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【大水滸伝】チンギス紀 第三回
「チンギス紀 第三回(小説すばる 2017年 07 月号 )」2017/6/17
北方謙三 (著)
初読:2017/6/17
まず、地図が入っていて驚いた第三回。
御大の文章は本人目線・本人感覚で描かれているので、本人がさして大きな移動と考えていなければ、(たとえ現代感覚でいけば大移動だとしても)さらっと描写されるだけで終わるから距離感がつかめないこと多いもんなあ(笑)
地図のおかけで距離や位置がつかめました。ありがとう(笑)
さて、テムジンの行動がなぜ周辺部族の動きを活発にしているのか少しずつ見えてきた。追っている者もいれば待ちわびる人も、テムジンが再び姿を現すその時、色々なことが一気に動き出しそうだ。
テムジンの修行もまもなく終わるようだし、次回からいよいよ本格始動というところか。それにしても母は強い、そして息子を強くすることには容赦がない(爆)
ふと思ったのは、水滸伝終盤~楊令伝初期の金建国のエピソード。
あのときも、阿骨打と楊令は周辺部族を武力で蹂躙し、統一部族への道を突き進んでいた。阿骨打の病死によって、当初のプラン通りではなくなったが、今回のテムジン復帰→蒙古統一への道は、あの時の再現となるような気がしてきた。メインではなかったから、金建国の詳細は描かれなかっただけに、楽しみだ。
気になるのはテムジンは、物流の社会をどう見たか、ということ。
御大の主人公はたいてい、新しい(見たことのない)世界をみて、自分の理想(ゴール)地点を意識していく。テムジンは色々な職人と出会い、見識を拡げた、とあるが、肯定的に見たか、否定的に見たか。
まだまだ大水滸伝メンバーは出てこないけど、彼らが作ってきた交易の道が出てきたのは、なんとなく嬉しいですねえ。