キャサリンはどのように子供を産んだのか?WWシリーズ/森博嗣 自宅の書架から その14
以前スカイクロラを取り上げたが、再度森博嗣さんの著作です。実は例のオーディブルで、寝ながら聴いていて、話が断片的にしか頭に入ってこないにも関わらず、面白くて、図書館で予約してしまった。(だから自宅の書架ではないとも言える)
この本は、WWシリーズと呼ばれる全7冊の内3番目であり、コアな森ファンによるとこのWWシリーズの前にWシリーズを読んだ方がいいという。
確かに主人公二人の前史となるのが、Wシリーズである。だが、初めてこのWWシリーズから読めないこともない。
で、Wシリーズでは近未来のウォーク・アローン(Walk Alone)と呼ばれる単独行動ができる人間に限りなく近いロボットというよりアンドロイドか?が一般社会で活動する時代のSFで推理小説でラブコメという、パフェみたいな小説です。
人工細胞の技術が進化し、それを元にした臓器や器官を移植し、寿命が伸び死なない世界になっている。が、同時に子供が生まれない世界になった。
また、人工知能と仮想現実が進化し、国家や企業は人工知能に依存し、仮想世界での覇権争いも激化している。
と、極めて詳細に構築された近未来世界を舞台に主人公の研究者とそのガードウーマンの二人の冒険活劇とも言える。
もう一つの物語は、その二人のほのかなラブストーリーも楽しい。性格も行動力も真逆の二人が、守られる側と守る側という立場から、徐々に近づき最後は、出来ない命を授かるという。村上春樹氏のような激しいベッドシーンの描写もないし、昔の青春期を思い出せるプラトニックラブ的ほんわか優しい表現も好意が持てる。それも楽しい。
好き嫌いはあると思いますが、これもお勧めです。
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