中学の給食に鰻。 大学にフードバンク。 これ、どう思う?
「ねえねえ、知ってる?今日の給食に鰻が出るんだよ。」
給食の献立を見て、声をあげた。
「ふーん。鰻はあんまり好きじゃない。」「給食の鰻なんて、美味しくないんじゃない。」
あれ?予想外の反応。
「鰻だよ。高級食材だよ。」
「ラーメンがいいな。」「僕は焼きそば。」「ビビンバとキムチスープ。」
近頃の給食はバラエティーに富んでいる。何十年前に比べると、味もぐっと良くなっている。パンは減って、ご飯や麺類が増えた。
それでも残飯が出てしまう。
「ねえねえ。フードバンクって知ってる?」
「なに?」
「フードバンクは、余っている食品の寄贈を受けて、福祉施設や困っている家庭に提供する役割をもっているんだよ。」
そういえば、大学にフードバンクがきたら、食べ物を求めて長い列ができたって、お母さん言ってたよ。アルバイトできなくて、生活に困る大学生がいっぱいいるんだって。
炊き出しってあるんでしょう?
今はコロナの関係で若い人や働き盛りの人も並ぶんだって。
どこかで聞いた話を語り出す教え子。
「そうだよ。よく知ってるね。給食はすごいね。温かいし、栄養バランスがいい。」
「給食ってすごいね。」
苦労せずにいただける「有り難さ」を認識し始める子もちらほら。
実は教え子の中には、フードバンクのお世話になっている家庭の子もいる。
給食、美味しいよね。
遠慮しなくていいから、お代わりに出ておいで。誰も笑わないよ。
残すほうが罪だよ。
だって、大学には、食べるものに困ってフードバンクを頼る学生がたくさんいる。炊き出しには長蛇の列。
「鰻美味しいね。」「うん。美味しい。」
お代わりしよう。ありがたくいただこう。
食べられることに感謝しながら。
食べ物を粗末にする人は食の神様に嫌われる
そんな言葉もあるんだよ。