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芸術新潮 3月号 特集 さよならは仮のことば 追悼 谷川俊太郎...aaltoのちょほほ日記@2025.2.28

一昨日、神様の買い物の付き合いで近所のイオンに行った折、書店を覗いたら、この本が目について立ち読みしていた。内容が如何にも雑誌らしく興味深く書かれているので、思わず購入したので、少し内容について触れたい。

戦後、最大の詩人にして言葉の魔術師、そして時々お茶目な芸術家であった谷川俊太郎氏が亡くなって、心の何処かに、ぽっかり空いてしまった彼の言葉の残像は、何時も意識せざる得ない。
それ位、彼の死は衝撃的であった。
以前にも書いたが、長男に同じ名を命名する程、好きな詩人だったので、そのショックは大きかった。

さて、この芸術新潮 普段なら、表紙だけ見て、「ああ-」と見過ごすが、今回はご購入となった。

この本で一番、興味深く書かれていたのが、彼の実生活と詩作の関係性だった。いつもどうしてそんな言葉が出来ののかが、不思議だった訳だが、身近に居た編集者やその多数の写真から窺い知れて、腑に落ちた。

生活自体が、ハイ・ソサエティーだったのだ。だから、芝生の上に存在する訳だし。阿佐ヶ谷や北軽井沢の環境から、あれらの言葉や詩が生まれたのだと..。
やはり、作家とその環境性は深いと感じた。

谷川俊太郎氏の新婚時の自宅は、建築家篠原一男氏の設計した「唐傘の家」というのも有名で、別荘も確かそうだ。
あのシンプルで禁欲的な空間は、やはり相似性を持っていると以前から思って居た。

その特集の目次だが

Ⅰ 詩人の暮らした「楽園」
Ⅱ 谷川俊太郎への道順
Ⅲ きこえるえ、おどることば コラボ名人・しゅんたろうさんの絵本
Ⅳ Shuntarou Tanikawa as Photograhper

インタビュー 岡崎乾三郎
谷川さんと「WHOちゃん」(そして、僕)

父・俊太郎さんのこと
谷川賢作
谷川志野

この本の特徴は、谷川俊太郎氏の創作が彼の家族との生活に密接に関連していることを表している。その生活と詩作を年代順に表示いている。

だから、結婚や離婚、死別、子の成長と共に詩作があり、それらと作者のプライベートを赤裸々に公開し、いくこともその芸術活動の一部としていた。

谷川俊太郎氏の詩作が、その都会人としての環境や生活に影響を受けていることは、その詩に明確に現れているし、それを隠そうともしていない。だから、谷川風だとも言える。

そして、この本は谷川俊太郎やその詩作の原点を知りたいと思うファンならお薦めだと思う。



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