悪夢
ここ何日か体調を崩していた。
今日やっと体調がましになったが、
普段夢を全く見ないのに、今回は珍しく
独特な夢を見る羽目になっていた。
一旦夢日記という感じのものをつけるが、
日によってはあまり良い内容ではないので
「胸糞悪い」話が苦手なひと、
「生々しい」話が嫌いなひと、
あとできれば未成年の方もあんまり読まないで欲しい。本当に気持ち悪い夢である。
【一日目】
呪われている温泉ランド
夢の中の私は男性だった。
顔は曇っててよく見えない。
彼女?か分からないが女性が隣りにいた。
私と彼女は水着で入るタイプの温泉に来た。
彼女は変な人がいたら守ってね〜とひっついてきた。
温泉ランドの説明書きを読む。
夢だからか?言語が
どう見ても日本語じゃない。
アルファベットと中国語を無理矢理重ねた
ように見えた、おそらく私がそれくらいしか
外国語に触れてないからだ、と思った。
ただ、彼女が「説明ややこし〜」と言っていたから、言語が分かってもまだ壁があるのかもしれない。
だがイラストで少しだけ理解できた。
この温泉ランドには四階層ある。
横に無限に広がる形の構造をしており、
奥に行くほど洞窟内にある温泉と似た
体験をできるらしい。
ご高齢の方は二階層まで、それ以降は持病などがない健康な人のみ行けるようだった。
男女別のシャワールームを出て、彼女と合流すると、まずは第一階層に向かった。
アロマの効果がある温泉を彼女がとても気に入っていたのが印象に残っている。
老若男女、様々な人がいる。第一階層には
露天風呂もあり、どこかは分からないが自然豊かな景色を見ることができた。
30分くらい経ち、第二階層へ向かう。
途中の通路にはウォーターサーバーがあるので水を飲む。
サウナは第二階層にあるらしい。
第二階層は、水圧が強かったり、
色が独特だったりと、
クセのある温泉のレパートリーが増えていた。親子連れが減り、一人やカップルの割合が増えている。
サウナに入ろうとしたが、
あまりにも男性が多すぎると思い諦めた。
第三階層へ行く、となった際、
私は悪寒がした。
女性の割合が少し減っているから?
奥にすすめば進むほど、彼女に対する視線がいやらしく、思わず彼女を守るようにして進んだ。
夢を見ながら今すぐ帰れと思ったが、
彼女のほうが何故か足を止めずズンズンと
奥へ進んでしまう。
だが、第四階層の入口に立ったとき、一瞬彼女が足を止めた。私は思わず鼻を抑えた。
明らかにやばい匂いがする。
「一瞬だけ見ていい?
したらすぐ帰るからさ」
と彼女がいうので、手をガッチリ握って
進んだ。
嫌な予感は当たった。
たしか最初に私は「水着で入る温泉」
と言ったはずだが、眼の前の人たちは水着など着ていなかった。男女のペアが大半だが、たまに若い女性たちが一人の中年男性に集まっているところもあった。中年男性は若い女性にチップのようなものを大量に渡していた。
少し陰には周りを一切気にせずに情交している男女、もしくは男と男などがいて、
彼女が声にならない悲鳴をあげていた。
中にはどう見ても幼い年齢の子供相手を下に敷いている人もいて、温度と混乱で頭がぼうっとなった。
私も彼女も吐きそうな顔でくるりと踵を返して戻ろうとしたとき、私の肩に手を置かれた感覚があった。
「にいちゃん、いくら?どっち?」
今日一番の悪寒がした。
温泉でなければ走って逃げていたところだ。
睨んで手を振り払い彼女を守るようにして
ずんずんと鬼のような顔で逃げた。
あれから何日かして、あの温泉は
表向きは普通の温泉だが、一番奥は
そういうことをしたい人向けの違法な
混浴温泉だったことが分かった。
どうやら彼女から誘ったらしく、
