【受け継がれる意志、人の夢、時代のうねり】デポルティーボ・ラ・コルーニャ通信簿 2023-24
試合終了の笛が鳴る。鳴り止まない、音が溢れる。青で溢れる。
画面の前で言葉を失って。止まらない。止まらない。震えが、感情が。
カーテンを捲る。もう日は出ている。目に映る薄明りの景色は、なぜか朧げで。
嗚呼、今年の涙は、今までとは違う。
優勝したんだ。昇格するんだ。
31,833人が詰めかけたリアソールが歓喜に溢れたその瞬間。その瞬間を噛み締めて。戻れる。戻れるんだ。長かった3部暮らしともおさらばだ。
筆者の応援するデポルティーボ・ラ・コルーニャは、その昔「スーペル・デポル」と呼ばれ、CLでもその名を轟かせたような名門だ。まぁそんなこと誰も覚えちゃいない。そもそも私が生まれるより前のお話。少なくとも“普通の”同年代が知っているはずもなく、ユニフォームを着ていてもレアル・ソシエダのものだと思われるのがオチだ。3部に降格が決まったシーズンに柴崎岳が在籍していたことですら、覚えている日本人はどのくらいいるのだろうか。
なんやかんやで3部は4シーズン目。そりゃあもう長かったよ。高校生から大学4年生になってしまったんだから。
でももう関係ない。勝利の後の煙草の美味さを知った私は無敵だ。
待たせたな、セグンダ。震えて待て。
ということで今年も書きます通信簿。気合入ってます。何せこんな感情で書くのは初めてなもんで。過去3シーズンの歩みと合わせてご覧ください。↓↓↓
バトンを繋いで取り戻したプライド。忘れ去られた“スーペル・デポル”の物語は終わらない。
ルーカス・ペレスが契約解除金の約半分にあたる493,000€を自腹で払ってまで帰ってきた昨季。彼の漢気は図らずも悔し涙に変わった。
3季連続となる昇格失敗を受けて、チームに求められていたものは“変化”に他ならない。かつてスーペル・デポルと呼ばれた名門が、このままでいいはずがなかった。開幕前、キャプテンのベルガンティニョスが引退を発表。彼が夢だと話していたプリメーラ復帰はおろか、セグンダ復帰を果たす前に訪れた突然の別れを前に、デポルティーボ・ラ・コルーニャは否が応でも変化を迫られることになる。
栄華を極めた過去、スーペル・デポル時代の負債を背負う資金難のクラブが行ったオフの積極補強からは並々ならぬ思いを感じた。ミケル・バレンシアガ、シモ・ナバーロ、サルバ・セビージャなど、スペインサッカー好きなら名前を聞いたことがあるような実力者を次々とフリーで獲得。経験値の差で殴る反則級スカッドを揃えた。
ところが開幕から8試合で1勝5分2敗と完全に出遅れ、一時は降格圏に落ちるなど苦しいスタートとなった。キャプテンを引き継いだマッカイはイージーミスを繰り返し、頼みの綱であったルーカスは無得点。解決策を見出せない監督は解任が叫ばれた。
そんなチームの転換点となった試合がニつある。一つは年始に行われたレアル・ソシエダB戦だ。マッカイの失脚以降キャプテンを任されていたルーカスは、この試合でようやく今季初ゴールを含む2ゴールを挙げて長いトンネルから抜け出した。新キャプテンはこれ以降恐ろしいペースでG/Aを記録していくことになる。
もう一つは2月に行われたSDログロニェス戦だ。この試合で初めて、ルーカス、バルベロ、イェレマイ、メジャの最強カルテットがスタメンに揃った。新生デポルティーボが“完成”したのは紛れもなくこの日だろう。ベテランと若手が織り成すハーモニーが、このクラブに変化をもたらした。
そして迎えた5月13日、2位に着けていたバルセロナBとの直接対決を制して優勝を決めた。満員のホームスタジアムで、決勝点を挙げたのはルーカス・ぺレス。ベルガンティニョスから腕章を受け継いだ彼の漢気が、一年越しにチームを昇格に導いた。
結果的に38試合22勝12分4敗 64得点27失点。後半戦は、1位決定プレーオフも含めて21試合17勝4分と無敗で終えた。
今シーズンは観客動員でスペイン3部の記録を塗り替えた。3万人越えという数字はプリメーラのクラブと比較しても遜色ない。それだけの魅力が今のデポルにはある。
