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「ワークライフバランス」の呪縛。

仕事とプライベート。その区切りをはっきりさせたい。多くの皆さんがそう考えられると思います。実際、「ワークライフバランス」は転職動機に挙げられることが多くあります。

ワークライフバランスには「仕事と生活の調和」という日本語訳が付けられています。では、理想の「調和具合」はどのくらいなのでしょうか。それは、仕事をしたいモチベーションやプライベートを大事にしたい度合い、家族構成、子どもの年齢、自身が稼ぐ必要性など、気持ちや条件が人により様々なので、理想のバランスも千差万別です。同じ人でも、時期によって異なるでしょう。

私のケースをお話しします。20代の頃はこんなふうに考えていました。

「仕事とプライベートは分けるべきだ。平日は仕事に集中してやりきる。週末は仕事を忘れ、会社とは別のコミュニティーであるスポーツチームで集まり汗を流す。心身のリフレッシュと軽い筋肉痛を得て、月曜にまた駅の階段を駆け上がる。これこそメリハリのある社会人ライフ!」

多少の差こそあれ、そんな「オンとオフは分けて考えるのが正解」といった考えは多数意見なのではないかと思います。

ただ、その頭でいる限り、いわゆる「サザエさんタイム」と呼ばれる日曜の夜や、「ブルーマンデー」の朝に大きな心理的負荷がかかってくることから逃れられません。真面目な人であればあるほど、休みから仕事へモードを切り替えることにエネルギーが必要になるのではないでしょうか。

ワークとライフのバランスは、「働き盛り」とか「脂がのる」といわれる年代になるとほぼ間違いなく崩れてきます。私も30代になり、仕事の責任やプレッシャー、そもそもの量が増してくると、プライベートに充てられていた時間にも仕事が侵食してくることになりました。完全に仕事を忘れるということが物理的に難しくなってくるのです。深夜に自宅で食事しながらも考えているのはずっと提案内容のことだったり、風呂で頭を洗いながらも忘れていたタスクを思い出したり、もはや純粋なプライベートと呼べる時間は減っていく一方です。

そのことに「なんだかな」とか「これでいいのかな」と感じた時期もありました。それでも私はある時、考え方を変えたことで、その後一切ワークライフバランスで悩まなくなりました。ワークとライフ、仕事とプライベートを分けて考えることを辞めたのです。

生きていく以上、生活の糧を得るための仕事から逃れることはできません。また人生という時間の中で、仕事をして誰かの役に立つという営みを失うと、心豊かに誇りを持って生きていくことはできません。であれば、もはやワークはライフの一部なのです。もっというと、ワークはライフそのものであるのです。

ちょっとルー大柴っぽくなりましたね(笑)。

さらに、一生をかけて打ち込める「ライフワーク」を見つけられたら最高です。ワークとライフを分けて考え、そのバランスがとれないことにストレスを感じることもなくなることと思います。

私の場合、仕事を優先させてくれる家族の理解という前提があったので、ワークライフバランスの呪縛から逃れられたという幸運な側面がありますが、今この問題で悩まれている皆さんにも、仕事は生活の大部分、仕事は人生の多くを占めるもの、それはどのみち避けられないものと考えることで、「そんなものか」と少し肩の力を抜く一助になれば幸いです。

私も皆さんが「ライフワーク」を見つけるお手伝いができるよう精進していきたいと思います。

(この投稿はnote開始前のブログで2019年6月23日に発信した内容です)

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