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考える葦の君たちへ


人間は一本の葦に過ぎない。自然のなかでもっとも弱いものである。だが、それは考える葦である、、、     

    パスカル「パンセ」より


この1年、私たちは、コロナという目に見えないものに翻弄されてきました。

弱い葦の私たちは、いとも簡単に自由に活動する場を奪われました。


それは、学校現場でも同様でした。

当たり前に行われ、成果を挙げてきたものが、ことごとく摘み取られました。


みんなで集まって楽しく語り合う場。

おしゃべりしながらの給食。

顔を寄せあって、意見を出し合う授業。

大勢で出かける修学旅行。

日々の積み重ねで仕上がる感動の合唱。


失ったものはあまりにもたくさんありました。


今年度が終わりました。


教え子たちはどんな気持ちで1年を過ごしたのでしょう?
私たちは何をしてあげられたのでしょう?

気になりました。

しかし

驚いたことに

「楽しかったぁ」
と多くの教え子たちは、口にしました。
「ありがとうございました!」笑顔で手紙までくれる子もいました。

充実感いっばいの表情で、今学期を終える姿が意味していることを考えます。

大人が考えるより、教え子たちはたくましく過ごせていたようです。

それは、失ったものより、得たものに目を向けていたということ。


私たち人間はもろい生き物です。

その代わりに考える力を与えられました。

植物の根っ子は障害があるほうが
力強く伸びていく。

私たち葦も
障害があるたびに
壁を乗り越えるように
力強く成長していく。


弱い存在であることを受け入れ、
その代わりに与えられた考える力を最大限活用して生き延びる時代。

互いに協力をして、知恵を出し合う時代。


春休みを迎え、外から部活動の教え子たちの声が聞こえてきます。

考える葦の君たちは
今日も元気です。



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