落ちぶれた古豪とは呼ばせない。物語は終わっていないのだから。生まれ変わろうとする男たちがリアソールであげた勝鬨こそ、“スーペル・デポル”復活の狼煙に他ならない。彼らが始める新しい章は、始まったばかりだ。
ルーカス・ペレスが引き継いだのは腕章だけではない。受け継がれる意志、人の夢、時代のうねり、彼らが頂点に返り咲くことを求める限り、決して止まらないもの。今こそ、その埃にまみれた読みかけの本を、もう一度手に取る時ではないか。
フォーメーション
それぞれがポジションという概念を持っていないレベルに流動的で、4-2-3-1のようで4-2-4のようで3-4-3のようでもある掴みどころのない超攻撃的布陣。
評価
・👑:MVP
・SS:ZEUS
・S:神
・A:素晴らしい
・B:良い感じ
・C:ぼちぼち
・D:うーん/今後に期待
・E:💩
監督
イマノル・イディアケス
A
近年で最も良い監督。開幕から8試合で僅か1勝と、早々に解任論が巻き起こる苦しいスタートダッシュではあったが、終わってみればまさかの優勝。苦しんでいたルーカスに自由を与えることで生み出した超攻撃的サッカーは、まさに”秩序ある無秩序”。泥沼状態にあったデポルを3部から脱出させた功績は計り知れない。
GK
1.エリック・プエルト
C
マッカイの退団で白羽の矢が立ったのは、3部のグループ2(デポルはグループ1)アンテケーラで奮闘していた守護神だった。最終節で初出場を果たすと、抜群の反射神経でビッグセーブを連発。ハイボールの処理は課題だが、ビルドアップでも落ち着きを見せた。
13.ヘルマン
S
不甲斐ないマッカイに代わってゴールマウスを任された新守護神の存在無くして、今季の堅守は語れない。積極的な飛び出しでハイラインの裏をカバーし、気迫溢れるセービングで幾度となくピンチを救った。短、中距離のパス精度が極めて高く、相手のプレスをものともせず冷静に繋ぐことができる。
24.アルベルト・サンチェス
D
マッカイの失脚に伴い2番手に昇格。ヘルマンの負傷により、優勝決定後の試合で遂にデビューを果たした。身体能力が高く、セービング面で身長のハンデを感じさせない。プエルトが予想以上の活躍を見せたことで来季の立場は危ういか。
DF
2.イアノ・シマオ
D
今冬メジャと共にトップチーム登録を勝ち取った新鋭。大活躍のメジャとは対照的に思ったように出場機会を得られなかったが、恵まれた体格を活かした迫力満点の攻撃参加でアピール。抜かれると軽率なプレーでファールをしてしまう傾向にあり、対人守備は課題だ。
4.パブロ・マルティネス
S
トレードマークの長髪をバッサリ切った経験豊富なディフェンスリーダー兼ムードメーカー。同じ“パブロ”のバスケスとのコンビは鉄壁で、バスケスが前まで出て潰しに行けるのは彼が後ろに控えているから。体を張った熱いプレーで相手を吹き飛ばし、吼える姿はまさに武神。左足の精度も高く、ビルドアップで詰まらないのも長所。ゴールパフォーマンスの狂気じみたダンスは必見。
5.ダニ・バルシア
C
今季からトップチーム登録を勝ち取った未来のディフェンスリーダー候補。対人の強さは既に一級品で、ビルドアップの能力もそこそこ。ただ、守備意識の高さ故に不用意に深追いする嫌いがあり、一気に裏を取られてピンチを招く場面も散見。ベテランの壁はまだまだ高く、決して満足のいくシーズンではなかった。希少な左利きセンターバックとして、さらなる成長が望まれる。
15.パブロ・バスケス
S
セグンダでも余裕で通用するであろう3部最強のフォアチェック型センターバック。読みの鋭さと、強靭なフィジカルを活かし、素早いインターセプトで相手の攻撃をシャットアウトする。マルティネスとのコンビは補完性抜群だった。ビルドアップ時は常に冷静で、ワンタッチで軽やかに相手のプレスを回避し、高精度のフィード1本でチャンスを生み出す。
18.ミケル・バレンシアガ
S
