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「肥満の科学」を読む…aaltoのちょほほ日記@2024/11/16
まだ、kinleで試し読みをしただけなので、此処で書く程の知識を持ち合わせていないが、noteにもNHK出版のページがあり、ほぼ引用します。
ポイントは下記ですが..。
ダイエットや運動で一時的に体重を減らすことはできても、それを維持するのが難しいわけも、そこにある。
…サバイバル・スイッチは、肥満スイッチになってしまったのだ。
で、早速図書館にて予約しました…故に、このnoteのタイトルは正確には「肥満の科学」を読む予定…である、ちょほほ。
「肥満大国」とも呼ばれるアメリカ合衆国では、成人の1/3以上が肥満〔アメリカの基準ではBMI30以上〕に相当します。
さまざまな慢性疾患の増加や高額な医療費にも影響して大きな社会問題になっているこのテーマに、かつてないアプローチで挑んだのが本書の著者、リチャード・J・ジョンソン医師です。
著者の研究チームは、ある特性を持つ食べ物を摂取すると、人間の身体が脂肪を蓄えやすく、燃焼しにくくなる生物学的変化を起こすことを突き止め、その変化を「サバイバル・スイッチ」と呼ぶことにしました。
この「サバイバル・スイッチ」がオンになっていると、肥満になりやすくなり、それと関連する糖尿病などのリスクが高まるだけでなく、一般には肥満と関係するとは考えられていない多数の疾患――心臓病・がん・アルツハイマー型認知症など――のリスクも高まるという研究もあります。
最新の臨床研究や実験を踏まえつつ、自然科学、歴史学や生物の進化から得た教訓といったさまざまな角度から人間が太るメカニズムについての疑問を探究し、「サバイバル・スイッチ」をオフにして適正な体重を保つ方法まで示すこの画期的な一冊から一部を抜粋公開します。
サバイバル・スイッチ――なぜ人間は太るのか
太古の昔から人間には、野生の動物と同じように体重を一定に保つ傾向があった。
私たちの多くにとっても、人生の初期には、たとえ何を食べても、体重を狭い一定の範囲に維持するのは簡単だ。
だが、私は年齢を重ねるにつれて、体重は簡単に増えるのに、減らすのは比較的難しくなった。
まるで私の体は、太り過ぎになるほうを好んでいるかのようだ。
これは私だけのことではないだろう。
世界を見渡しても、現代に暮らす成人の大半は太りすぎか肥満だ。
私たちの体重はなぜ増えてしまうのだろうか?
1920年代から提唱されている伝統的な、、、、教えによると、人々が過体重になり糖尿病を発症するようになったのは、食品が安価で簡単に手に入るようになると同時に、交通機関や他のテクノロジーの進歩により運動量が減り、座っていることが多くなったためだという。
ファストフード、加工食品、ジャンクフードの登場は過食を容易にし、エレベーターやエスカレーター、電車、自動車は徒歩や自転車の必要性をなくした。
インターネット、テレビ、スマートフォンも、家にいることをより容易かつ楽しめるものにしている。
これは単純な数式だ。
つまり、私たちは食べすぎ、運動をしなさすぎる。
(食べ物から)エネルギーが作られすぎ、(運動やその他の代謝活動を通して)消費されるエネルギーが少なすぎると、余ったエネルギーは脂肪として蓄積される。
このいわゆる「過剰栄養」説と一致するのは、一人あたりの食べ物の量が増えている証拠だ。
前世紀の間に大方のソフトドリンクのサイズは、7オンス〔約200cc〕から10オンス〔約300cc〕、12オンス〔約350cc〕、そしてそれ以上へと増加した。
レストランでは一人あたりの食事提供量がますます増え、食べ放題のビュッフェも一般的になった。
また、ここ数十年で、人々の一日の平均摂取カロリーが増加しているという調査結果もある。
国連食糧農業機関が行なったある分析によると、1961年から2013年の間に総摂取カロリーは24パーセント以上も増加したという(一日およそ2900キロカロリーから3600キロカロリーに増加)。
人々の活動量も減少している。肥満は、テレビを見たりインターネットをしたりするのに費やす時間と相関関係がある。
今日、平均的な人は毎日約10~11時間をスマホやコンピューターの操作に費やしているが、運動時間はわずか約17分だ。
私たちが太るのも無理はない。
だが、過剰栄養説には大きな問題がある。
その問題とは、「食べる量が増えているのにエネルギー消費量が少ないから体重が増える」という結論にあるのではなく、この現象の原因を悪い習慣だけに帰していることだ。
確かに、私たちの文化は、より多く食べ、より不活発になることを促している。
だが、サバイバル・スイッチから学んだように、問題の根源は生物学的、、、、なも
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私たちはなぜ食べ過ぎてしまうのか?
