長編オンライン演劇『模範解答:素晴らしく人生』を見て、ド素人が感想言います①
エンタメ感想サイトとしての復活の記念すべき(←自分の記念w)最初の感想を“開始する”。
↑あ、これ、作品の中で公演そのものを「研究」と呼んでいて、前説の終わりにも
「定刻。これより研究を開始する」
と言って始まるのを、真似てみた。
(※公式サイトがストップしているようなので、チケット購入サイト。公演は終了しているので購入不可。)
まず最初に一言感想。
「想像をはるかに超えて面白かった!」
え?じゃあ、どんなだと思ってたの?と聞かれると困るのだが、正直ここまでとは思っていなかった。
実は、劇団ノーミーツの初長編オンライン演劇を見た時と同じくらい、衝撃受けた(当社比w)。
なので、何回かに分けてこの感動を伝えたいと思う。
(あ、たぶん4回です。多いですか?)
今回はまず、オンライン演劇を見たことがない人にも分かりやすく、単純にスゴカッタ部分を取り上げてみる。
◆まずは基本情報◆
<主宰>
えんげき空間 大暖縁(だいだんえん)
池本想雨、月見里りた
<タイトル>
模範解答:素晴らしく人生
<作、演出>
池本想雨、月見里りた
<公開日程>
2021年8月21日、22日(全4回公演)
<公開形態>
zoomウェビナーを利用したオンライン配信。
アーカイブ無し。
<配信視聴料>
1,500円
<キャスト>☆はダブルキャスト
☆おたべ壮太 ☆Harlequin moon
藤崎琴 神崎斗羽
南雲沙羅 テラ・マルミ
えむ かやの
福本桜 池本想雨
月見里りた
<スタッフ>
岡崎秀飛 鳥海真奈美 小島啓寿
<テーマソング>
柊キライ「エバ」
許諾番号:ID000006981
【画面割りがスゴイ】前向いたままジッとしてるわけではない。
会議用アプリzoomを使ったことのある人は、
役者全員がコッチ向いて座って、距離感も同じで、その中だけで台詞を言ったり身振り手振りしているだけ…
というイメージを持つかもしれない。
当初はそういうものが多かっただろうし、今でもそういうものもあるのだけれど、
オンライン演劇は会議なわけではなく、かといって映画のような映像作品でもなく、舞台に役者が揃って立つわけでもない。
役者やスタッフが離れた場所から1つになっている、という利点を存分に活かせれば、
映画でも舞台でもない新しいジャンルとして、コロナが収束した先でも定着すると思う。
まずこちらのスクショ。
いきなり前述したような会議風で、困惑されるかもしれないが(笑)、
これは演出上こうなっていると思われる。
食卓を囲んで、2人が並んで座り、もう1人が向かい合って座っている。
3人の視線でも、何を見ているのかが想像できる。
対比として相応しいか分からないけど、次のスクショ。
感想サイトを立ち上げる前提でスクショを取っていなかったので、そこはご勘弁を。
本編導入部分からオープニング&タイトルへと繋がる場面。
最初から9人揃っているのではなくて、
曲従(左上)が持っているマニュアルを1条読み上げるのに合わせて、
それぞれのキャラクターに沿った演技をしながら、1人ずつ画面に追加されていく。
まるで監視室のモニターのようだ。
引きで半身もあれば、画面から見切れているのもあり、
顔を全部映さないのは、あ!ラスボスですか?!と思わせる。
いまふと思ったのだけど、漫画のコマ割りにもにてるような部分があるかもしれない。
【演出がスゴイ!】zoomの特性をふんだんに使う。
画面の割り方にも通じるけど、プラスしてこんな表現もあった。
まずは1人の場面。
そしてもう1人の場面に切り替わる。
そして、2人が並ぶ画面へ切り替わる。
2人の性格や生き方の違いを、物語や演技だけでなく、矢印を使い表現。
引きを使うことによって、
向こう側とこっち側にいるような、隔たりを感じるような、
そんな効果も感じた。
【開場&前説、休憩がスゴイ】待ち時間も待ち時間じゃない。テーマパークのアトラクション?!
映画館や劇場に行くにしても、開場前から待ってる人、開演ギリギリで飛び込んでくる人、色々だと思う。
待ってる人達からすると、まあこの待ち時間も楽しみではあるのだけど、
パンフ読むとかトイレ行くとか、そういった個人的な時間になる。
ところがオンライン演劇の場合、zoomのチャット機能を使うことで、
開場待ちしている人達とのやり取りも可能。
「こんにちはー」
「楽しみですね~」
みたいな。
もちろん参加せずとも良い。
そしてこの時間に前説が流れることもある。
うっかりトイレに長居してしまうと、このオマケの楽しみを見逃してしまう。
↑こんなカンジで文字と音声で前説が始まる。
右にあるのがチャット。
そしてこの前説もただのアナウンスと呼ぶにはもったいない。
作品自体を「研究」と呼んでいることは冒頭に書いたが、
観客を「研究員」と呼び、物語の中へ引きずり込む(笑)ための、貴重な数分間なのだ。
「定刻。これより研究を開始する」の台詞とともに、一気に世界観の中へ。
同様に途中の10分休憩では、役者「司令官」と観客「研究員」が、チャットを使ってやりとりをする練習をする。
本編後半で実際に使うことになる。
これはまた次回投稿に取り上げるので詳しくは書かないが、
休憩時間の練習ということもあってか、役者さんの可愛いやんわりとした表情もあってか(本番は怖かった)、
研究員達が暴走して、大喜利大会になっていた(笑)。
それもまたオンラインならではの面白さ。
このような手法は、その他の長編オンライン演劇でも行われてきているが、
某巨大テーマパークのアトラクションのように、
待ち時間も飽きさせない、
待ち時間も楽しんでもらう、
待ち時間と思っていたらすでに始まっているんです!
みたいな、ひじょーーーにエンターテイメント性が高い作りになっていると思う!
前説と同様、また一気に世界観に没入させるための台詞。
「定刻。休憩時間終了。これより研究を再開します。」
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というわけで、
でした。
読んでくださりありがとうございました。
その2に続く!