何かの間違いで3部にやってきてしまった百戦錬磨の左サイドバック。長らくプリメーラで活躍した経験を還元し、衰亡するチームに勝者のメンタリティを植え付けた。寄る年波も感じさせず攻守で躍動。常にアップダウンを繰り返す献身性はすぐにファンの心を掴んだ。若手選手からも信頼される兄貴分だったが、退団が決定。
19.ハイメ・サンチェス
B
気づけば古参の一人に。出場時間は減っているが、信頼のおけるバックアップとして高いパフォーマンスを見せた。シーズン終盤はサイドバックや中盤起用にも応えるなど、意外なポリバレント性も披露。優勝決定後の試合ではキャプテンマークも巻くなど信頼は厚く、ファンからも愛されている。
22.パリス
B
スキンヘッドのオジサンは、ネームバリューこそ劣るがセグンダでの経験豊富なベテラン戦士。狡猾で泥臭く、汚れ役を厭わない献身性と、滾るような闘争心は若いチームに不可欠な要素だった。足元の技術が非常に高く、ダブルダッチや股抜きでスタジアムを沸かせることも。怪我がちだったシモ・ナバーロの不在を埋めてくれた。
23.シモ・ナバーロ
A
エールディヴィジを経て、スペインのピッチに帰ってきた。バレンシアガとの凶悪な両サイドバックは、攻守両面で3部の枠に収まりきらない。気の利いたポジショニングで味方をサポートし、崩しにおいて重要な役割を担った。特にボランチのビジャレス、ウイングのメジャとの連携は最高の一言に尽きる。稼働率が芳しくなかったのが勿体なさすぎる。
MF
6.サルバ・セビージャ
C
通称セビおじが3部に参戦。キック精度の高さは衰えを知らず、淡々とパスを散らす。最終節では芸術的な一撃を披露して見せた。また、最年長として、引退したベルガンティニョスの分も若手のメンター役として貢献。優勝後のセレモニーで喜びを爆発させる後輩たちを優しく見守る姿は、コーチにしか見えなかった。
8.ディエゴ・ビジャレス
S
心機一転、今季から背番号を8番に変更。バレロンから薫陶を受けて成長した生え抜きの戦士は、どんな時もデポルのために走り続ける。最終ラインに入ってビルドアップに参加していたかと思えばサイドを駆け上がってクロスを上げ、巧みなボールタッチで相手を交わしミドルシュートでゴールを狙ったかと思えば、ゴール前で体を張ってシュートをブロックする。
ルーカスが下がると腕章を巻くのはこの男。相思相愛のファンから声援を受け、彼の進撃は止まらない。
17.ウーゴ・ラマ
C
オビエドから加入した、セグンダでの実績十分なアタッカー。両足から放たれるパンチ力あるキックが何よりも魅力で、長短のパス精度の高さは目を見張るものがあったが、なぜかシュートが枠に飛ばず。ルーカス不振の前半戦でインパクトを残せず、最後まで序列が上がらなかった。
20.ホセ・アンヘル・フラド
SS
新加入ながらボランチの定位置を掴むと、巧みなボールコントロールを武器に文字通り司令塔として3部屈指の攻撃陣を操った。特に後方からのビルドアップにおける、オフ・ザ・ボール時のポジショニングはお手本級。ボールロスト後の雑な対応は玉に瑕ではあるが、ガッツある守備でチームを救ってくれる場面も。優勝の陰の立役者だ。
21.パブロ・バルカルセ
C
小柄だが、ハンデをものともせずゴリゴリ推進するシャキリ(シカゴ・ファイヤー)のようなタイプ。相手を背負ってのプレーもお手の物。ただ、再三のチャンスを活かし切れず、満足のいく結果を残せなかった。
26.ハイロ
D
4部のファブリル(Bチーム)で10番を背負うプレーメーカー。トップチームのレギュラーは時間の問題と言われて数年、イマイチ伸び悩んでいる感は否めない。ベルガンティニョスの後継者として期待され続けてきた大器は殻を破れるか。
31.ディエゴ・ゴメス
D
進化を続ける左利きのドリブラーが、遂にトップチームデビューを果たした。出場時間自体は一瞬だったが、大きな経験になっただろう。ファブリルではチームトップの得点関与を誇り、攻撃の核となっている。同世代のメジャの活躍を受け膨れ上がるファンからの期待に応えられるか。
35.ルベン・ロペス
B