ものすごい勢いで謝られた。
私は、まさかそうだとは思わないししょうがないよ、と宥めたが、しばらく温泉に行くのは嫌だなと思った。
通報?はしたものの警察は相手にしていなかった。なんなら警察まであの温泉に入っている始末で、あそこにいた中年男性とは偉い地位にいる政治家なり社長なりであり、全て黙認されているらしい。
はやく摘発されて潰れろ、と思ったところで夢が終わった。
【二日目】
緑のやつ
よくわからなかった。
ぬめぬめしたつぶらな目をした緑色の生き物がいて、そいつと一緒に寝ていた。
夢の中でも体調不良で苦しかったので、
そいつを抱きまくらのようにして
ぎゅーっとしていたのは覚えている。
緑のやつは
「√√⊕≪√∑∃∌∌∌∵∷∷∷∵∴( •̥-•̥)」
といい、
私は何故か「まだ寝てたい、辛い」
と返した。
すると突然頭を、というか首まで丸ごと食べられていた。
「▒▒▒▒▒ωωω₩∞ỏ#(︎^ ^)」と
満足そうにダンスしていた。
そんなにうまいか。
なぜか首から下の感覚はある。
「*〒〒('-]]->>"__≒A!」と緑のやつが発したあとに、緑のやつは姿を変えた。
人型になった。身体はまんま人だが例のあれがないので性別はよく分からない。
だが目はなくてデカめの口だけあった。
「>∀∀ωẅẅẅエ]]*(-〒@-₩〘!〙!!」
人型になったのが相当嬉しかった?のか
手を叩いてギャァギャァ周りを飛び回っている。よくわかんないけど首から上を返せ。
そうすると今度は両足を一瞬で食われた。
最悪だ。すると緑のやつに目が出来た上に、上半身だけ完全に人の姿になっている。
ケンタウロスのような見た目である、下が緑なので緑の特殊生地のタイツを履いているようにも見える。黒にして江頭のようにしてやりたかった。
顔は綺麗だが、綺麗すぎて逆に気持ち悪さが勝っていた。性別はよく分からないが、北欧の顔が近かった。
「وڡ_ڡA⊿・△╬ωエエ△⊿△∞╬⊿ỏ」
見た目変わっても特に人間の言葉を喋れる訳ではなさそうだった。
笑顔に近い顔で私の身体をつんと動かして
だるまのようにして遊んでいる。
痛くもなんともないが腹が立ってきた。
そうしたら今度は両腕も食べられたので
文字通りのだるまになってしまった。
今度は頭の上に何かを乗せて遊ばれている、積み木じゃないからやめて欲しかった。
早く覚めないかなこの夢、飽きた、
と思っていると、
『起きられるの?それで?』
と声が聞こえてきた。
誰の声だと思い目の前を見ると、
そいつは完全に人の身体になっていた。
『起きるの?それで?』
『起きたところでどうするの?』
『起きるの?』
『起きるの?』
『起きるの?』
『どうして?』
『どうして?』
『どうして?』
『どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどう』
逃げろーー!あー逃げられないんだった〜!!!さいあく!と絶望していると、
首から下も含めて全て食べられてしまった。
残るは虚無だが、まだ話しかけられた。
『どう?どう?どう?どう?どう?』
いやどうも何もと反応に困っていると、
また、なんにちごに、あおうねと
言われた、その瞬間真っ暗になって夢が終わった。
【三日目】
バーコード
私は完全に透明な神視点だった。
明らかにわかりやすいボーイズラブ漫画の世界だと気づいた時には笑いが止まらなかったが、少し様子がおかしいことに気がついた。
人間味を感じないのである。
挙動?見た目?雰囲気?が
あまりにメタすぎてそういうロボットの
ようにも見える。
やたら顔がいい男子しかいない公園で
ひとり、男子が発狂していた。
