換のときにどれぐらいまでならセンサーから離れても検知してくれるのか」など、さまざまな疑問も出てきます。
でも、みなさん安心してください。abaさんにはカスタマーサクセス(CS)の専門チームがあり、メールやチャットツール、WEB会議などさまざまな方法でやりとりを重ね、現場と”顔の見える関係”をつくってくれます。介護ロボットの導入はゴールではなく、スタートです。共に新しいケアに挑戦し、最適なオペレーションを開拓できるのもHelppad2を活用する醍醐味だと言えます。
▼Helppad2についてのご相談・お問い合わせは下記のお問い合せフォームからお気軽にご連絡ください。