ユース登録ながら今季はトップチームに定着。優勝を決めた試合でも出番を得るなど、かなり期待をされている。中盤が本職だが、サイドでの起用にも難なく応えてみせた。ピッチを縦横無尽に駆け回り、積極的に仕掛ける姿勢はファンを魅了。セルタB戦で決めた初ゴールが決勝点になるなど記憶に残るシーズンだった。
FW
3.ダビド・メジャ
SS
デポルの未来を背負う最終兵器が、18歳にして早くもクラブの英雄の仲間入りを果たした。圧倒的な加速力を誇り、スピードに乗っていても躊躇なくフェイントを仕掛ける度胸とボールコントロールは久保建英(レアル・ソシエダ)を彷彿とさせる。既にU-19スペイン代表の常連。決定力不足を解消すれば、更なる高みが見えてくるだろう。忘れ去られた「スーペル・デポル」復活の鍵は、この男が握っている。
7.ルーカス・ペレス
👑
クラブに忠誠を誓ったキング。優勝を決めたのは、彼の左足だった。前半戦はノーゴールと全く結果を残せず「限界」の烙印を押されかけたものの、2024年に入って突如復調。ポジションを意識せず自由に動き回り、次々とチャンスを創出した。
引退したベルガンティニョスから託されたのは腕章だけではない。昨季身銭を切ってまで“ここ”に戻ってきた漢の中の漢が見据える先は、1年でのプリメーラ復帰だ。
9.イバン・バルベロ
SS
抜群の嗅覚を持つ、ファン待望の本格派ストライカー。前線にどっしりと構えポストプレーの起点となりながらも、相手ディフェンスとの一瞬の駆け引きを制して”居るべき場所”に入り込む狡猾さを持つ。前半戦は怪我に苦しみ思うように活躍できなかったが、復帰後は類まれなゴールセンスを遺憾なく発揮した。
10.イェレマイ・エルナンデス
S
独特のリズムで繰り出すドリブルで相手ディフェンスを手玉に取るワンダーキッド。課題だった球離れが改善傾向にあり、縦以外の選択肢が増えたことでより怖い選手に成長。粗削りではあるが守備意識も増し、しっかりとプレスバックすることでショートカウンターの起点になる。毎年変わるデポルの10番だが、来季もこの男が背負うことが濃厚。フルシーズン稼働を目指したい。
先日のファン投票でチームの年間最優秀ゴールに輝いた。↓↓↓
11.ダボ
A
ベルギーからレンタルでやってきたテクニシャン。ルーカスが苦しんだ前半戦を1人で支え、後半戦はジョーカーとして活躍。緩急自在のドリブルは相手のリズムを崩し、バレンシアガがオーバーラップする隙を生み出す。どんな試合でもとにかく決定機に絡んでくる嗅覚と勝負強さで優勝に貢献した。
12.ラウール・アルカイナ
C
昨季3部で9ゴールの実力を買われて冬に加入。ボックス内で勝負するタイプかと思っていたが、推進力も持ち合わせるスケールの大きなストライカー。無理な体勢からでもシュートに持ち込める技術の高さを感じさせたが、肝心のネットがなかなか揺れなかった。
14.ベルト・カヤルガ
D
ドリブルの技術はチームでもトップクラスに高い。相手のミスタッチを見逃さずインターセプトを試みる守備意識の高さも見えた。ただ、びっくりする程キックが下手だった。チャンスの場面でパスを引っ掛け、シュートを外し、多くのファンを失望させた。
16.ルイス・キンテーロ
D
ビジャレアルからやって来た、軽やかなボールタッチとパンチのあるシュートを持つクラシカルなアタッカー。一方でフィジカルの弱さと守備意識の低さを露呈し、これといったインパクトを残せなかった。最終節、1人だけ黒髪で変な目立ち方をしてしまう。
29.マルティン・オチョア
D
今季はトップチームに長く帯同するも、出場機会は限られ、結果を残すことはできなかった。かつてはU-19のエースストライカーとして活躍し、世代別代表にも選ばれるなど、将来を嘱望されていたが、ここに来て伸び悩み気味。
32.ケビン・サンチェス
D
年代別代表にも名を連ねる点取り屋が遂にベールを脱いだ。ディフェンスを欺くプレーに磨きをかけ、一瞬の隙も逃さない。長い距離を自ら運んでシュートまで持ち込む強引さも併せ持つストライカーだ。4部のファブリルではチームトップタイの8ゴールを挙げている。