現代人の食べる量が増えている主な理由は、私たちの多く、とりわけ過体重や肥満の人は、食べた後に満腹感を得られず、空腹感を抱きつづける傾向があるからだ。
通常、食後に満腹感が得られるのは、レプチンというホルモンが脳の視床下部と呼ばれる部位に「食べるのをやめなさい」と信号を送るからである。
レプチンは脂肪細胞から分泌され、その量はインスリンのレベルやBMIによって異なる。
だが、過体重の人はレプチンのシグナルに対する反応が悪いレプチン抵抗性と呼ばれる状態を抱えているため、空腹感が長く続く(レストランが、数十年前に比べて一人あたりの量を多く提供するようになったのもこのせいだ。
顧客にお得感をもたらすためではなく、そうしないと、顧客が空腹感を満たせないのがわかっているからである)。
過体重の人は、過剰な脂肪を持たない人より脂肪の燃焼効率も悪い(その原因については、のちに詳しく検討する)。
そして、少ない脂肪しか燃焼できないため、脂肪組織が蓄積しやすい。
その一方で、脂肪の燃焼が少ないと蓄積されたエネルギーをすぐに使えるエネルギー、つまりATPに変換する量も少なくなる。
細胞はATPのレベル低下を感知し、脂肪からのエネルギーも含めた細胞内の総エネルギー量が正常あるいは高い状態にあるにもかかわらず、低エネルギー状態に陥っているとみなす。
これにより疲労や空腹感が引き起されるという証拠もいくらか上がっている。
この状況はレプチン抵抗性の影響をさらに悪化させ、ATPレベルがついに十分高くなって空腹が満たされるまで、さらに食べ続けるようになる。だが、その代償として、より多くの食物を摂取し、より多くの脂肪を作るようになるのだ。
これは、冬眠に備える動物で観察される生物学的な働きと同じだ。
実際、脂肪をつけつつある動物の生物学的な働きは、体重増加と格闘している大多数の人間のそれと驚くほどよく似ており、人間の肥満の根本的な原因は、自然界に暮らす動物が使っているのと同じサバイバル・スイッチを〝オン〟にしてしまったことにあると思われる。
このスイッチをどのようにしてオンにしたのかがわかれば、肥満のメカニズムがわかるかもしれない。
そしておそらくは、それを治す方法も。
「サバイバル・スイッチ」が「肥満スイッチ」になった
証拠は圧倒的だ。私たちが太りつつある第一の原因は、文化にあるのではない。
それは、私たちの生物学的働きにあるのだ。
文化が生物学的働きに対応している、、、、、、のである。
私たちはどういうわけか、意図せずに自然のサバイバル・スイッチを入れてしまったのだ。
ダイエットや運動で一時的に体重を減らすことはできても、それを維持するのが難しいわけも、そこにある。
サバイバル・スイッチがオンになった私たちは、いわば冬眠への備えを無期限にやり続けているようなものだ。
野生動物は絶食したり冬眠したりしはじめると、このスイッチをオフにするが、私たちのスイッチは永久に「オン」の位置で固まってしまっているように見える。
このスイッチがオンになっている限り、私たちは肥満とそれに関連する病気に対して負け戦を続けることになる。
サバイバル・スイッチは、肥満スイッチになってしまったのだ。
とはいえ、私たちの探偵作業は実を結びつつある。
すでに、太ってしまう生物学的プロセスに関して大きな洞察を得ることができた。
次にやらねばならないのは、何がこのスイッチをオンにするのか、そしてそれがどのように働くのかを明らかにすることだ。
(了)
※続きは『肥満の科学――ヒトはなぜ太るのか』でお楽しみください。
読む前から、小言を言うのも憚れるが…もう少し訳を簡単明瞭にして欲しい…ちょほほ。