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株式会社aba 創業者CEO。元ユアハウス弥生スタッフ(小規模多機能型居宅介護)。介護業界をテクノロジーで支えるため日々奮闘中。

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  • ウイルス共生プロジェクト記事集

  • 介護現場放浪紀行

最近の記事

【IVS2023 LAUNCHPAD】優勝から一年経つ今、当時を振り返ってみた

こんにちは!  株式会社abaの宇井です。 2023年6月に行われた、日本最大級のスタートアップピッチコンテスト「IVS2023 LAUNCHPAD」に登壇させていただきました。 大変ありがたい事に「スタートアップ京都国際賞(=優勝)」と「オーディエンス審査員賞」をダブル受賞させていただきました! 今回のnoteでは、優勝を目指して私がどのような準備をしてきたのか、そして優勝後、私自身やabaに対してどのような変化が起きたかお伝えできればと思います。 介護現場の救世主

    • 【新企画】ケアテックと介護ビジネスの図解、始めます。 

      こんにちは、abaの宇井です。 介護ロボットである排泄センサー「ヘルプパッド」という製品を開発/販売しています。 介護ロボット開発に携わって15年以上経つと、介護業界の外の方々から、「介護業界ってどんなビジネス構造になっているのでしょうか?」とよく質問をいただきます。 確かに制度ビジネスである以上、一見すると分かりづらいかもしれません。 そのため、他業種の方がせっかくケアテックに挑戦しようとしても、業界理解をするだけで力尽きてしまうことも少なくありません。 (そんな悩みに対

      • ケアテックの"功罪"について考えた。

         「科学の功罪についてどう考えるのか、科学者として意見を聞きたい」 科学者、技術者、研究者であれば、一度は問われたことがあると思います。 思わず言い淀んでしまう、難しい問いです。  今回のnoteは、この難しい問いに対し、今できうる限り私なりに回答をした、挑戦の走り書きになります。 ※本noteは、「ケアテックの功罪と介護現場での立ち位置」について個人的な見解を述べています。   【きっかけはある記事から】  先日、ケアテックの功罪について警鐘を鳴らす記事を知りました

        • ウイルス共存プロジェクト・6話目往復書簡

          前回のコロナ患者を受け入れた回については、 私ごときがコメントするのは はばかれる、本当に素晴らしい取材録だったため、 きみどりさんに断り、コラムを控えさせていただきました。 改めて最終回となる今回のコラムを書かせていただきます。 3.11で見せた、日本人の品格 今回のコロナ同様、日本が震撼した災害のひとつに、3.11があると思う。 このコラムでも何度か引き合いに出しているが、あのときに浮き彫りになったことは多かったと思う。 特に私が印象に残っているのは、日本人の礼儀正し

        【IVS2023 LAUNCHPAD】優勝から一年経つ今、当時を振り返ってみた

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        • ウイルス共生プロジェクト記事集
          6本
        • 介護現場放浪紀行
          4本

        記事

          ウイルス共存プロジェクト・4話目往復書簡

          4話は医療現場のお話だったため、書きたいことは山ほどあるのだが(特にオンライン面会については宇井の領域なので)、やはり「物資不足」を取り上げるべきだと思い、今回のコラムではそこに注目する。 医療現場と医療物資 大変なことになっているだろうと、それくらいは素人感覚とはいえ、わかっていたつもりだった。 しかし松下先生の回を見て、天地がひっくり返るくらいの大騒動だったことが骨身に染みてわかった。 医療ドラマを見ているとよく思うのだが、現代の最先端医療というのは、最先端物品があ

          ウイルス共存プロジェクト・4話目往復書簡

          ウイルス共存プロジェクト・3話目往復書簡

          「年齢が上がれば子育ては楽なのか?」 緊急事態宣言が始まった当初、実は私は、小学生以上のママさんたちが羨ましかった。 「こどもに自分の指示が通る」という意味では、乳幼児よりも圧倒的に有利な状況だと、勝手に思っていた。 しかし、「船橋ワーキングマザーの会」のメンバーの話を聞く中で、むしろ小学生以上の、学びの時期にあるこどもを抱えることは想像以上に大変であることがわかった。 「乳幼児ママの役割」 乳幼児ママがこどもに行うのは、教育より「生活支援」の意味合いが強い。 (宇井は

          ウイルス共存プロジェクト・3話目往復書簡

          ウイルス共存プロジェクト・2話目往復書簡

          「求め続けた"平常運転"」 我ながら、今思い出しても笑ってしまう。 プライベートでは保育園が休園になり、毎日が土日になった。 乳幼児を抱えるママさん、いや、お子さんを抱える全てのご家庭がそうだと思うが、 正直言って、こどもがいない平日昼間が1番心休まるのではないだろうか。 土日は仕事が休みなだけで、代わりに予測不能・制御不能のこども達とずっと向き合わなければならない。 宇井にとっては平日を乗り切るよりも、土日を穏便に過ごす方が高度である。 ‥だがこれが週7日中の2日だから

