気分転換、お香のすゝめ


「空気を取り替えたい」

そう思ったことはないだろうか。
湿気がジメジメとまとわりつくこの季節、
私はお香をお勧めしたい。

部屋を薄暗くする。
お香に火をつけ床に置く。

煙が立ち上り、それらをゆっくり吸い込む。
すると鼻、気管、肺、細胞のムードが変わる。

甘いお香なら柔らかく、
すっきりとしたお香なら細胞が凛とする。

お香が燃焼する15分の間に
こうも変わるのかと毎度驚き笑ってしまう。

空間も変わるが自分に含まれている空気も変わるのだ。



古代では神への供物として人や獣が生け贄としてささげられたのと同じように高貴な香りも献上されてきた。

最初は花、野草、樹脂をそのまま。
その後樹脂を加熱すると芳しい香りが増すことを知った古代エジプト人は芳香性の樹脂を焚き、香りを神々に捧げる。

煙が天と地をつなぐみちになるよう願ったのだ。

このようなことから香水「Perfume」の語源はラテン語のper-(通して)とfumum(煙)に由来すると考えられる。

また、香りは蘇り=再生につながるとされていた。
そのためファラオたちは希少な香料を死後の世界への旅立ちにたずさえたいと考え、亡骸を香料とともに葬らせた。

私がファラオなら白檀をくべてほしい。


あぁ、脱線した。

気分がすぐれない時は古い空気を煙とともに天に上げてみるのも一つの手。
お香ファンが一人でも増えることを願って。


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