途中退団
1.イアン・マッカイ
E
昨季プレーオフでの失態を引きずってか、不安定なプレーに終始。失点につながるミスを繰り返した。ベルガンティニョスの後を引き継いだ新カピタンは完全にファンからの信頼を失い、冬に退団。デポルユース出身のイケオジにとっては後味の悪いお別れとなった。自分だけちゃっかりセグンダに行っているのも👎。
3.レトゥ
D
昨季同様、気づいたらいなくなっていた。シモ・ナバーロとバレンシアガの反則コンビが揃ったことにより出番は限られていたが、もう少しアピールできたはずだ。個人的に彼のピークは昨季のプレシーズンだと思っている。
6.イシ・ゴメス
E
開幕前のファンとの交流イベントに参戦したが、開幕戦後に退団。昨季の中心選手との別れを惜しむ間もなかった。
16.パブロ・ムニョス
E
出場時間が短く、インパクトに欠けた。レンタル先でもベンチ外が続く。来季以降居場所はあるのか。さらなるアピールに期待だ。
最後に
一つ、肩の荷が下りたような気分だ。所謂オトラ界隈が盛り上がる中で、なかなか仲間に入れなかった。ようやく一歩近づけただろうか。セグンダに上がるだけで、いろんな人が見てくれるはず。知ってもらう、覚えてもらう、思い出してもらう。そういうスタートラインには立てたのではないか。
あとはやはり金銭面。セグンダは無料で見れるからね。もう無駄に月額10€とか払わなくていいんだと思うと実に清々しい。
昨季、アビスパ福岡がルヴァンカップを制覇した。国立で見たあの景色は一生忘れないだろう。そして今季、デポルティーボが3部で優勝。こちらは画面越しではあったのだが。一応アーセナルも応援し始めてから4回くらいFAカップとコミュニティ・シールドを獲っているので、贔屓のクラブ全ての優勝を見届けたということにはなる。
でもやっぱ物足りない。リーグ優勝が揃わないと。しかもちゃんと”1部”リーグの。CL決勝でアーセナル×デポルティーボ。どっち応援するか悩みに悩んで悶死するまでは死ねませんよ。勝ったほうがクラブW杯でアビスパと…なんて想像したら、長生きしてみるのも悪くないなぁと思う。
誰が言ったか「推しは推せる時に推せ」。成程、なかなかよくできた言葉だ。世界を知れば知るほど、一つ一つの事象の儚さに気が付く。何が先に無くなるか、そんなことは分からないけど、どれも永遠じゃない。だからこそ、今、推すんだ。
この世界、「好きに生きる」のは難しいかもしれない。でも「“好き”に生かされる」ってのは、ちょっとばかしハードルが低いのかな。勝ち馬に乗るもよし、判官贔屓もよし。自分が自信を持って“好き”と言えるものと、一緒に生きていく。いいじゃん。グー。
「人間生まれてきたからには意味がある」と否が応でも思わせてくるこの世界において、生きる目的探しから逃れることはできない。そんなもんあるかって話だけど。そこで悩みすぎると進めなくなるんだよね。だから“好き”を見つけるのは一番簡単な解決策。もちろん、それは永遠じゃないわけだから脆くもある。
“好き”に振り回されて一喜一憂することを楽しめている自分は恵まれている。いつも勝つとは限らないものや、いつかは居なくなる推しを応援することを無意味だと思うような人じゃなくて良かった。“好き”と真剣に向き合える自分でよかった。だからこそ、少なくとも“今”の私は幸せなんだ。
これを読んでくださっているあなたの人生がどんなものかはわからないけど、今、たくさんの“好き”で彩られているといいな。
あーやべ、ポエム部分が長すぎた。
煙草が切れたな。買いに行かなくちゃ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
P.S.
“好き”と“好き”を繋いでくれてるモノにも感謝しなきゃいけないな。推しチームを繋いでる、ルーカス・ペレスも冨安も本当に凄い。大好きだ。もちろんパブロ・マリも忘れてないよ。みんな、ありがとう。明日も頑張れる。
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