          ウイルス共存プロジェクト・2話目往復書簡

          「ウイルス共存生活みんなで底上げプロジェクト」を開始します

          こんにちは、介護機器メーカーを経営している、abaの宇井です。 この度、プライベートの活動として、 漫画家の井上 きみどりさんとご一緒に、 今回のコロナ騒動の知見を溜めていく漫画連載を始めます。 きっかけは、我らが排泄の専門家、 吉川 羊子先生のFacebook投稿の中で、 「コロナにまつわる何か取り組みがしたい」 という話になったことがきっかけ。 ただ吉川先生は現在最前線で働かれる医療者なので、ここは宇井が引き取ります!!✨ と、吉川先生から頂いたご縁で知り合った、き

          「ウイルス共存生活みんなで底上げプロジェクト」を開始します

          ウイルス共存プロジェクト・1話目往復書簡

          「欠品騒動と3.11」 今回の欠品騒動は、3.11を思い出した。 私の家の近所には、大型かつ24時間営業のイオンがあるのだが、 当時イオンの食品売り場から、ものの見事に食べ物がなくなった。 まるで家具屋のショールームのように、真っ白の棚が均等に並べられていて、その異常さは今もはっきりと覚えている。 だが今回の欠品騒動は、物流遮断というよりも、人為的な買い占めによるものが大きかったためか、比較的緩やかに欠品は解消されたように思う。 未だにホットケーキミックス は稀少だが(笑

          ウイルス共存プロジェクト・1話目往復書簡

          コンビニのスプーン。

          昨今、いろいろな高齢者グッズが出ている。 我々が開発しているセンサーを活用した機器もあれば、日用品までその種類は様々だ。 福祉機器展なんかに行くと、その多さにびっくりする。 …日用品といえば…見学で訪れたある施設にいらした方を思い出す。 ご飯を食べるのが大好きなAさん。 なかなか動かない体を、ご飯を食べるときは懸命に動かして食べていました。 まわりの介護職の方も、全て介助することはあえてせず、できるだけAさんに自力で食べていただいていました。 自分のペースで自分の食べた

          コンビニのスプーン。

          風立ちぬから、技術者について考える。

          宮崎駿監督作品の「風立ちぬ」。 先週、地上波初登場だったため、映画館で一度観たものの、また見直してみた。 映画を観ながら、久しぶりに号泣してしまった。 号泣した理由が自分自身でもよくわからないため、ここで一つ一つ解明していこうと思う。 「ものづくりへの情熱」 最初に泣き始めたのは、主人公の堀越二郎が社内研究会で新型飛行機の発表会をしているシーンだ。 陸軍から要求されている仕様を超え、かつ自分たちの思想をありったけ乗せた夢の飛行機への情熱は、私にとって一番心踊るシー

          風立ちぬから、技術者について考える。

          女が道具だった時代。

          介護施設をいくつか回る中で、夜勤に同行させて頂くことがある。 夜は時間がたっぷりあるので、日中できないような込み入った話をする場合もある。 今日はその中から、利用者さんから伺った打明け話について、お話する。 「私はね…娘が3人いるんですよ。でもね、妊娠は5回したことがあるの。」 「流産されてしまったんですか…?」 「いえ、おろされたの。それも自分の旦那に。」 私は話の意味がうまく飲み込めず、ひたすら目を見開き続けた。 「旦那はね、男の子がほしかったのよ。でも私、

          女が道具だった時代。

          「入れてください」

          「お風呂に入っている間中ずっと「入れてください」とおっしゃる90歳のAさんという方がいました。 「お風呂には入っていますよー?」と介護職が話しかけると、Aさんは介護職の手を自分の股に持って行きました。 Aさんのいう「入れてください」は、男性器を入れてくださいの意味だったのです。 入浴中は、男性スタッフなら誰彼構わず「入れてください」というAさん。 最初はスタッフたちも、はぐらかしてごまかして対応していたが、そのうち「あのばあさんは気持ち悪い」「この年になって欲

          「入れてください」

          「75年目の初対面」

          初任者研修時代に、講師の方々の現場体験をいくつか伺った。 今日はその中から、衝撃的だった話を紹介したい。 「訪問介護でお会いした、75年歳のAさん。 彼女にとって、私は初めて見た他人でした。 彼女は、75年間、家族以外の人間を見た事がなかったのです。 小児まひを持って生まれたAさんは、生まれてからずっと、家族に介護されながら生きてこられていました。 母親が生きているときは母親に、母親がいなくなってからは兄弟に介護されながら。 その兄弟たちも、80歳近くなり老

          「75年目の初対面」