長編オンライン演劇『模範解答:素晴らしく人生』を見て、ド素人が感想言います②
えんげき空間 大暖縁 第1回オンライン公演
『模範解答:素晴らしく人生』
を見ての、ド素人感想の続き。
オンライン演劇を見たことがない方にも、その面白さを伝えたいので、
単純にスゴカッタ部分を分かりやすく語りたいと思う。
シリーズその2。
全4回の2回目。
前回の投稿はコチラ↓
基本、とにかくほめまくっている(笑)
◆肝心のストーリーに触れていなかった◆
どんな内容なのか前回触れていなかった。
これが分からないと、何が書いてあるのかよく分からない状態になると思うので、サイトから引用する。
子ども達を教育する研究者の曲従と、
その子どもの、従順に生きる絢(アヤ≒完成品)と、自由な絢(ジュン=欠陥品)を中心に、
物語は展開していく。
【脚本がスゴイ】SFなのに誰しも思い当たる…
戦争や殺人、差別、貧困…それらを無くしてより良い社会を形成するためには人間を統制する必要があり、
統制しやすい人間を生み出すことが重要な世界。
こういった話は昔からある。
真っ先に思い浮かべたのは、竹宮恵子の『地球へ…』である。
『地球へ…』の内容は↑リンク先で確認していただくとして…
その『地球へ…』の中でも、出生から管理されているのに、異分子・異端児が生まれる。
『模範解答:素晴らしく人生』でも、同様に出生を管理されているが、
統制しやすい人間に育つかどうかというのを、
人造研究所で試されてから、人間界に転生する
というのが新しい。
また必ず双子であり、どちらか1人しか選ばれない、選ばれなければ消滅するのみ
という、機械的で冷酷で無慈悲な点も、既存の類似作品と比べても、度合いが増していると思う。
そして「正しい人間」として選ばれたに人間しかいないにも関わらず、荒廃した世界は完全な世界になっていかない。
一体「正しい人間」とは何なのだ?
「自分は何者で何を望んでいるのか」
「どう生きたいのか」
脚本は主宰の大学生2人(池本くん、月見里さん)が手掛けているようだが、
この葛藤は2人のような若者の等身大の姿(これから自立して自分の道を進む)を写し出しているように思える。
そして我々大人にも経験があり、なんならいつまでもそれは人生のテーマでもあったりするもんだから、
苦悩する登場人物達に感情移入していくのだ。
私、泣きそうになったぞ(;^_^A
公演が終わってから販売された脚本と、下書きやメモ書きがセットになったものを購入した。
2人で脚本を書くのは大変だったと思う。
言葉の言い回し一つとっても、それぞれの色があっただろうから。
【視聴者参加型がスゴイ①】選べるのは1つの未来。マルチエンディング。
視聴者投票が行方を決める選択形式のオンライン演劇といえば、私が見た中であげると、
劇団ノーミーツの『それでも笑えれば』がある。
人生の選択をする物語だ。
『模範解答:素晴らしく人生』でも、結末に向けて投票が行われる。
質問は2つ、回答もそれぞれに2つ。
この組み合わせで合計4つの結末が用意されているが、
獲得数で決まるため、自分が選んだ結末になるとは限らない。
また、4回公演あるとはいえ、4つの結末全部が出るとは限らない。
出ない可能性の方が高いし(たぶん)、実際出なかった。
↓このように画面とチャットによる指示に沿って、順番に選択していく。
(ここにきてラスボス登場)
zoomの手を挙げる機能を使って行う。
出たのは、4公演で、B-A、B-B、B-B、B-A。
観客の多くの希望は、どちらにしても「死ぬ気でやりたいことをする人生」を選んで欲しい、選びたい と思っているようだ。
ちなみに私は、1回目と4回目を見たので、両方とも同じエンディングになってしまった(;^ω^)
A-Aが脚本としての正規エンディングだそうで、前述したシナリオを購入すると見ることができる。
残るA-Bエンディングは、残念ながらシナリオで読むことしかできない。
まぁ、自由なジュンに、Aの安定した人生は、モヤモヤしそうで、見たいような見たくないような(;^ω^)
【視聴者参加型がスゴイ②】視聴者大喜利と役者さんの即興腕前の見せどころ。
前回の投稿で、10分休憩の間に、チャットによる視聴者の参加についてレクチャーがあったことを書いた。
その本番が、物語の終盤でやってくる。
人間界で「正しい人間」として、社会の歯車となって生きていけるかテストされるのだ。
これを視聴者がチャット欄に書き込んでいく。
司令官役の役者さんが、演技をしながらこの中から使えるものを拾っていって、テストとして与えていく。
視聴者の方もここぞとばかりに(?)腕前を発揮してきて、
まるで大喜利大会のようになり、盛り上がるものの、
そんなの使えないだろ!というものも沢山混ざるので、
そこは役者さんが、即興でどう選んでいくか。
そして出された側もその場で急に演じなければならないので、本物のテストのよう。
【タイトルがスゴイ】違和感が物語のテーマへと結びつく
人生(名詞)の前につくなら、「素晴らしい」「素晴らしき」などの連体形になるところ、
「素晴らしく」という連用形を持ってきている。
あえて、意図があってそうしているのだろうけど、
周りから間違ってない?と突っ込まれそうで、つけるには勇気がいりそう。
受け入れがたい使い方でもなく、かといってスルーできるほどでもなく、
なんとも言えない違和感を感じる。
この違和感こそが「正しい人間」って何なんだ?というモヤモヤポイントにも結びついてきて、
脳のどこかでわずかに混乱している感じを常に持ちながら、ストーリーと絡まっていく。
********************
というわけで、
でした。
読んでくださりありがとうございました。
そしてビックリなことに、ここまで書いて、
冒頭にも書いた4回に分けて書く を、早くも撤回!
5回です。
5回になります。残すはあと3回。
テキトーーー(笑)
この世界で選別にかけられてたら、絶対欠陥品な自信あるわ~。
そんなわけで、その3に続く!
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