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新築で窓の断熱性能を上げる方法


1. はじめに

新築で家を建てるなら、快適で省エネな暮らしにしたい!」そう考えている方にとって、窓の断熱性能はとても重要なポイントです。窓は家の中で最も熱が出入りしやすい場所。ここを工夫することで、冬は暖かく、夏は涼しい住まいが実現できます。

この記事では、新築住宅で窓の断熱性能を高める方法について具体的にご紹介します。


2. 窓の断熱性能が重要な理由

住宅における熱の流入・流出において、窓が占める割合は非常に大きいです。日本建材・住宅設備産業協会やYKK APのシミュレーションデータによると、以下のような結果が示されています:

  • :窓から室内に流入する暑さの割合は約74%。

  • :室内の暖かさの約50%が窓から流出。

※YKK APのデータを元に作成
窓からの熱の流入出比率の算出条件【解析No:00033】(2021.7.1更新) ●使用ソフト:AE-Sim/Heat(建築の温熱環境シミュレーションプログラム)/(株)建築環境ソリューションズ ●気象データ:「拡張アメダス気象データ」2010年版 標準年/(一社)日本建築学会 ●住宅モデル:2階建て/延床面積 120.08㎡/開口部面積 32.2㎡(4~8地域)「平成25年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説Ⅱ住宅」標準住戸のプラン ●躯体:平成28年省エネルギー基準レベル相当 ●窓種:アルミ(複層ガラスA8未満) ●環境条件: 冬:外気温:2.6℃、室温:20℃ 2月14日 5〜6時(日平均外気温最低日)、東京 夏:外気温:34.8℃、室温:27℃ 8月5日 14〜15時 (日平均外気温最大日)、東京

窓の断熱性能を高めることで、以下のメリットを得られます:

  • 快適性の向上:外気温の影響を受けにくく、室内の温度が安定します。

  • 光熱費の削減:冷暖房の効率が上がり、エネルギーコストが抑えられます。

  • 結露の軽減:窓表面の温度を保つことで結露が発生しにくくなります。


3. 新築で窓の断熱性能を高める3つの方法

3-1. 複層ガラス・トリプルガラスを採用する

窓ガラスを「複層ガラス」または「トリプルガラス」にすることで、断熱性能を飛躍的に向上させることができます。

  • 複層ガラス(ペアガラス)
    2枚のガラスの間に空気アルゴンガスを封入し、熱の移動を抑える構造です。

  • トリプルガラス
    3枚のガラスを使用し、さらに高い断熱性能を実現。寒冷地や高性能住宅に最適です。


3-2. サッシの素材を選ぶ(樹脂サッシがおすすめ)

窓枠(サッシ)の素材は、窓の断熱性能に大きく影響します。それぞれの素材の特徴を理解し、目的に合ったものを選ぶことが重要です。

  • アルミサッシ
    熱を伝えやすいため、断熱性能は低めです。比較的安価で、強度が高いというメリットがありますが、寒冷地には不向きです。

  • 樹脂サッシ
    熱を伝えにくく、断熱性能が非常に高いのが特徴です。室内外の温度差による結露防止にも効果を発揮します。寒冷地や省エネ住宅に最適ですが、強度がアルミよりも低いため、大きな窓には向かない場合があります。

  • アルミ樹脂複合サッシ
    外側がアルミ、内側が樹脂で構成されており、両方の素材のメリットを組み合わせたタイプです。アルミの強度と樹脂の断熱性を兼ね備え、寒冷地でも使用可能です。完全な樹脂サッシに比べると断熱性能はやや劣りますが、大きな窓が必要な場合やコストを抑えたい場合に有効です。

  • 木製サッシ
    自然素材ならではの温かみがあり、断熱性能も高いですが、定期的なメンテナンスが必要です。

おすすめ:断熱性能を最優先するなら、樹脂サッシと複層ガラスまたはトリプルガラスの組み合わせがベストです。
ただし、大きな窓を設けたい場合や強度が求められる場所では、アルミ樹脂複合サッシも検討する価値があります。

3-3.窓の種類による断熱性能の違い

窓の断熱性能は、ガラスやサッシの選択によって大きく異なります。以下は、LIXIL住まいStudioで撮影した写真を基に、それぞれの特徴を比較したものです。

  • 樹脂サッシ+トリプルガラス
    最高の断熱性能を持ち、室温の安定性と結露防止に優れています。

  • アルミ樹脂複合サッシ+トリプルガラス
    コストと性能のバランスが取れた選択肢です。

  • アルミ樹脂複合サッシ+複層ガラス
    性能は中程度で、比較的安価なためコストを抑えたい場合に適しています。

  • アルミサッシ+単板ガラス
    最も断熱性能が低く、冬場は結露が多く発生しやすい傾向があります。

窓の性能比較(LIXIL住まいStudioにて筆者が撮影)

写真を見比べることで、窓の性能の違いが一目瞭然です。新築住宅では、これらの特性を理解して適切な選択をすることが重要です。


3-3. 窓の配置と日射対策を考える

新築住宅では、窓の配置や日射対策を考えることで、さらに断熱性能を高めることができます。

  • 南向きの窓を大きく
    冬は太陽光を取り入れて部屋を暖かく保ち、夏は庇(ひさし)や外付けブラインドを活用して直射日光を遮ることで、暑さ対策が可能です。

  • 西側・北側の窓を工夫する
    西側の窓は、夏の西日による室温上昇を避けるため、小さめに設計するのがおすすめです。一方、北側の窓は日射熱の影響が少ないため、採光を取り入れるための設計が適しています。


4. まとめ:新築で理想の窓を選ぶ

窓の断熱性能を高める方法は、新築ならではの選択肢が豊富です。

  • 複層ガラス・トリプルガラスを採用する

  • 樹脂サッシを組み合わせる

  • 窓の配置や日射対策を工夫する

新築の段階でこれらの選択肢を取り入れることで、四季を通じて快適で省エネな住まいを実現できます。
次回は「樹脂サッシ vs アルミ樹脂複合サッシ」の詳細比較について解説します!

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