カメラをズームするように近づいた。
「もう嫌だーーーーー!!!」
「気持ち悪い!わざわざ整形までさせられた上に!こんなとち狂ったことをしないと首が苦しくなるなら!死ぬほうがましだ!」
よく見るとみな首輪をつけていた。
「よせ、あと1時間と出ている、
とりあえず今日は僕のところに来て、」
「嫌だァァァ俺は死ぬ!」
手元にあるボタンが押されると、首元が光り、あたり一面が煙につつまれた。
煙が収まると、そこには首だけがない身体が残っており、私は思わず泣きそうになった。しかし、周りにいた男子たちは無表情のままそのあたりでふらふらしている。
私はあまりの光景に唖然としていると、
突如公園の近くに大きなトラックが止まった。トラックからは、黒い作業服を着た綺麗なお姉さんが2人出てきた。
「これは身体の状態はいいね、再利用」
と、さっき首を爆発させていた男子の腕を触りながらテープを貼っていた。
もう片方は、
「あーこっちは薬漬けになっちゃってるから
無理そう、捨て確かな〜」と、
顔がげっそりした不健康そうなもう動かない男子の身体に、悲しそうに青いシールを貼っていた。
2つの他にもいくつか回収して
トラックは去っていった。
さっきのことで、私は思考が停止し、
どうでも良くなっていた。
男子の首元がやたら黒いのが気になっていたので、もう少し近づいた。
首輪の周りには、黒いバーコードがあり、
好き 嫌い
▌▏▎▏▎▌▋ ▌▏▎▏▎▌▋
や、
高学歴 高卒
▌▏▎▏▎▌▋ ▌▏▎▏▎▌▋
経験済み 未経験
▌▏▎▏▎▌▋▌▏▎▏▎▌▋
などと書かれている。
ああ、、と特に驚くことも無く、フェードアウトするように夢が終わった。起きたときひいっと声を出してしまった。
【4日目】
神社巡り
近所の神社に来ていた。
私は10歳くらいの時の見た目をしている。
隣にはうさぎのお面を被った子が居て、
神社のあちこちを探検していた。
今の時代の神社よりも空気が澄んでおり、
なぜか色んな時代の格好をした大人がいた。
特に何をするわけでもないので、面白いなとしか思っていなかった。
うさぎのお面の子はとても足が早く、
当時も今も足が遅い私は必死について
行った。
少し回ると、私が知らない神社に来てしまっていることに気がついた。
さっきまで知っている近所の神社にいたはずなのに急に怖くなった。
怖くて池の近くでしゃがみこんでいた。
うさぎのお面の子は、ずっと走り続けて疲れたらしく、池の近くの
岩に寝そべってボーっとしている。
池の近くに、いかにも明治、という雰囲気の男子学生が近づいてきた。
「あなたはどこから来たのです。」
やたらはっきりと話していて、言い慣れないようだった。
「私は河口湖からきました、」
山梨かなとぼんやり考えつつ、地元の名前を言うと、眉をひそめていた。
「おかしいですね、河口湖より歩くとはいえ、まだやまなしのはずです。」
うさぎのお面の子がそれを聞いてまた首をかしげていた。
「どこのはなし?」
うさぎのお面の子も地元とは違う場所から
来たようだった。
「小さいので『神社にいるもの』かと思いました、迷子でしたか。」
と男子学生が私達の様子を見ながら言った。
「あちらの門番にみちをききなさい。」
そのときに、逆光のようになっていた顔がはっきり見えたのだが、確かに白黒写真で見た事のある少年期の曽祖父の顔だった。
その言葉のあと、曽祖父かもしれない男子学生は別の道に行ったっきり帰ってこなかった。
「あ!おかあさん!」
うさぎのお面の子が門番の方を見て手を振り走っていった。
「またね!」
うさぎのお面がとれて、顔がはっきり見えたのだが、幼少期の母の写真にそっくりだった。