手を尽くした後なら、許さなくてもいい。
1年ほど前のある時から、急に無視をしてくるようになった知人がいる。
彼はインスタグラム大好きっ子で、積極的に投稿やコメントをなさっているので、意図的に僕のことだけを避けているのがわかる。
最後に電話で話した時は友好的に会話していて、何が彼の気に障ったのかもよくわからない。
20年来の友人で、親しくしていただけにつらかった。
理由を聞いても答えてくれないし、無視や既読スルーが続いたので流石にまいってしまった。
彼は店を経営しているので、勇気を出して会いに行ってみることにした。
もちろん無断で押しかけたわけではなく、事前にショートメールで「どうぞ」の3文字だけ返事があったので、意を決して行動したわけだ。
。
片道4時間以上もかけて店の前まで辿り着くと、そこには客のBMWが停まっていた。
僕が店に入り彼と目が合うと、明らかに顔が引きつっているのがわかった。
客と店員としての会話をしたのだが、完全な営業トークで一般客としてしか扱ってくれなかった。
やはりな。
心のなかで、そうつぶやいてしまった。
そこからはもうつらくて居た堪れなくなり、逃げるようにして帰った。
本当はもっと聞きたいことや話したいことがあった。
でも、彼にとっては店って逃げ場のない所だから、そこで詰めるのはちょっと違うなと思ったのだ。
それに心を閉ざしている相手に対して、それ以上かけるべき言葉もなかった。
なにより、数時間かけて会いに来た知人に対して、労いの一言もない、やぁよく来たねの一言も言わない冷めきった態度に屈辱を感じた。
やれるだけのことはやったので、後悔はない。
同じ時代にせっかくお互い行きているというのに、相手を死人のように扱う人間を、僕は許すことができない。
適切な工程を経て、僕も1人友情を殺すことにした。
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